2015年01月31日
自動車メーカーは、当然趣味で車を作っているわけではなく、自動車を作って販売して利益を得ています。自動車は、動く機能部品でもありながら、時計やバッグなどと同様、持つ喜びを感じる商品としての位置づけがあります。
自動車メーカーのイメージはいろいろですが、安価な車ばかり作っていても利益が向上しないために、「高級、高性能」イメージを熟成させ、利幅を大きくすることが健全な経営のようです。日本でも、スバルが、最近はマツダも技術先行イメージでシェアを伸ばしています。
中でもスバルは、「年次更改」や「アプライドモデル」といった、型式のあとに来るアルファベット記号までもがマニアに語られるようになり、熱狂的なファンに支えられているメーカーであるといえます。その一方で、「性能のためならコスト度外視」「自分たちが作っているものは優れているんだから、これが売れないのは市場がダメだからだ」と、経営面では難しいところがあるようです。
そんなスバルの技術と市場の評判、会社の事情をよく反映していたのが、4代目レガシィ(BP、BL型)であるといえます。2、3代目レガシィの大ヒットを受け、初めての3ナンバーサイズ、そしてトヨタとの提携、という会社の事情などを受けたモデルでした。
この日は3代目レガシィのことを色々調べ、自動車商品企画の難しさを感じました。
「モデルごとの設定」→翌年「生産性向上のため、共通化しました」
主に、昨日への影響が少ない部品に多く見られました。例えばエンジンの吸気音を減らすレゾネーターです。率直なところ、どんな形状でも機能さえ満たしてくれれば良いのです。しかし、形が同じでも効果は変わらなかったということを、設計中に気づいて欲しかったです。共通化前の製品を設計した人は、どんな気分だったのでしょうか?
「操縦性向上のため採用」→数年後、「乗り心地向上のため廃止」
このモデルは、特に「スペックB」仕様で乗り心地の硬さが指摘されました。そのため、ショックアブソーバーやスタビライザー、ブッシュなどが、よく変更されています。次の5代目レガシィのマイナーチェンジじに自慢であった「リヤサポートフレーム」は、この代の2006年式まで装着されていました!操縦性向上のために採用し、乗り心地改善のために廃止し、次の代で操縦性向上のために復活とは!?
まさか、「廃止したらやっぱりダメだった」というでたらめなことではなく、「上司から何か乗り心地を改善する方法がないか、と言われてやったけど、ほかのことで改善出来たから復活させよう。」だと思うのですが、これではまるで朝令暮改です。
なお、リヤサブフレームブッシュも同時に「すぐり(隙間)」入りの柔らかいものに変えられましたが、翌年、操縦性向上のために復活しています。
「ターボの効率向上のために、ツインスクロールターボチャージャーを採用しました」
→数年後、「コンプレッサー側のよどみを解消するため、形状を見直しました。」
気づかなかったのかな??
改善への努力を惜しまないのかもしれませんし、他のメーカーならそもそも市場の声を受け入れなかったのかもしれません。スバルの車というのはほとんど毎年変わっており、大量生産品なのに「○○年もの」とばかりに、少量生産の雰囲気を持っているように感じました。しかし、こういうことはもっと明らかにして欲しいなあ!
Posted at 2015/02/01 01:18:01 | |
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