各会のショーで行っております、MT車のシフトフィーリング調査をオートメッセでも行ってきました。ただし、これまでに試してマイナーチェンジ等を行っていない車は、調査の対象から外しました。
なお、文中の「シフトストローク」とは、ニュートラル位置から各段へとレバーを倒す際のノブ移動、「セレクトストローク」とは、ニュートラル位置から1,2速列、3,4速列、5,Rまたは6速列へとレバーを左右に動かすノブの移動量を示しています。
アテンザ
アテンザはマイナーチェンジを行いました。アテンザで登場したスカイアクティブドライブMTは、軽い力で「スコスコ」とシフト操作ができることが売りでした。しかし、シフト完了時にクリック感が感じられないことから「シフト操作が完了したことを運転士に告げないために」シフトミスをしやすくなっていました。また、「操作を味わう」という点からも、MT車のシフトレバーは単なる操作レバーや電気スイッチではありません。味わいという点で不足していました。
ところが、マイナーチェンジモデルでは明らかにクリック感が加えられました。同時に展示されていたデミオにはこれまで通り全くクリック感がなかったので、明らかに変更を受けております。これによりシフト操作完了がわかるようになり、より完成度が高まったと言えます。
あとは、シフトレバーのニュートラル時の角度です。ニュートラル時に直立していますので、1,3,5速ではシフトレバーが遠くなりすぎます。ニュートラル時にレバーがもう少し後方に倒れていたほうが操作しやすいでしょう。
ニュートラル
1速
2速
3速
4速
5速
6速
続いて、確か試していなかったフィットのRSを試してみました。クリック感がちょうどよく、シフト完了後のレバーの動きも、まあまあでした。しかし、シフトレバーの倒れ角が大きすぎ、操作をする手が離れやすくなります。倒れ角が大きいと、ストロークも長く感じます。また、セレクト角が左に寄りすぎ、5,6速の位置がわかりづらいです。普通の車の、3,4速の位置に感じられます。Rミスシフト防止機構がレバー内蔵であり、5,6速よりも右にあることが問題かな?
ニュートラル
1速
2速
3速
4速
5速
6速
続いてコペンです。FWDのケーブル式と思われます。割としっかりしたシフト感で、重さも適当です。概ね好ましいのですが、セレクトストロークに対してシフトストロークが大きすぎます。特に、ニュートラルから向こう側にシフトする、1,3,5速側へのシフト操作量が大きすぎ、手が遠くなってしまいます。素早いシフト操作をしようとすると、乱暴に操作をすることになっていまいます。ニュートラル時にもっとレバーを後ろ側に倒しておくことが必要ではないか、と思います。操作力自体は少なくて済みますので、レバー比を変えてシフトストロークも削減すると良いでしょう。
ニュートラル
1速
2速
3速
4速
5速
最後は、マイナーチェンジを受けたヴィッツのRS、G'sモデルです。マイナーチェンジ前と比較してスタイルがシンプルになり、地味で走りの性能が良いという、通にはたまらない性格になってきました。とはいえ、シフトレバー系には手は入っていないようです。かつてAE111系6速MTでは、レバーASSY内にも節度機構を内蔵し、しっとりしながら確実なシフト操作が可能なレバーになっていました。その頃のシフト機構を復活させて欲しいものです。現状はかつてのEP71ほぼそのまま、レバーを左右セレクト方向に振ればフロアパネルが振動し、ガコガコと安っぽい音がします。セレクトストロークもシフトストロークも過大で、操作の喜びは感じられません。それと、このシフトブーツは一体何を考えているのでしょうか??
ニュートラル
1速
2速
3速
4速
5速
その他、86もマークXもありましたが、いずれもこれまでのモデルとの差異は見られませんでした。たかがシフトレバー、されどシフトレバーです。各メーカーでも、初代ロードスターのM5R(だったかな?)トランスミッションを良しとする方が多いです。ぜひ、もっと操作感について語りましょう!
Posted at 2015/02/17 01:02:31 | |
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