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2012年01月07日 イイね!

マツダ ビアンテ 試乗

 この日は、従兄弟の車選びの付き添いで、マツダに行きました。従兄弟は仕事上、人や荷物をたくさん積む機会があるのと、車そのものにはまだ関心がないのとで、箱型ミニバンを希望しています。マツダはもちろん、ビアンテなぞ全く眼中になかったようですが、マツダに傾いている私のお願いで、半ば無理に連れて行きました!?このブログは、その連行に先立って私一人で市場に行った時のものです。

ビアンテについて
 今でこそ箱型ミニバンは定番スタイルとなっていますが、海外では全く傍系の車扱いであることから、国内シェアが高いメーカーしか設定していませんでした。第一世代は日産のみで、W30ラルゴとC23セレナでした。当初はミニバンという言葉すらなく、今でいうところの「SUV」や「クロスオーバー」「ステーションワゴン」と合わせて、「RV」とひとくくりにされていました。

そしてオデッセイのヒットからミニバンが車のジャンルの一つとして頭角を現してきました。そして1996年、「イプサム」「タウンエースノア、ライトエースノア」「ステップワゴン」「SMX」が一気に販売され、チャイルドシートの義務化と合わせて、急速にシェアを拡大してきました。

2000年ごろからヒンジドアで比較的車高が低い「乗用ミニバン」と、主に5ナンバーサイズで背が高く、スライドドアの「箱型ミニバン」に分かれてきました。後者の箱型ミニバンは、商用バンとの兼用から離れ、5ナンバーFWD乗用車をベースとしたものに変わってきました。
2007年ごろをピークに、ミニバン自体が勢いを失ってきましたが、そもそも売れすぎただけで、今や完全に定番モデルになりました。

 そしてこのビアンテは、海外市場が中心のマツダにとっても国内ミニバン市場を無視できなくなったことから登場したのでした。当時流行していた「ツリ目ヘッドライト」がさらに強調され、ドアミラー付近にまで切れ込んでいます。その特異な顔立ちからか、ノア・ヴォクシーセレナステップワゴンからは外れてしまっているのが現状です。

エンジン
 現行アクセラが登場した時の、「LF-VDS」エンジンを搭載しています。筒内噴射、吸気側連続可変バルブタイミング、アイドルストップ機能が付いたエンジンです。150馬力と今となっては並みの性能であると言えます。しかも他車と比べて大きなボデーに搭載されるので、さぞかしかったるい走りではないか、と考えていました。

ところが出力は十分あり、街中での走行は活発ですらありました。プレマシーで感じた「アクセル操作に対してリニアに出力が出る」好感はそのままでした。アクセルペダルが適度に重く、あたかもアクセルワイヤーが存在しているかのような感じです。

エンジン回転が3000回転を超えると、吸気音ではないと思うのですが唸り音のような音が高まり、力強さが増します。街中の運転ではそこまでエンジン回転を上げずとも流れに乗れますが、なかなかエンジンらしい音なので、回転を上げたい気持ちになります。

いわゆる現代的なエンジン音とは違い、古典的なエンジン音です。私のコロナの、18R-GEUにも似ているようにも感じます。おそらくは音、振動に対する設計が「ほどほど」に抑えられているからかもしれませんが、うれしい副産物です。

ミニバンというと、多くの車は音も振動も伝わらないように、なおかつ陰に隠れるように設計している中、この車のエンジンは、なんとも運転士が運転している感じを味わえるようにしつけられていました。

トランスミッション
 こちらも、前期型アクセラ現在のプレマシーに搭載されている、スカイアクティブドライブ以前の5速ATです。当然トルクコンバーターが使われていますが、ロックアップ領域は現行アクセラの6速ATよりも少なくなっています。

ところがどうしてどうして、トルクコンバーターの容量が6速ATよりも大きいため、すべりによるトルク増大効果がより大きく働きます。このため、アクセル踏込時に一瞬変速比が低くなるのと同じ効果があります。

人間が感じるのは車輪の回転力ですので、結局のところ「アクセルレスポンスが良い」と感じるのです。ダイレクト感を重視した6速ATにダイレクト感を感じず、ごく普通に設計したATにダイレクト感を感じるという、これまでの私の感じ方はやはり間違っていなかったと確信しました。

 すべりそのものも少ないようで、アクセルペダルを踏み込んでも回転だけが先に上がる感じはありません。エンジンの出力が並みなのに、車自体が軽快に走るのはこのATの効果も高いと思います。

サスペンション
 アテンザで登場した、フロントストラット、リヤマルチリンクです。他のミニバンがFWD版の後輪をトーションアクスル方式にしている中、この車のみが独立懸架を採用しています。独立懸架といっても左右輪はスタビライザーで結ばれていますので、完全独立ではないのですが、それでも突起乗り越え時に対地キャンバーが変化しにくいという特徴があります。これは意外に体感でき、他車はきれいな路面でも荒れた路面でも微振動が残るのに対し、この車はその微振動がかなり抑えられています。

サスペンション自体は固くソリッドな感じです。サスペンションが縮んでも急に減衰力が高まってストロークが規制されたり、後述する「ボデーが震えるような」動きは全くありません。減衰力は美低速から十分に発生し、ロールスピードも遅くなっています。

この車のサスペンションは、ミニバンとしての搭載性をやや犠牲にしていますが、乗り心地と操縦性を十二分に両立させていると感じられます。おそらく、乗り物酔いもしづらいのではないでしょうか?このあたりに十分「ZOOM-ZOOM」精神が表れていました。

ステアリング
 電動油圧パワーステアリングが採用されています。ステアリング操舵時にのみ電動油圧ポンプが作動し、油圧が発生してステアリングシリンダーにかかる方式です。従来の油圧パワーステアリングのように常時油圧ポンプを働かせ、エンジン出力が奪われてしまうのを防ぐとともに、自然な操舵感が得られます。油圧配管と油を使うことが欠点ではあります。

操舵した時の遊びと操舵に対する車の反応が適当で、ZOOM-ZOOM第一世代のような過剰な反応もなく、かといってマイナーチェンジ後のアクセラのようなダルさもなく、気持ちの良いステアリング操舵感となっています。

ブレーキ
 これもほぼプレマシーのような操作感となっています。スポンジーな感じが少なく、やや重めな踏み心地です。減速しようと思って力を込める必要があるブレーキで、制動力の調整もしやすいです。ただし、脚力が弱い方だと「ブレーキが効かない」と思うかもしれません。でも、慣れればこのような踏みごたえの方が扱いやすくなると思いますよ!

ボデー
 この車のしっかり感は、かなりのものです。中には「ミシ」や「ブルッ」とボデーの緩さを感じる車が多い中、椅子が震えるものの非常にソリッドな印象になっています。運転席に座った場合、斜め後方の左後輪が突起に乗ると車がねじられるような印象があるものですが、それが全くありません。ソリッドなサスペンションとともに、まるで小さな車に乗っているかのような感じすらします。

視界も良く、斜め後方、左前方とも感覚をつかみやすいです。インストルメントパネルは低い位置にあり、若干見下ろすような感じとなっています。メーターはセンターメーター方式をとっていますが、スピード・タコメーターともほぼ運転士の前にあります。

内装素材はマツダの常で若干安っぽく、これは残念でなりません。また、幅を3ナンバーとしているため、隣に座る人との距離が十分離れているため、リラックスして乗ることができます。他の箱型ミニバンが、なんとなく息苦しさを感じる室内になっているのに対し、楽な感じがしました。

まとめ
 この車は、プレマシー同様に「ミニバンに乗って嫌に感じる要素」がないように感じます。ミニバンというと、ダルなステアリング、後輪からの情報がほとんど伝わらない、なんとなく上の方から運転していて、タイヤとステアリングが遠く離れているような感じがする、というものでした。

ZOOM-ZOOMの精神は、このようなスポーツとはかけ離れた車にも十分生かされていました。残念なことにこのビアンテはあまり売れていませんが、「本当はミニバンには乗りたくないのに、家族の都合でミニバンに乗る」方は、ぜひ乗ってみてください。箱型ミニバンに乗って、まさか運転の楽しさを味わえるとは思ってもいませんでした。

ミニバンというと、子供が小さいころから中学生くらいまでが主な活躍時期でしょう。そうすると、手放すときにはほとんど価値はないはずです。マツダ車は、他社の同程度の車種に比べると下取り価格が低くなるというのが定説かつ事実ですが、これだけ運転して楽しいのであれば、その差は十分元が取れると思います。

私も今後は生活環境が変わるかもしれませんが、「こういう車があるのならミニバンに乗ることをそれほど悲観しなくても良いかな?」とすら感じられるのでした。文句なくおすすめの車です。
Posted at 2012/01/14 00:33:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ

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