十数年前頃から、インターネット上の記事が紙媒体の記事を凌駕するようになりました。紙媒体の頃は、「記事を書く」ということは、新聞社や出版社に勤務している人の特権で、知的かつ選ばれた人のみが出来ることでした。
そして十数年、今やニュースを発信する会社は掃いて捨てるほどあり、その記事をサーチエンジンがニュースヘッドラインとしてトップページに掲載しています。従来の体制のまま媒体を紙から電子にしている会社がある一方、記事を社外ライターに「生産」させ、それを掲載するだけの会社もあります。
そんな折、この日ヤフートピックスに掲載された「
女1人で「Peach」成田~関空を移動してみた! メリット&デメリットを本音でレビュー」には、脱力するとともに、産業構造のいびつさを思うあまり、怒りを感じました。
この記事は、ライターがLCC(格安航空会社)を利用し、そのことを文章にまとめたものです。卒業旅行やその後の就職で初めて飛行機に乗る人が多くなる時期ですので、それらの人に読みやすい記事は、毎年求められます。若年者がほとんどですから、友達口調で軽い感じにすることも十分わかりますし、誰かがお兄さん、お姉さん的に教えてあげるのもよいことでしょう。誰かがしなければならないことですし、私がその役に任命されたら、やはり軽い文体にすると思います。
ところが、その記事には、
「航空券の予約の仕方など、入り口となることが書かれていない」
「当日、離陸何分前に空港に到着すべきか」
「荷物検査や持ち込み不可物とは何か」
「飛行機のダイヤや列車との時間差、料金差について」
などといった、初心者の不安を取り除くような記述が一切ありません。結局、ニュース配信会社やヤフーなどのクリック数を水増しするのみで、読むだけ無駄な記事となってしまっています。
ニュース配信会社やサーチエンジン会社は、記事クリック数をもとに広告の料金を決定し、その料金をもとに広告を募集する。場合によっては、広告クリック数に応じて利益を得る」ことをビジネスとしています。たとえ駄記事であっても、そこに記事があればお金になる仕組みで動いているようです。すなわち、「白地に「あ」」とだけある記事ページでも、ないよりまし、というものです。
その一方で、運送・自動車整備・土木建設・介護・学校などの職場では、恒常的に人材不足が生じています。こんな無駄記事を書く業界に人がいるなら、もっと必要な分野へと動かしてほしいものです。
もしや、私たちが暇な時間にインターネットの各記事をクリックしてしまうことで、これらの人的需要が生じてしまうのでしょうか。それでしたら、私は喜んでインターネット記事を見ることをやめます。
追伸
特にこの「クランクイン!」というサイトは、ハリウッドチャンネルというCATVや衛星放送チャンネルを持つ会社のようで、芸能各種の軽い記事が多量にあります。しかも、私が従来から「提灯記事」が多いと、注意をして記事を読んでいる会社です。
Posted at 2020/02/16 20:45:33 | |
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