2014年08月23日
鉄道は線路を走るゆえ、緊急時には停車することしかできません。このため、常に情報の伝達が必要になることから、独特な用語が生まれる土壌にあったと言えます。「電報略号」のように、社内でだけわかれば良い言葉は真似る必要はありませんが、意外に簡潔で好ましい言い回しがあることが分かりましたので、使えそうなものを紹介いたします。
なお、鉄道雑誌等で見られる言葉であり、現場で使われているとは限りませんので、ご注意ください。
習熟運転中
最近私がよく使っている言葉です。この言葉を知るまでは、「練習中」だの「不慣れ」だのと言った言葉を使っておりましたが、どうにも素人っぽかったり相手に不安を与えるような言葉だったりします。この「習熟運転中」ですと、すでにどこかの分野の手練が、新たに分野を広げる印象を与えることが出来、むしろ相手に信頼感を与えるのではないか、と思います。
この言葉を使う前の言葉には、以下のものがあります。
「練習中」
練る、習うのも良いのですが、運動部の部室の臭いが漂ってきそうです。
「若葉マーク」
気心が知れたお客様や社内の人、あるいは個人のおともだちなら、こちらの方がしっくり来そうです。仲良しに「習熟運転中です。」などと言われると、実は距離を置かれているのではないか、と思えますよね~。
「不慣れ」
相手に不安を与えるだけです。
「見習い期間中、研修中」
これは社内用語ですよね。お客様に出す言葉ではないと思います。
早着、延着、延発
早着は「早く着く」、延着は「遅れて着く」、延発は「遅れて出発する」です。しかし、約束の時間ギリギリなのに「延着予定です」「自宅を延発しました」では、ちょっと申し訳なさそうな気分が伝わらないので、場面に気をつけましょう。なお、鉄道の性質上、「早発」はありません。
運転時分、余裕時分
鉄道用語では、「時間」は曖昧だからなのか、「時刻」と「時分」に分けられているようです。時刻はその瞬間、時分は「時刻から時刻までの間」のようです。
運転時分は、その列車が始発駅から出発した時刻から、終着駅までの時刻のことをいいます。余裕時分は、列車の性能を最大限に使ったダイヤ構成に、駅やその他事情による「遅れ」を見込んだ、その時間の分量のことをいいます。余裕時分がないと、列車が遅れた場合に、その遅れを回復することができなくなってしまいます。
普段の行動(ドライブ、遊び予定、仕事)も余裕時分を見込まないと、突発的な出来事に対処できなくなってしまいます。そうそう、大学の時の知り合いと今の会社の人に、交差点ごとの通過予定時刻を調べている人がいました。そんなの無意味ですよね~。第一、遊びが遊びじゃなくなるし。
回復運転
余裕時分を見込んだダイヤに対して遅れが生じた場合、列車は遅れを回復しようと「回復運転」を試みます。とはいえ加速が良くなるわけでもない上、各区間は最高速度の制限がありますので、どうしても「ブレーキの工夫」でしか回復運転はできません。
そんなことから、どのような仕事でも、無理すぎる予定を立ててしまうと、回復ができなくなってしまうだけです。
速達性
急行や準急、快速という速い列車サービスを言う場合、「速達性」と表現します。
ウヤ
「運転休み≠運休」の意味です。転じて、会社で人が休んだ場合、このように言います。
「A君はまた休みか?」
「ウヤです」
特に、「習熟運転」は便利ですよ!どうぞお試しになってください。
Posted at 2014/08/23 15:43:28 | |
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