2012年01月31日
労働関係の問題は時とともに変化しています。昭和40年代の労働災害事故に始まり、これが一段落すると昭和60年代の「男女間格差(採用、昇進、待遇)とセクシャルハラスメント」、バブル期の「青田買い」、バブル後の「不当解雇」、失われた10年の「新卒学生採用」、そして2000年代になってのうつ病や自殺などの「心の病気」、温度や湿度によって起こる「熱中症問題」ときて、今年は「パワハラ(パワーハラスメント:職務上の立場を利用した、嫌がらせ、いじめ」になりました。
これは今年からの課題のようで、年始の新聞から出ていました。そして今日、厚生労働省で「パワハラ」の定義づけが行われたようです。
以下引用です。
職場のパワハラを「同じ職場で働く者に対し、職務上の地位や人間関係などの優位性を背景に、業務の適正な範囲を超えて精神的・身体的な苦痛を与えたり、職場環境を悪化させたりする行為」と定義。上司から部下への行為だけでなく、同僚同士や部下から上司への行為も含まれるとした。労働相談などに、年上の部下や、高いパソコン技能を持つ部下からの嫌がらせに関する内容があったことを踏まえたという。
さらに、〈1〉暴行など「身体的な攻撃」〈2〉暴言など「精神的な攻撃」〈3〉無視など「人間関係からの切り離し」〈4〉実行不可能な仕事の強制など「過大な要求」〈5〉能力とかけ離れた難易度の低い仕事を命じるなど「過小な要求」〈6〉私的なことに過度に立ち入る「個の侵害」――を職場のパワハラの類型として示した。
これを受け、今日の夜のニュースでは既にある再現ビデオの一シーンを流していました。
シーン1
電話オペレーターの女性に対して女性上司。
上司「あなたが電話に出ると、クレームばかり。もう電話に出ないでくれる?」
女性「(黙る)」
数日後
上司「あなたが電話に出なかったおかげで、先週は10件もクレームが減ったわ。そうだ、あなたヘッドセットを付けてパソコンの前で座っているだけで良いから。」
女性「(黙る)」
シーン2
年上の男性部下「この電話はどうやって使うのですか?」
年下の男性上司「こんなこともわからないのか!あなた何をやっていたんだ!あんたみたいなのがいるから日本がダメになるんだ!(と罵倒)」
年上の男性部下「(黙る)」
パワハラの敵は、「昔はこうだった」と懐かしがる50歳代後半~60歳代の人ですね。こういう過去を懐かしがる手合いが一番悪い。あとは、体育会系男子です。体育会系部活動をしていた人は、結局その学校を自画自賛し、会社に持ち込んでいるだけなんですよね~。
このパワハラを増長させているのは、「飲みニケーション」に代表される、仕事時間外の職場の付き合いだと思います。上記50-60歳代はこの行為を支持していますが、それは他人を批判して自分を正当化しているだけです。
どちらも、はた迷惑も良いところです。
そんなわけで、これから3年程度はパワハラ追放の期間になりそうです。あるいは居酒屋の何件かがつぶれることにつながるかもしれませんが、引き換えに得られるものは数知れません。
Posted at 2012/01/31 00:15:55 | |
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