2011年10月22日
言わずと知れた、昭和40年代前半に放送されたアニメーションの、実写リメイク作品です。当時はアニメーションの線が直線が多く、動きも悪かったりして、それがまた独特の味わいを醸し出していました。「魔法使いサリー」や「黄金バット」と同じ世代です。
原作はいわゆる「無国籍調」の絵柄で、日本というよりはヨーロッパのような雰囲気です。人によって怖さをどこに感じるか違いますが、私は昭和46年版「ゲゲゲの鬼太郎」の方が好きだなあ。
さてこのドラマ、原作の雰囲気はキャラクターにのみあるといえます。舞台は風景から推して、原作と同じ昭和40年代の日本のようです。撮影は静岡県小山町、山の風景に工場や煙を合成し、スモッグに煙る当時の空を再現しています。
テーマは原作と同じ、人間に合成しそこなった妖怪3人が、人間になる方法を探しています。これまでの人生(?)の中で人間に裏切られ、迫害され、人間不信になっていました。そしてドラマとなる舞台では、人間の優しさに触れ、困っている人間を助けます。ところが、その人間に怪物呼ばわりされ、悲しい思いをします。
原作ではここでその回が終了します。そして3人は、再び人間になる方法を探す旅に出ます。そのため、「ロードムービー」的な雰囲気となります。いわば水戸黄門ですね。視聴者はその3人に同情し、報われない3人の姿と、大体毎回ベロが友達になる子との別れに涙するのです。
しかし、予告編を見る限りですが、このドラマの3人は旅には出ないようです。固定した登場人物で、原作のもの悲しさが出せるかどうか、ちょっと心配です。
ストーリー上は、ちょっと疑問に思えることはありましたが、結構楽しめます。その疑問は、
「子供をいじめっ子集団に殺された刑事が、私刑として彼らを殺そうとするも、3人組はその男をぶちのめす。」というところですね。私刑はよくありませんが、家族を殺された被害者の家族にとっては、加害者が刑期を終えて世の中に出てくる、ということに我慢がならないものだそうです。そもそも刑務所も、加害者を苦しめるものではなく、加害者を更生させる場所なのでは?という疑問を感じるのだそうです。
で、妖怪3人組はその「刑事」をぶちのめしてしまいます。刑事は、悪いことは悪いながらも、同情してなかなかそうはできないものだと思うのですが、理解無くぶちのめすのは、彼らが妖怪だからか???
そんなわけで、今後の展開にちょっと心配はあるものの、結構楽しめそうなドラマです。
追伸
ベラは、五輪真由美さんならぬ「杏」さんが演じています。これまで彼女は、「お嬢様育ちのOLや主婦」を演じることばかりだったのですが、言葉も姿もアウトローな感じのベラがよく似合っています。声も、こんなにはっきりした感じの方だとは思っていなかったなあ!
Posted at 2011/10/24 23:41:27 | |
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