2009年01月03日
映画を映画館で見るのは、2年ぶりです。本作は流行りつつある「消防もの」で、結構期待していました。結論から言うと、なかなか面白い作品に仕上がっています。しかし、ちょっとこれはないでしょうというところが結構あったので、ちょっと作りが荒いのかなあと思いました。
注意!以下、「ネタバレ」あり!
気象について
・地震でメタンハイドレートが海底に噴出。その熱で海面温度が上昇し、日本付近で巨大台風が発生する。
→メタンハイドレートのくだりは、ちょっと無理があるかな。また、日本付近の海面温度が上がったくらいで、台風はできません。せいぜい、巨大な積乱雲です。渦巻きの主原因、転向力が働く時間が足りないかな??
・その台風で東京に雹が降る
→熱帯性低気圧で、雹は降らないと思います。
・その台風で高潮が起きる
→高潮といいながら、津波を描いていました。
・台風の目を超えてからの吹き返し
→一陣の風のように描いていましたが、普通は暴風雨が始まります。
外国の映画で見たことがあるような、CGによる災害シーンを描きたかったのかな?それだったら、レスキュー退院の、今回の一件以外の活躍を描いた方が良かったと思います。
描写について
・主人公男の過去のレスキュー活動における、彼が退職に至った一件と今回の一件が、話の上でほとんど結びつかない。
→普通は、「かつて彼が失敗した一件と今回の一件は事柄が似ていて、かつて失敗した苦い経験を、今回は苦労しながら成功に導き、精神的に壁を乗り越える。」と描くのですが、全然関係ないなら回想シーンが無駄になります。
・脇役の描写
→脇役が単に脇役で、画面に現れるほど活躍していませんでした。医者の卵男が、今回の一件をまさに乗り越えようとしたとき、つまらないことや運命のいたずらにより命を落とす、とすると良かったでしょう。
・レスキュー隊員が、遺体を見ずにあきらめる??
→主人公男が崩落に飲まれたとき、一緒にいて助けられた隊員が、彼の死体を見ることなく首を横に振っていました。(もうダメ、という意味。)
・耳が聞こえない、主人公の娘が、その情景から泣きながら「パパ」と呼んでいました。
→これは、口が利けない子が言葉を取り戻した、ということで涙を誘おうとしていたのかな??上に書いたシーンも含め、「感動の演出」が、不自然に大盛りになっていると感じました。
良かったシーン
・最後、主人公男が一緒に飲み込まれた男を背負い、無言で地面から出てきました。しかも最後はストップモーションで終わります。このシーンは、大変に力強いものでした。
まとめ
テレビドラマでよく使われる手法が、不完全ながらたくさん使われていました。もっとよく練って欲しかったですね。欲を言えば、この作品は映画よりも、連続テレビドラマで描いた方が良かったな。主人公男の苦い経験から心の葛藤、他の隊員の、別の事件での活躍などね。テレビ化に期待します。
Posted at 2009/01/08 01:08:02 | |
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