
アルバイトの記憶 スペード社シリーズ
私が通っていた学校は、他の学校と比較すると休みの日が少なかったようです。新学期は4月2日から始まり、試験期間も1週間は遅かったように思います。これで他校と同じ単位というのはちょっと合わないです。そのため、勤務終了日は3月31日だったように思います。
いつものようにはがき事業部の仕事が終わった後、集配事業部に行って監督社員さん、職長、その場にいたアルバイトの人に勤務終了のあいさつと、次期もぜひ採用してほしい旨、伝えに行きました。なんとなく空虚な対応で、後の状況を予測させるものでしたが、これくらいしかしようがありません。
アルバイト詰所には、いつも見る顔の他に黒宮内さんという、私より1歳年上の蔦屋女子大学の人がいました。この私は、どういうわけか1歳年上の女性とはこの時も、そして今でもほとんど話したことがなく、もしかしたらこの時が初めてだったかもしれません。
そしてその黒宮内さんは、私は面白い人という噂のみ聞いていたのですが、この日まで話したことはもちろんのこと、顔と名前の特定も出来ていませんでした。お疲れさま会1にも2にも来ていなかったので、仕方がありません。そんな黒宮内さんと初めてお話をするのに、黒宮内さんの方は私のことをよく知っている素振りでした。
きれいでおしゃべりで面白い人で、野比さんや猿島さんとおおむね同じ分類のタイプながら、より現代的な感じがしたものでした。その時にその場にいたホウセンカ大学のぬーさんや来月大学のGAOさんなども、
「黒宮内さん、よくしゃべるよな。もっと(仕事の)手を動かせ、と思うけど。」
と、笑いながら言っています。皆さん、すっかり黒宮内さんのキャラクターに酔ってしまっていたようです。
蔦谷女子大の創始者は女性の地位向上の祖と言われている人でしたが、当然ながら黒宮内さんにその雰囲気があるというものでもありませんでした。
学校の友達の岸部さんはよく、「顔がきれいな女は高飛車で、ブスは性格が良い」などといった、どこかで聞いたようなもっともらしい話をしていました。当時の私は、学校の授業では岸部さんとお互い近くに座り、休み時間は掃除部の話をしつつ授業を受けることをしていました。私は岸部さんのこの安っぽい論に引きずられてしまっていたようです。やはり、友達は良く選び、あまり肩入れをしない方が良いと感じます。
そんなこんなで最終日を迎えましたが、まだ話は続くのでした。
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スペード社 | ビジネス/学習
Posted at
2025/04/14 21:28:33