2016年11月01日
昨日ガンダムのことを振り返ったら、当時の私とアニメーションの関係や主題歌、そして歌謡曲のことなどが頭を巡りました。
私とアニメーションの関係は以前語りました。昭和52年の「ガ・キーン」や昭和53年の「スタージンガー」で「子供だと思ってバカにするな。」と感じました。昭和56年の「Drスランプアラレちゃん」や「うる星やつら」で、「いつかアニメーションは見なくなるだろうな。」と悟り、「マクロス」で「マニアな人は嫌だね」と感じ、「まんが日本史」で現実世界の方が面白いと感じ、「Zガンダム」第一話で挫折が決定したのでした。
その一方で、主題歌には結構紆余曲折を感じました。アニメーションがマニアのものではなかった昭和50年前半は、数名の作曲家と数名の歌手で成立していました。作曲家は「渡辺宙明」「菊池俊輔」「渡辺岳夫」「小林亜星」「山本正之」各氏で、歌手は「水木一郎」「ささきいさお」「堀江美都子」「子門真人」「山本正之」氏が殆どを占めました。前川陽子氏やはもう少し前、串田アキラ氏はもう少し後の印象です。
今でこそ各氏は「重鎮」と崇められているようなもてはやされ方でしたが、昭和50年代後半は、「昔の人」「子供っぽい歌をうたう人」と、過去の人と葬りたいかのような動きすら感じたほどです。
昭和54年に放送が始まったドラえもんをきっかけとして、それまで男の子向けアニメーションが巨大ロボットや戦艦、車が、女の子向けアニメーションが魔法使いが主体であったものが、「特異なキャラクターがやってきて、人間と友達になる」という、男女とも見られる作品に変わっていきました。
無名のアニメーションではありましたが、「サイボット ロボッチ」は、作曲が織田哲郎、歌がのちのビーイングの人の「砂東由加利」さんという方が携わっておりました。「ローボロボロボオッチ イエイエイ」などと、ビーイング全盛期の歌謡曲にも近い印象であり、当時は「なんだかこの曲、変だよ」とすら思った程です。
その後も、「GUGUガンモ」のブギ調などの実験的な曲が続き、昭和60年、ついに歌謡曲の歌手である「岩崎良美」さんが「タッチ」の主題歌をうたいました。子供にはどこが面白いのかわからない内容のアニメーションであった「タッチ」で、しかも現実の歌謡曲歌手が主題歌をうたい、「アニメーションは遠くなったものだ」と感じさせるのでした。
また同年、「ダーティーペア」の主題歌も「中原めいこ」さんが歌います。この方も現実の歌手で、昭和50年代後半にはヒット曲を生み出していました。
そんなことで昭和60年代初めにはかつてのアニメ歌手が駆逐されてしまいました。昭和62年になると「平成天才バカボン」では「嘉門達夫」氏が、「おそ松くん」では「細川たかし」氏が歌うなど、もはやアニメーション主題歌と歌謡曲の垣根がなくなってしまいました。
その一方で、昭和63年位からは、さらに歌謡曲化が進みました。中でも「YAWARA」では、「永井真理子」氏が歌いました。一方、既存の歌手も「ひみつのアッコちゃん」のエンディングテーマで堀江美都子氏が歌謡曲風の歌をうたいましたが、主流にはなりませんでした。
1990年位からは、アニメーションのマニア化あるいは低予算化が進んだためか、ロックバンドブームの終焉のあおりを受けたバンドが主題歌を歌うケースも出てきました。こうなるともうアニメーションのテーマとは全く関係なく、歌は歌で存在することになってしまいました。
そうそう、1993年の「ふしぎの国のナディア」にも触れなければなりません。このアニメーションの主題歌を歌った「森川美穂」さん、私はこの曲で登場した方だとばかり思っておりました。昭和60年代初めに、アイドル活動をされていたのですね。全く知りませんでした。この昭和61年頃の音楽事情は、改めて後日書きます。
1995年頃には、それまでアニメーション分野手がけてこなかった電通が、「スラムダンク」などに手をかけるようになってきました。主題歌は当事前性を少し過ぎた頃のビーイング系で、「ZARD」「大黒摩季」「T-BOLAN」「MANISH」などの曲を次々に採用し、もうアニメーションとはなんの関係もない歌をうたうのでした。
2000年代は、歌謡曲歌手がアニメーション専門歌手を名乗るなどの事情になっており、初期は「玉置成実」氏、最近では「水樹奈々」「蒼井エイル」氏などの人が活動されているようです。
「渡辺宙明」氏が作曲した「水木一郎」がうたう曲、「菊池俊輔」氏が作曲した「ささきいさお」氏が歌う曲など、私はテーマ性がしっかりしていて、主人公の活躍と曲の内容が一致していて、今聴いても背中がゾクゾクするほど格好よく感じるのですが、もうこの感覚は古いのでしょうかね。
Posted at 2016/11/01 23:57:19 | |
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