
「ガンダム」オタクの方々は、新映像作品だけでなく、「新媒体」に初代ガンダムが収録されるたびに、次々購入されているそうですね。まさに金鉱だと思います。それがないだけ?、ヤマトはまだ良心的かな??
さて、1974年のヤマトもテレビシリーズが再編集されて、映画版となって上映されました。当時の大学生が初公開日に先駆けて映画館前に徹夜し、アニメ映画は儲かるということを映像制作各社に知らしめました。
当時の大まかな編集は、確か以下のとおりです。
冥王星海戦:ほぼそのまま。古代や島の収容の関係がやや異なる。
地球から発進まで:高速空母を射撃破壊するシーンがなくなり、大型ミサイルの展開とセットになる。
ワープ実験:ナレーションと概要の映像のみ
木星大陸:波動砲発射のみ
土星衛星タイタン:概要のみ
冥王星:概要のみ。アステロイドベルトでのシュルツの死はなくなり、冥王星で死んだことに。
アルファ星:概要のみ
ビーメラ星やオクトパス星団、その他宇宙空間:省略
バラン星やその周辺:省略
七色星団:ほぼそのまま
ガミラス星:ほぼそのまま
イスカンダル星:藪の死のあたりが省略
帰途の時のデスラー:省略
と、
「ヤマトが地球を発進、いろいろ戦う中でついに七色星団で敵艦隊と交戦す。これを打ち破ってガミラス星を攻撃、ギリギリのところで戦いに勝ってイスカンダル星に到着する物語」
になっていました。
途中の「相原が実家と通信する話」や「浮遊要塞で真田が古代に自分が幼い頃や古代守との関係を話す話」、「古代がガミラス兵を殺そうとする際に去来する、両親を失った日」の話が省略されたことは残念でしたが、戦闘ものアニメとしてのヤマトになったのは、映画版あってこそです。
今回も、大胆かつ喜ばしい編集が行われております。
以下、映画に関する記述があります。これから見ようと思っている方はすぐにブラウザの「戻る」ボタンでお戻りください。
まず、冥王星で反射衛星砲を破壊する展開で始まります。「おいおい、省略するって言ったって、唐突かつ突然始まりすぎでは?」と思わされます。しかし、そこから冥王星に関する回想が始まり、遊星爆弾による攻撃を受け始めた頃からここまでの物語の概要が語られます。
その中で、「島の父がガミラスと友好関係を築こうとした伏線」「冥王星海戦で見せた、艦艇の軽やかすぎる動き」、「古代と雪の萌えシーン」は、完全に排除されています。
次の異次元断層の話になりますが、この辺りで出てきた次元潜航艇やフラーケン少尉は、全く排除されています。
続いてバラン星付近や星のすぐそばの艦隊戦シーンは、ほぼそのままです。事前のワープ門(?)調査関連は、びーメラ性訪問程度と、ほぼ排除されております。ビーメラ星における二足歩行マシンなどの描写もなくなり、シンプルに展開します。それならば、デスラー暗殺事件やゲールに殺されるゼーリック氏の展開も、完全になくしたほうがよかったのではないでしょうか??
七色星団の戦いやガミラス本星の戦闘シーンは、そのままのようです。しかし、何度見てもデスラーが要塞の一部をガミラス星に落とすその理由がわかりません。そうそう、その際の森雪のシーンがガンダムっぽいのもそのままです。
この付近に、ユリーシャの萌えシーンが残るのみで、その他の萌えシーンは完全に排除されました。悪評名高かった「ヤマトラジオ」や「パフェ」のシーンもありません。現製作者の遊びシーンは、結局排除されました。
イスカンダルでも、水泳シーンなどが排除され、旧作に近づいた印象です。なお、帰りのデスラー攻撃シーンは、完全に排除、旧作映画版並みに、ヤマトはすぐに地球に帰っています。
とまあ、かなり大胆な編集をしながら、だらだらとしたメカニカル展開、旧作のつじつま合わせのためのシーンなど、話が細かいオタクっぽいシーン、萌えシーン、お色気シーンなどがほぼなくなって、旧作からの改変に不満があった人にも、充分受け入れられる展開に変わってきています。
ただし、私はガミラス星のシーンには未だに不満があります、やはり、硫酸の海と天井都市のミサイル攻撃の方が良いです。戦争の虚しさ、自身が不利な状況にあっても、相手の隙をつくことで形勢が逆転する展開、なにより「硫酸」や「マグマの壊さ」を知らしめるのに、非常に良い教材(?)にもなっています。あの戦いの緊張感とヤマトのやられ方は、ほかのアニメにはないシーンだと思うのです。
この作品の終わりに、ガトランティスが出る次作の予告が流れていました。この映画を見るに付け、製作者は、「ヤマトの戦闘ものアニメとして人気を得ていた」ことに気づいたとみられ、期待が高まります。
追伸
エンディングテーマは、水樹奈々とかいう人が歌っています。アニメ歌手だそうですね。全盛期直前の浜崎あゆみ風の歌い方が印象的でした。当時のポピュラーソングにアニメソングが追いついたというべきか、アニメ臭が音楽の分野も覆いつくそうとしているというか、複雑な気分でした。でも、曲の感じは良いですよ。
Posted at 2014/10/13 16:38:27 | |
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