秋期のドラマは、放送開始後第4話程度が経過し、多くの人の中では各作品の継続と挫折が本格的に決まる頃ではないか、と思える時期になっています。
私の場合は、今回も結局予選を実施、見ない作品をいくつか設定しました。その後、1話で第一次選抜を行い、安定期になりました。予選の時と同様、各作品の視聴状況を書き出してみます。
月曜日
SAKURA~事件を聞く女~
第一話の間延びした展開に挫折しそうになりました。しかし、被害者などの人物設定に妙味を感じ、視聴しています。この作品は、基本的に「水戸黄門」フォーマットを採用しています。身分を隠して潜入捜査をする主人公、ただただ悪い犯人、クライマックスのアクション、主人公に感謝をする遺族、で展開されています。このフォーマット時間分でストーリーが薄くなってしまっているのですが、安心して見られる作品です。基本フォーマット部分が邪魔になっている??
信長協奏曲
既に1話で挫折済みです。
火曜日
すべてがFになる
コミュニケーション能力が著しく欠如する天才(自閉症?)と、やや慌て者の助手とがコンビを組んで事件を解決する刑事もの亜種です。ガリレオの頃は面白かったのですが、既に食傷気味です。また、この種の主人公ものは、主人公の人間愛が欠如して描かざるを得ないので、どうしても話が謎解きものになってしまいます。
また、作品自体も一本通った筋を感じなかったために、1話で挫折しております。
さよなら私
NHKのドラマにつき、予選落ちしております。
女はそれを許さない
弁護士ものですが、刑事ものの亜種です。弁護士ものでも民事物ゆえ、どうしても緊張感がありません。私自身、寺島しのぶのことが嫌いなので、深田恭子はきれいで可愛いものの、挫折しました。ストーリーも薄っぺらです。
素敵な選ぶTAXI
「ifもしも」と同じ作風と思いきや、全く展開が混迷しています。お笑いの人が脚本を書いているからでしょう。ドラマとしての完成度が低く、見るのに値しませんでした。挫折済みです。
水曜日
相棒
完成された作品なので、見ていません。
きょうは会社休みます
これは、果たして男性が見ても良い作品なのか!?そんな疑問を感じました。設定自体は、仕事が暇な会社での恋愛模様ものということもあり、バブル時代を思い出させるものです。第一話最後の、会社のエレベーター内キスシーンで挫折しました。
ファーストクラス
脚本家変更の為、作風が大幅に変わってしまっています。視聴していますが、詳しいことは後述します。
木曜日
ぼんくら
NHK作品につき、予選落ちしています。
科捜研の女
完成された作品なので、見ていません。
ドクターX~外科医・大門未知子~
大根役者ぶりを隠す人物設定、幼稚な人物設定、主人公女優を接待するかのようなストーリー展開に辟易し、第一話で挫折済みです。
MOZU
第一シリーズ第一話の自己満足ぶりに口があんぐり空いてしまい、予選落ちしております。真木よう子も香川照之も見たくない、ということもあります。
ディア・シスター
これも「きょうは会社休みます」同様、男性が見ても良い作品なのか疑問を感じました。堅物な姉と自由奔放な妹が繰り広げる恋愛騒動物です。ドタバタ色も強く、見ていて呆れてしまったために第一話で挫折しています。
金曜日
新・刑事吉永誠一
第一シリーズでは、脚本の質が追いつかず、第二話以降は駄作の連続でした。今回は、、、第一話から駄作です。主人公以外にも目が向いたことだけは評価ができますが、ストーリーの着目点がはっきりとされておらず、視聴者はどの視点で見れば良いかが不明瞭です。もっとはっきり言うと、素人レベルの脚本です。脚本の推敲期間を長く取るためなのか、1話で描ける程度の内容を2話に分けて放送しているため、さらに間延び感が出ています。
テレビ東京(東京12チャンネル)は、もともと船舶従事者向けテレビ放送局として開局したため、娯楽作品の歴史が短いのですが、それも40年前の話。当時のドラマ「プレイガール」もひどい駄作でしたが、その歴史が連綿と受け継がれています。当時の人はもういないはずなのに、不思議です。これが「企業の伝統」です。
Nのために
今期一番の作品だと思います。事件に至るまでの描写を丁寧に描く作風で、近年珍しい雰囲気です。まだまだ事件の核となる部分は描かれておらず、若者群像ものの雰囲気が楽しめます。
黒服物語
キャバクラを舞台としたドラマには、「お水の花道」「黒い太陽」があります。キャバクラというのは、出す食物は市販の酒に少々の市販のおつまみ、ちょっとした果物なのに、何万円もかかるのだそうですね。それこそ接客要員の「話を楽しませる技」が生きてくるのでして、あるいはサービス業の究極だと言えます。
作品の基本は、これも水戸黄門フォーマットです。回ごとのゲストキャバクラ嬢がいて、その人と主人公の人間的やり取りを描くことを基本としています。意外に人情もので、王道的仕上がりになっています。
土曜日
地獄先生ぬ~べ~
この作品の漫画やアニメの世代でもないため、予選落ちしております。
日曜日
ごめんね青春
宮藤官九郎の脚本も嫌いですし、磯山晶の仕上げ風も嫌い、満島ひかりの演技も嫌い、コミカルな作風も嫌い、と、見るところがありませんでした。
ファーストクラスの不振について
急遽シリーズ2が制作されたこともあってか、作品に「練り」を感じません。シリーズ1の特徴だった、テロップで出される登場人物の心の言葉(悪態)がほとんど出なくなったのは良しとしても、主人公に降りかかる難題について、「解決」や「敗北」がはっきりとは描かれておらず、話が冗長になってしまったことがよくありません。
またその難題も、伏線を描かずに「突然」変異を起こすものですから、見ている方は、「え~、それならなんでもアリだよね。いっそのこと、ガミラスが遊星爆弾を落とす設定にしてみてはどう?}とすら思える程です。
現在のところ、主人公が企画して話題をさらった服から始まった事件が、のびのびで継続中です。普通の脚本家なら、「周囲の邪魔を受けるものの、桐生市内の工場の人への奉仕で心を開き、協力を受けて無事発売、大成功する。邪魔をしていた人は更迭。」といった、第一の関門を突破させて視聴者をスッキリさせるところです。
しかし、「発売直前に染料に有害物質が使われていることが分かって発売中止、沢尻エリカは受付嬢へと更迭される。」という展開にしています。染料について何か伏線となるような事柄が描かれていればよかったのですが、そんな描写は全くありませんでした。こういう、「突然の展開」があると、視聴者は醒めるものです。ストーリー展開も、「半沢直樹」を意識した「会社もの」になっていますが、」これも中途半端で、混沌とした描写です。脚本家の事象整理能力に疑問を感じます。もっと推敲をして、描かない(落とす)ことをはっきりさせて、ストーリーの主軸をシンプルにしなければなりません。全体的に登場人物も多く、雑然とした作品になってしまっています。
しかしまあ、第一話で感じたとおりのことが起こりました。すなわち、グレートマジンガーの敵「七大将軍」のそれと同じです。主人公をさらに窮地に陥れるべく「多数の敵を用意」したのに、脚本がその敵を生かせないばかりか、むしろ混乱させているだけです。
この作品の不振について、ヤフーヘッドラインに記事が出ていましたね。
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20141108-00000012-pseven-ent
「マイナス要素が多い登場人物の言葉に、プラス思考視聴者が離れた。」って、ならどうしてシリーズ1が人気になったのよ!世の中に出てくる「分析」など、この程度です。
Posted at 2014/11/09 14:16:43 | |
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