犯罪者が犯罪に至るまでには色々な理由があると思います。犯罪が悪いことと知りながら手を染めてしまったり、追い詰められたりして犯罪に手を染めてしまうこともあるでしょう。
太陽にほえろ!では、田舎から出てきた青年が都会で失敗して犯罪に手を染め、刑事はその彼に同情しながらも最後は刑事として逮捕する、という基本フォーマット作品がありました。
この日の「ON~」は、身投自殺者の落下点にたまたま息子がいて巻き添えになって死亡、それを目の当たりにした妻も自殺してしまった男性警官が犯人役でした。
男性警官は自殺志願者を恨み、自殺幇助サイトを運営、農薬を使って自殺を無理強いして「自殺志願者への恨み」を晴らしていたのでした。
サイトにおとりを仕掛けて捜査をしますが、波留演じる主人公は林伊都演じる心療内科医にプロファイリングを依頼、男性警官を特定して次なる犯行場所に、犯行直前に到着しました。そして肌身離さず持っているナイフで戦おうとしますが、、、そこに横山裕演じる先輩刑事が到着、男性警官をぶちのめして逮捕するのでした。
自殺者の落下点に息子が、それを見た妻が自殺、つくづく男性警官の方がお気の毒です。自殺志願者を恨む気持ちもよくわかります。もちろん、だからといって人を殺してしまうことはよくありません。しかし、ただぶちのめして事件解決、というのは、子供向けヒーローものやアニメと比較しても、余りにもひどい幕切れです。
せめて、自殺志願者の一人に中学生などを登場させ、男性警官とのやり取りの中で自殺を思いとどまらせるような描写をしましょう。そしてクライマックス、男性中学生の説得によって犯行を思いとどまり、男性警官は自分の拳銃で自殺をしようとします。横山裕演じる刑事がその男性警官の隙を狙って飛びつき、自殺を思いとどまらせるのです。
このような感じです。
(公開終了です。)
このドラマ、原作者や脚本家に、登場人物を大切にする視点がないのでしょうね。そのためにこんな雑な扱いが出来るのでしょう。そして大切なのは、「罪を憎んで人を憎まず」の精神です。安易なプロファイリングや「特殊能力を持っている代わりに人間味がない主人公」が、ドラマをつまらなくしています。
この作品を書いている「古家和尚」という方の執筆歴を見ましたが、
ダンドリ娘(2006年)
LIAR GAME(2007年)
ガリレオ(2007年)
ハチワンダイバー(2008年)
セレブと貧乏太郎(2008年)
メイちゃんの執事(2009年)
任侠ヘルパー(2009年)
月の恋人〜Moon Lovers〜(2010年)※第1話脚本協力
外交官 黒田康作(2011年)※池上純哉と共同執筆
幸せになろうよ(2011年)※第2話以降のメインライター
37歳で医者になった僕〜研修医純情物語〜(2012年、関西テレビ)
PRICELESS〜あるわけねぇだろ、んなもん!〜 (2012年)※第5話のみ櫻井剛が執筆
幽かな彼女(2013年、関西テレビ)
などを執筆しています。基本的に、私が「のんべんだらり」「人心なし」「クライマックスなし」などと、ひどいと評価した作品が勢揃いです。この人は、大変恐縮ですが無能だと思います。こういう無能な脚本家が、ドラマをつまらなくしたのでしょう。2000年代にデビューした脚本家は、みんなこうです。もう、アスペルガー主人公とプロファイリングは封印してくださいな。
Posted at 2016/08/28 19:25:32 | |
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