2010年08月02日
小学館発行のマンガ雑誌「ビックコミックスピリッツ」に連載中のマンガ、「気まぐれコンセプト」なるものを読んでの感想です。このマンガ、20代~30代を対象にしたもので、大学生や若手サラリーマンの風俗を面白おかしく描いたものです。シロクマ広告社という広告代理店と、カブト自動車なる自動車メーカーを題材とはしていますが、実際にはそこを中心としての時代風刺(?)ものです。広告代理店を舞台としているということから、製造業や公務員、金融関係の方は全く嫌いな性質のマンガでしょう。しかしすでに連載から30年ほど経過したようで、歴史の本などが描かない「生きた近代史」としての重みすら感じさせるものになりつつあります。
さて本題に戻ります。この題名の構文は、この日発売のこのマンガに掲載されたものです。この構文、いわゆるゆとり世代に流行っているようで、私も実際に耳にしたことがあります。このマンガの言いたいところは、「この台詞、若者の間で流行っているようだが、一見忠告に聞こえながら実はただの悪口ではないか?ということで、最終コマは「ぶっちゃけ、この言葉を使う最近の若者って下品で育ちが悪くて(以下悪口が続く)じゃね?良い意味で。」で締めくくられています。
「ぶっちゃけ」は、何年か前のキムタク主演のドラマで、彼が使っていた言葉です。当時も私は、「この言葉を作ることにより、若者の間で「言ってはいけない事を言う事が正義となるのではないだろうか?」と危惧していました。「じゃね?」は、「ではないか?」の口語形であることはもちろん、話し相手に同意を求めて、この悪口を言っている自分を多数派にしようとすることが読み取れます。
これも4年位前から見られるようになった表現かな?そのまえはせいぜい「じゃねえ?」でした。「じゃね?」と「え」が消えるだけでずいぶん印象が違いますね。働いている人がこの言葉を遣っているのを聞くと、その人だけではなく、その会社まで・・・。まさか営業は接客の人は使っていないだろうね?
「良い意味で」は、最後に自分を正当化することで、免罪符にしているだけですね。
若者風俗を描いているだけでなく、最近は風刺の様相を呈してきたこの漫画、ますます目が離せなくなります。しかし、私もこの構文や、「じゃね?」という言葉を聞いていると、なんだか無性に気分が悪くなってきます。音がなす感じもそうですが、学生らしさがたっぷりで「例えアルバイトでも接客したことないでしょう?知らない人と話さずに済まそうという根性が・・(以下省略)」というのも腹立たしくなる要因の一つだと思います。
余談
今(ちょっと遅れてきたか?)の「草食系」という言葉、これが出る1年も前に同じ現象を指して、「淡々系」という言葉を造っていました。言葉は違っても同じ現象を指摘して表現していたこのマンガ、やはり只者ではありません。
Posted at 2010/08/12 00:51:27 | |
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