
この更地にされようとしている場所は、かつて「中古ゲーム、CD、DVD販売店」があった場所です。確か1990年代の末期に出来、同種の産業としては後発の方でした。まだブックオフが出来る前の話です。
ゲームの中古販売は1980年代末期に、CD,DVD販売は、1990年代初めに登場しました。中でもCDは、「レンタル上がり」というものもあり、私はよくお世話になりました。
ゲームの中古販売は、ファミリーコンピューターの時期から現れ始めました。プレイステーションの時期に繁盛していたようですね。いつの間にか新品も販売するようになり、街の子供のオアシスにようになっていました。
中古品は生産できません。全て顧客からの買取によって成立しています。中古品の価格はあってないようなものですので、売る方は理由があって売るのですから買い叩き、結構良い値段で販売する、というビジネススタイルでした。
その中古ソフトが販売されると新品ソフトウェアの流通が悪化するために、プレイステーションでは発売開始からある程度経過したソフトウェアを「名作シリーズ」として低廉な価格で販売、中古ソフト撲滅の圧力をかけました。
時代は流れ、2010年代になると、CDは不況、DVDも愛蔵版以外は売れなくなり、VHSはそもそも再生機すら危ない状態、ゲームはプレイヤー人口減少となりました。ゲームや音楽も、データ配信へと移行しています。即ち、ソフトウェアは何らかの媒体に入れて販売するのではなく、権利を購入するものへと変わってきました。
併せて、中古品販売店もブックオフへと集中し、その辺の業者が参入して効率よく営業できる時代ではなくなってきたのかもしれません。
1990年代半ばに勢いが良かった産業というと、この種の中古ソフトウェア販売の他に、以下のようなものがあります。
・ジーンズメイト等、ジーンズカジュアル服販売業
・宅配ピザ店
・アダルトビデオを中心としたビデオカセット販売店
・酒の安売り店
・ダイクマ等のディスカウントストア
・大手レンタルビデオ店(アコム、TSUTAYA等
今では規模を縮小したり、業態を変えつつある産業が多いです。20年も経過すると、意外に世の中の情勢が変わっていることが多いことに気づきます。
学生に人気がある職種も、20年も経過すると衰退産業になっていることが多いです。音楽制作会社やゲームソフト会社、マンガ出版社など、当時は製品を作ることはお札を刷るようなもの、とすら言われていました。
あなたが勤務している会社は、情勢の変化に対応できるような柔軟な体制になっていますか?
Posted at 2015/12/23 23:23:39 | |
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