
何と「ひみつのアッコちゃん」第二期の冬頃の作品では、アッコちゃんが「レッグウォーマー」を着用しています。ただし描写が安定せず、通学路では着用しているのに校内では着用せず、休みの日にも着用していないなど、一体どうしたいのか尋ねたいほどです。
このレッグウォーマーは、遡ること1982年頃から1984年頃まで、成人女性にスポーツクラブやフィットネス、ジャズダンスが流行した頃に流行った靴下です。大体、オリンピックの前にスポーツミックスの服が流行り、オリンピック後に反動でフォーマルな服が流行るものですが、この時期は初の商業オリンピックである、「ロサンゼルスオリンピック」の前であり、いまにもつながる各種のカジュアル服が導入されました。
そのレッグウォーマーは、水着にも似たレオタードに合わせて着用していたようなのですが、おそらく胴体部分が細く見えるのを、足元を太く見せるようにして安定感を出すための衣料品であり、「寒い足を温める」ことは全く期待されていなかったと思います。
大人用としてはすぐに廃れてしまいましたが、なぜか1988-1989年頃に小学生用として復活していたように思います。当時、ファッションのことなど何もわからなかった私は、「レッグウォーマー?毛糸の靴下でしょ?そんなに足が寒いのなら、長ズボンをはけばよいのに。」と思っていたものです。ミニスカートで軽さを出し、レッグウォーマーで視覚的バランスを安定方向にして、ついでに足も温める、というファッションの目的など、まったく意にも介さないのでした。
その、足元を太くして安定感を出す手法は、小学生よりも上の世代の女子に波及し、ルーズソックスの元祖である「くしゅソックス」という履き方が現れます。くしゅソックスとは、「白いハイソックスを履き、上端を下ろして弛ませ、その上端はソックタッチで固定する」方法です。それまで長い間ヒット商品に恵まれれなかったソックタッチの製造メーカーは、うれしい悲鳴を上げているとニュースでも報じられました。
さらにそのあとの1994年頃に、成人女性に冬用ブーツが16年ぶりに復活していますから、レッグウォーマーの再流行は、足元ファッションの再興だったのかもしれません。くしゅソックスは単なる靴下のはき方のバリエーションにとどまらず、ルーズソックスへと変化をしていきます。
そして1990年の秋頃、学校帰りにコマンダーさんと電車に乗っていた私は、くしゅソックスに対して
私「コマンダーさん、女子に靴下を弛ませる履き方が流行っているんだってね。靴下を弛ませておいたら、体育の授業の後などに靴下にはほこりがついた部分とついていない部分が出来て、だらしない横じまになるんだから、バカだよね。」
コマンダー「校庭が土でできている学校は少数派で、都市部ではうちの学校だけらしいよ。」
と、二人とも流行を全く理解しない発言をしていたのです。「ハイソックスだと重心高が高く見えるので弛ませている」人の気持ちは、まったく考える余裕がなかったのですね。
また、校庭が土ではないのですから、体育の授業を受けても靴下に横じまはできません。しかも、わざと靴下を弛ませているのですから、その靴下を引っ張り上げることはしません。また、おしゃれに敏感な人でしょうから、体育などがあるときには替え用靴下も持参していることでしょう。
このように、当時の若年男性など「大きな小学生」でしかありませんでした。そしてそのまま中年男性になっていくのですから、ファッション関連メーカーは若年男性を市場調査の対象外にしても、まったく差し支えなかったことでしょう。意見を聞いてもらえなくて、当然だったのです。
この事実に気づくまで、時間がかかりました。
Posted at 2025/07/21 12:15:44 | |
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