2019年12月31日
2019年秋期テレビドラマ感想批評
2019年秋期のドラマが終了し、少し時間が経過してしまいました。私が見ていた作品の評価が定まりましたので、ここに感想と批評を記します。ただし、どれもこれもひどい作品ばかりで、お見苦しい文章になってしまいます。
22時
同期のサクラ(日本テレビ)
主人公のパーソナリティ障害ぶりには辟易しましたが、何とか見納めることが出来ました。
このドラマは、基礎が古いというか懐かしいというか、驚きました。ほとんど、1970年代後半の、ユニオン映画などが製作した成人青春ものドラマのようです。中村雅俊や秋野大作、森川正太や山本紀彦といった人たちの、青春群像もののようでした。
以前にも書いたように、主人公は「狂言回し」であり、ストーリーへの寄与度が小さいです。その主人公の視点から、その回の主人公がどのように心を変えていくか、を描いていました。そしてクライマックスには、挿入歌の「桜」を流し、仲間との助け合いを感動のシーンとして演出しているのでした。
しかし、実際の人たちはどうでしょうね?学生気分で同期同士が固まる、というのは、4年制大学卒者だと24歳くらいまでのことではないでしょうか?すぐに退職する人、親が体を悪くするなど、お金や気持ちの上で余裕がなくなる人、結婚をするなどして、家庭を持つ人、色々な理由はありますが、ほとんどの人は20歳代半ばまでで、職場での人付き合いを限定してくると思います。
そんな、絵空事の青春群像ものでしたが、最終回は「次シリーズ」または「スペシャル編」の存在もあるかもしれない、という幕切れとなりました。私としては、特別に続編を希望する作品とは思いませんでした。
24時
死役所(テレビ東京)
全体的に、「世にも奇妙な物語」を感じさせる作品でした。困ったことに、放送時間が長い割には登場人物の人物像の描写が不十分で、一部を除いて感情移入が難しく感じました。登場人物が「死者」ばかりとはいえ、淡々としすぎているように思います。もっと、生死を考えさせられる脚本にしてほしいものです。
この辺の至らなさは、テレビ東京がテレビドラマを作り慣れていないことによっているのでしょうかね。
木曜日
23時55分
チート~詐欺師の皆さん、ご注意ください~(日本テレビ)
本田翼の大根演技と活舌の悪さ、浅いストーリーなど、まさに「ゲーム感覚」のドラマでした。十数年前、山田優を女優に、AAAを主題化として売るために作られた映画「アキハバラ@deep」を感じさせました。
まあ、私はその作品は見ていないのですが、「デジタルネイティブ」だとか「インターネット世代」というの世代が、基本をおろそかにパソコンのことばかり教えた結果、とでもいえる作風でした。
「「チート」はチープだった」という感想だけが残っています。
金曜日
22時
4分間のマリーゴールド(TBS系)
中間感想でも書きましたが、途中からの展開の悪さに、がっかりさせられた作品でした。当初は、新聞の投書欄などでも結構な年配者が
「救命救急のシーンが良い」
と投書していました。私も、要救助者の救助と心の交錯が描かれ、味わい深い作品になると期待していました。それが、すぐに「義理の姉(菜々緒)への告白と、二人を中心としてファミリーまたはカップルドラマになってしまったのですから、多くの人ががっかりしたことでしょう。
これを、「救命救急の仕事をしながら姉を救うためのヒントを探し、行動する主人公」としたら、きっと良作になったことでしょう。プロデューサーや脚本家、原作者が「ドラマの面白さ」をわかっていない証です。
23時15分
時効警察はじめました(テレビ朝日系)
終わってみると、やはり「古い作品だった」という気分にさせられます。まあ、面白いことは面白かったですよ。ただ、お笑いが全盛だった十数年前と、お笑い作品が体調気味の今年では、お笑いに対する要求が異なります。十数年前なら、「ナニコレ~、ウケルー!」などという女子高校・大学生がいたものですが、昨今はそういう軽い感じは、おバカタレントともに廃されたように思います。
土曜日
21時
少年寅次郎(NHK)
最終回の幕切れが今一つで、すっきりしない作品でした。もうちょっと「のちの寅さんのセリフ回しや明るい人柄」をうかがえるストーリーの方が良かったと思います。脚本家の特徴で、セリフ回しは良いと感じましたが、ストーリーの方は、これというほどのものはありませんでした。
23時40分
リカ(フジテレビ)
主人公がただストーキング行為をするだけのドラマでした。ストーキング相手は、前半1名、後半1名で、おおむね同じ行動に出ています。ただ同じことを繰り返すだけで、主人公の人間性を描かないのでは、「世にも奇妙な物語」の域を出ていないと思います。
まとめ
結果として、見ごたえな秋期作品群となってしまいました。働き方改革の影響か、スポンサーのテレビ広告出稿額の減少か、原因は分かりません。現場で撮影に許される時間は減少することでしょうが、事前に企画や脚本に当てられる「精度」は変わらないはずです。脚本家の分野も人手不足で、要求レベルに満たない人が増えているのでしょうかね?まったく何を考えているのやら。そういう人たちと、面と向かって話をしてみたいものです。
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Posted at
2019/12/31 19:16:02
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