2009年04月13日
アルバイトの記憶 スペード社シリーズ
これまではざっと歴史の問題として若者とクルマの関係を説明してきましたが、今回はクルマ志向だったとされる(?)1990年代初めの頃のことお話します。
この頃私は、都区内にある、情報誌の編集をしている「D」という名前の会社でアルバイトをしていました。
1シーズン目はコロナの購入資金のため、2シーズン目はコロナの車検費用を稼ぐためでした。「うーん、当時の若者は車を買ったり維持するために必死でアルバイトをしていたのか!」と思っては早計であり、あくまでも私の事情によるものです。
そこの会社は仕事上、学生アルバイトだけを集めていました。しかし当時、アルバイトですら人手不足だったために就職情報誌で公募、そこに車を買う金欲しさに応募した私が紛れ込んだのです。
特性上、首都圏の4年制大学の3ないしは4年生が多く集まっていました。男女比もほぼ等しかったかな?もちろんアルバイトをするのですから、家庭環境は皆ほぼ中流でした。(当時はまだ「一億総中流」でした。)ただしお客様である大人の人といろいろ世間話を話すこともあることから、理系の人はそれを嫌ったためか、ほとんどいませんでした。
そして、私が働いた時期の、アルバイト員内の車両所有状況は、総勢40人中、私を含めても3-4人程度でした。家の車を事実上自由に使える人もいましたが、それは除いています。私以外の人の車種は「ゴルフⅠ」「クイントインテグラ」「A31セフィーロ(?)」でした。
関心率は不明に近いのですが、待機所に「CARBOY」やら「J's Tipo」を置きっぱなしにしておいても、誰も読まないどころか「もっと皆が読めるものを置いていけ!(!)」と言う人がいるほどでした。車への関心率は、きわめて低いといわざるを得ません。
その他の36・6名は、待機中に何を読み、語っていたかと言うと、以下の通りです。
男
・当時刊行されたばかり(?)の「TOKYO WALKER」(しかも、フリーペーパー並みに薄かった!)
・スポーツ新聞の芸能欄と競馬欄
・パチンコの話
・カップ焼きそばの話(?)
女
・テレビドラマの話
・おいしい料理の店の話
・音楽の話
女性の一人に、家が国産車ディーラーなのか自動車整備工場なのか、ディーラー就職希望なのか、車の話についてくる人はいましたが、後は皆無でした。皆自分の車もないし、このくらいの年代の若者はたいてい親を毛嫌い(?)すると言うこともあり、車でどこかへ出かけるような話をしている様子はありませんでした。
で、私が車に興味がある人だということを知ると、
「高速道路で何km/h出した?」
とか、
「将来はF1ドライバーを目指しているの?}
などと聞いてきました。普通の人ゆえの質問といえますね。
もちろん、どういうわけか否定的な人もいたわけで、
「車に関心があるのもアニメに関心があるのも同類項」
だとか、
「マニアに変わりはない」
と酷いことを言う人もいました。
就職してから買うと良い車についても相談を受けました。
「セフィーロ(A31)ってモデルチェンジしないから、買っても時代遅れにならなくて良いよね」
などと聞かれました。答えられませんでした。
全体的に、「世の中の皆は車に夢中」と報じられる割には、関心がある人はほとんどいないなあ、という印象でした。現代、「コアなクルマ好き」の数が変わらないまま、「なんとなく車を持ってみたい」という人が減ったことが「クルマ離れ」と評されているのに過ぎないのかもしれません。
なお、同時期に別の場所(商店)でもアルバイトをしましたが、そちらはもっと車への関心率が低かったです。
うーん、書いているうちに当時の記憶がよみがえってきました。
以下余談
当時も、女子大生は「遊んでいる」というイメージが少し残っていました。A学の女子が結構庶民的であったことに対し、A学男子に「それは個人的なことなのか」と聞くと「遊んでいるのはA短と、付属出身の一部」と言っていました。女子大、区内総合大学の人もいましたが、この人たちも庶民的でしたね。アッシーメッシーミツグツナグがいるような感じは受けませんでした。
当初私は「その時放送中のテレビドラマ」はほとんど見ませんでした。「太陽にほえろ!」をはじめとした刑事もの以外は認めない、として、「はだかの刑事」なんぞを見ていました。そんな状況でしたから、特に女子と話が通じませんでした。対策として、この頃から放送中のドラマも見るようになりました。
また、通っている学校では皆でカラオケに行くことはありませんでしたが、このアルバイト場は時折カラオケに行くことがありました。当初、その時流行の曲を全然聴かない私は曲がわからなくて恥かしい思いをしました。以後、ZARD、WANDSなどの曲から必死で聴きました。
Posted at 2009/04/14 00:30:14 | |
トラックバック(0) |
時事 | クルマ