
毎年9月第一週土曜日は、筑波サーキットで「メディア対抗4時間耐久ロードスターレース」が開催されております。この催し物は、1989年の初代ロードスター発売時から続いており、今回で28回となります。初期には富士スピードウェイで開催されていましたが、途中から筑波サーキットに変更されている模様です。私は、旧型ロードスター発売前年の、2006年から見に行っていたと記憶しています。
このレースを初めて知ったのは、カーグラフィックTVでの特集回です。青いロードスターのワンメイクで、雨模様のレースでした。各チームのドライバーは、当時も今も、メディアの記者/編集者の方が主であるようです。しかし、特別にプロドライバーなどの「助っ人」枠が設けられていますが、時間や人数は限られている模様です。
雑誌編集者というと、サザエさんのノリスケさんを思い出してしまいます。すなわち単なる会社員であり、普段の仕事はインタビューに撮影に記事の執筆や進行管理、作家さんなどの所に行って原稿をもらってくるのが仕事の人だと思っておりました。
カーグラフィック誌といえど、編集者はノリスケさんのような会社員編集者だと思っておりました。その編集者がレースをする姿を見て、
「普通の人でもレースが出来るんだ!早く大人になって免許を取って車を買いたいなあ。」
と思ったものです。
番組の映像は運転手の後方から正面を写した「インカーカメラ」になっておりました。音声にはエンジン音も盛大に車内に侵入し、のちのベストモータリングのように、臨場感が抜群でした。映像を見ているとまるで自分が運転しているような気分になり、当時何度も繰り返し見たものです。
そのカーグラフィックチームは、テレビ向きに大活躍をしておりました。レース初期には「だんご集団」から抜け出して上位につきます。しかし、100Rコーナーでスピン、一時後退してしまいます。しかしそのドライバーが猛烈に追い上げ、再び上位につくという、ドラマチックな展開でした。
そして時は流れ、2017年のこの日のレースでは、最初の数週で周回遅れになってしまうチームがいました。「IT media」チームです。聞いたこともない会社で、走るシケインだわ、コース取りはめちゃくちゃだわ、一体何をしに来ているのだ?と思ったものでした。レース終了時、いくつかのチームがガス欠で止まってしまいました。その中には、この「IT media」や「カーセンサー」チームもありました。
しかしこれらのチームが他のチームと異なっていたのは、プロドライバーや職業ドライバー(メーカーテストドライバー)がいなかった点です。プロドライバーがいれば速く上手く展開出来ます。しかし、このチームはそれをしなかったのです。
そんな不利な要素を持ちながらも出走したことは、素晴らしく感じられました。私はどうしても話をしたくなり、レース終了後にチームの人に話しかけるのでした。
カーセンサーチームは「そこ(社員だけということ)にこだわったのです。」とおっしゃっておりました。「IT media」チームは、「まだ車関係のインターネット記事は手がけていないものの、社内運動会の気分で参加された。そのようにおっしゃっていただけるのなら、またぜひ出走したい。」とのことでした。
スポーツや趣味の類は、「若い人」や「素人」といった裾野を支える人や、長く趣味を続けている「お年寄り」が多いほど厚みがあり、長く存続しうる趣味であると私は考えています。このロードスターレースも、「普通の車で普通の人が乗ってもモータースポーツが出来るんだ。」と思わせるのに良いイベントであったことを思い出しました。
上記の点を受け、翌年以降、「30歳未満の若手」「女性」「55歳以上の高年齢者」を交えることを望みます。若者がいないと、趣味の将来性はありません。女性ばかりの趣味は滅びませんが、男性ばかりの趣味は滅びます。高齢者もいないと、「引退する趣味」になってしまいます。
これを見ている関係者さん、ぜひ検討してくださいね。
なお、添付の写真はパドックにいた海外メディアの人です。この女性、メイクが本格的で「素人ではないな」と思わせるものでしたが、髪型や服装がなんとなく違うように感じました。そばを通ったら、撮影している人たちは中国語?で話していました。
Posted at 2017/09/09 00:42:08 | |
トラックバック(0) |
催事 | クルマ