
アルバイトの記憶 スペード社シリーズ
私が新しいはがきの分別方法を導き出す少し前、私は非常に苦戦していました。はがきの束から1枚を取り出し、書かれた内容を見て、
「これは、1-1-0,次は0-0-0…」
と、一枚一枚欄を見ながら仕訳けていました。回答をいちいち見るのですから、見ている時間は1枚当たり数秒間から十数秒間も要していたように思います。それでは、目が疲れるだけで能率が上がりませんよね。しかも、「1-0-1」を置いていたはずの場所に途中から「1-1-0」を置いていたりして、やり直しをしたことが何回もありました。
それでも見る速度を徐々に上げて効率化を図ったのですが、限度があります。その時私の後ろには、私をいじめていた人の一人が座っていたのですが、私よりもさらに速度が遅く、当人はかなり参っていたようでした。そんな彼は私の処理速度を見て、
「なんでそんなに速いのですか?あんまり差を付けないでくださいよ。ちょっと昼休み話しましょう。」
と言ってきました。何の話かと思うと、集配事業部の時のことでした。集配事業部の仕事は基本的に外回りなのですが、昼食時間帯も外で迎えることが多いです。労働者の権利としては、8時間以上労働する場合は45分間以上の休憩時間を取ることがあります。そんなこと言われなくても昼食をとるのに時間を要しますし、昼食時間帯にお客様のところは訪問できません。
私は、食べ物の臭いを吐く息にぷんぷん漂わせながらお客様のところを訪問したくなかったので、飴やチョコレートで空腹を満たしていました。しかも13時指定のお客様もいましたので、12時前に時間指定なしのお客様を訪問、12時台に移動して13時少し前まで時間をつぶし、13時に訪問できるようにしたことは何回もあります。
しかし、彼が言うには、
「仕事は少なめに取って、喫茶店などで時間をつぶしていた」
「17時に帰社できるように時間調整をしている」
とのことでした。
矢崎さんの一件は彼も知っており、
「会社で時間調整をするからですよ。外で時間調整をすればよいのに。」
と言っていました。
お客様訪問の中では、私は
青梅往復突発便もしましたし、お客様が指定する時間に間に合わなさそうになり、都市部をスーツ姿で走るという、まるで太陽にほえろ!の刑事さんのような姿になったことが何回もありました。また、都市部から電車で20分、歩いて15分という都市辺境の会社は、「私(moto('91))が素材を配達してきたので、数日後に私がとりに来るものだと思っていた。」とかで、締め切りぎりぎりの夕方に会社に電話、帰社した私が再び取りに赴いたこともありました。
また、矢崎さん事件の件も、まあ単に矢崎さん自身が悪いだけなのですが、職長に人前で怒鳴りつけられ、涙目になっていたことが忘れられません。
そんな苦労していた人がいるかと思えば、監督されていないからと怠け放題、そして
「この部署はずっと監視されていてやりづらいから、辞めようと思う。」
と言うのは、考え違いも甚だしい、と思うのでした。
それにしても、みんな帰社時間調整をしているから、私が18時過ぎに帰社するとアルバイト職員が帰ってしまった後で、ほとんどいなかったのですね。
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スペード社 | ビジネス/学習
Posted at
2025/04/10 21:21:41