
この本は、週刊ビックコミックスピリッツに連載中の漫画、「気まぐれコンセプト」の総集編です。総集編とは言っても、連載が終わるわけではありません。連載は昭和56年より始まり、絵柄は変わったものの今も続いています。
漫画は、広告代理店に勤務する主人公とその周辺事情を描いたもので、広告やテレビ、人々の暮らしが中心となっています。「軽チャー」とでも言える分野で、嫌いな人も結構いる分野です。
とはいえ、政治経済史や事件記録とはことなり、その時々の事情を生き生きと映し出していますので、時代感覚を学ぶ教材としても面白いと思い、購入しました。
ようやく2000年編まで読み終えたところです。携帯電話の普及が一段落、通話やメールは概ね普及し、街にはガングロコギャルが溢れていた時期です。
それにしても、2000年頃と現在を比較すると、インターネットによる情報伝達や購入行動がかなり進んでいることがわかります。郊外にもいろいろなお店ができ、流行の大都市集中傾向も軽減されているように感じます。
学生もより流行にとらわれなくなり、真面目傾向が進んだと思いますが、ただ「自分中心傾向」が進んでいるだけかもしれません。雑誌に出ていたお店に行ったり、冬はスキーに夏は海、秋はテニスと皆が同じことをしていた「流行」のピークは、1990年頃かな、と感じました。
時代はどんどん進みますが、今や企業の代表を勤める人は昭和55年以降に就職した人がほとんどです。以前にも「20年経つと企業は出来事を忘れる」と書きました。勤務期間は40年、新人の頃に起こることは、上司からただ命令されてすることですので学習されません。40歳代が問題解決の中心となりますが、20年経つと退職してしまいます。
となると、もはや第二次オイルショックのことすら、企業の記憶からなくなってしまっているといえます。高度成長期や第一次オイルショックなど、企業経営を揺るがした出来事は、すでに忘れ去られていることになってしまいます。
企業の歴史は記録し、よかった出来事も悪かった出来事もつぶさにまとめることで、次世代へ活かせるのだなあ、とあらためて感じました。
Posted at 2016/03/06 23:23:07 | |
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