
大手広告代理店に勤務し、昨年12月に自殺した、「高橋まつり」さんの件が、労働災害に認定されました。電通は過去にも自殺者を出しており、9月のインターネット広告虚偽請求の件と合わせ、ますますブラック企業ぶりが表に出てきました。
とはいえ、電通の新入社員全員や、該当部署全員が自殺したのでしたら大問題ですが、そうではないわけですから、表に現れない事実はありそうですね。とはいえ、亡くなられた方にはそれなりの事情や、「人としての尊厳」があるわけでして、残念でならないのであります。
私が大阪勤務時代、身近にうつ病を患った者が4人も出てしまい、他の転勤者ともども戦々恐々としてしまいました。人間はある日突然うつ病になるのか、風邪のように予防は困難なのか、そんなこともあって、うつ病について気にするようにしていたのでした。
また、新卒時の就職活動先に、この電通を選んでみました。いわゆる記念受験です。他にも、無名のダンサーがCMで踊っていた消費者金融や、CMで採用されればヒットソング間違いなし、とされた宝石販売業なども受験し、落とされています。そうそう、主力の通信教育事業が陰り、ファストフード業をメチャクチャにしてきた人を社長に迎えて、もっとメチャクチャになった会社も受けましたっけ。人間の人生などわかりません。
高橋まつりさんですが、ご両親が離婚しており、その後「お母さんを楽にしてあげたい」という新年から勉強をがんばって東京大学に合格していたのでした。どうやら在学中は「読モ」的活動をいろいろされていたようでした。週刊朝日動画サイトのアシスタント、雑誌のインタビュー役などの活動をなさっていたようです。報道で使われた写真よりも派手できらびやかな印象で、いわゆる江川紹子氏のような、「牛乳瓶のメガネにダサい服」のような、かつての優等生女子大学生のような雰囲気はありません。とはいえ、髪は金髪でも目の感じが独特で、派手は写真写りを気にしてのものだということがわかります。
おそらく、そんなきらびやかな世界に一瞬でもいてしまったからこそ、地味な会社勤務というのは考えなかったのでしょう。それらの経験をもとに、広告代理店を志望されたのでしょうね。
新聞雑誌媒体を抜き、落ち目のテレビ広告を差し置いて、伸び盛りであるインターネット広告関係部署に配属されたのは、勝者に近いことでしょう。しかし、おそらく仕事のほとんどはパソコンの前で過ごしていた模様です。ニュース報道では、月の残業時間は100時間とされていますが、200時間は行かないまでも、150時間以上200時間未満ではなかったか、と、高橋さんのツイッターから推察されます。100時間の残業で、、、などと言った人もいたようですが、拘束時間がそのくらいになってくると平日は帰って寝るだけ、高橋さんの場合には休日勤務も続いたようですから、学生時代の華やかな生活とは打って変わったことでしょう。
身近には同年代の人はいませんが、学生時代のミーイズムからの脱却がうまくいかなかったのかなあ、と考えています。きれいで頭も良くて、と、チヤホヤされていた時期から、パソコン上のクリック数や検索用語から、おすすめページのもって来る手法などを顧客に提案していたのでしょうね。頭は良くないとできないでしょうが、きれいな人でなくても出来そうな仕事です。この人のツイッターからは、今時のネット表現がある一方で小難しい言葉があったりなど、「私、頭良いのよ。」が感じられてしまいます。いわゆる優等生学生に共通して感じられる、商業には向かない「学生的側面」です。あと、当人や周囲にも、少々アスペルガー的側面が感じられました。
また、上司から20時間の残業は無駄、と言われていたそうです。何人かに一人、何でもかんでも細かいことを調べてからでないと行動できない人がいました。例えば東京から箱根にレンタカーで行く際、東京や箱根の歴史を調べ、各道筋の時間と借りる候補の車の燃費も調べてからでないと行動できないので、前日がほぼ一日潰れるタイプの人です。
このことを反省材料にし、学校は「会社や産業は、あなたの頭の良さを認めてお金を払うのではない。」、会社は「考えることが仕事とは限らない。」と、まず教えることが、「就職直後自殺予防」につながるのではないでしょうか。それに、ツイッターやフェイスブックなどの「マイナスの効果」、孤独への落とし穴である一人暮らしの問題も、調べる必要があります。
タイトル画像は、太陽にほえろ!の、「たすけて!」における、都会の生活に慣れずに孤独から自殺を図った女性を、ラガー刑事が腕一本で救うシーンです。翌日の小学校では、このシーンのことで話題持ちきりでした。困っている人がいたら救いたいものです。
なお、10月30日に「化粧っ気なし、髪ボサボサ、充血」で高橋さんは出勤しているのですから、業務不可や人間性はさておき、周囲は自殺の危機を感じなければダメです。
追伸1
私はツイッターはしておりませんが、こことフェイスブックはしております。なお、フェイスブックは運転時間を大幅に抑制しております。「ツイッターに潜む、独り言を続けることにより増進する精神疾患」がありそうです。ツイッターには要注意です。
追伸2
電通には、アルバイト先の会社のお使いとして入ったことがあります。夢遊病のように事務所内を歩くお年寄りや、白豚のような幅広の若手社員がいる一方、ワンレンの髪に赤いスカートのスーツの女性社員がいるなど、いわゆる広告代理店色は感じられませんでした。
追伸3
私は、1次試験の筆記試験を突破、面接試験で落とされました。筆記試験の作文のお題は、「現在検討されている「サマータイム制度」が実施された場合、あなたの生活はどう変わりますか?(この問題はクリエイティブテストです。)」でした。となりの学生は、「私は早起きが得ですので~」などと、実直すぎてつまらない書き出しをしていました。文面通りにしか受け取れない人がいる、ということを知った時でした。
Posted at 2016/10/08 23:06:55 | |
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