2017年01月08日
世間一般では、「逃げるは恥だが役に立つ」が流行ったそうですが、私にとってこの期は不作揃いと感じてしまいました。本来、秋期は気温が低下するために帰宅率が高く、高年齢者にも見られる作品が揃うのですが、そうでもありませんでした。
月曜日
カインとアベル
6話程度で挫折しました。シリアスな作品を思わせる作風ながら、脚本は全く浅はかでした。大手デベロッパーを営む一家が舞台でしたが、なんとなく財閥企業やオーナー企業が幅を利かせる韓国や昭和30年代の日本を思わせ、見ていて息苦しさを感じてしまいました。
せっかく倉科カナを出演させているのに、全く無駄遣いそのもの。面白さをみじんも感じさせませんでした。
火曜日
メディカルチーム レディ・ダ・ヴィンチの診断
吉田羊初主演の医療ものドラマです。外科や救急ではないために、物語の舞台は「カンファレンス」に重きが置かれました。真の原因を見つけるべく、病院外の調査を主体とするなど、まるで本来は刑事ものにしたかったかのような印象です。
吉田羊が途中で休み、休暇を取って旅行、他の医師が解決するという、一種の「ボトルショー」が行われました。意外に普通に展開されており、吉田羊さんの存在感が危うくなりました。
もう少し脚本に工夫があれば面白くなったのでしょうが、「どこかで見たような登場人物」「どこかで見たような設定」という点で、多くの人が「既視感」を感じたために視聴率が伸びなかったのでしょうね。ちなみに、私は全話を見ました。
逃げるは恥だが役に立つ
私は、数名の登場人物間でいろいろなやりとりが繰り返される作品には、「閉じた人間関係」を感じてしまい、息苦しさを覚えます。また、主人公たちの、一種のアスペルガー的側面がとても嫌で、3回程度で見ることをやめました。
水曜日
地味にスゴイ!校閲ガール
逃げ恥がアスペルガーなら、こちらは多動性でした。全く落ち着きがない上に言葉遣いが中学生っぽい主人公には、閉口してしまいました。
が、なんとなく「重版出来」のイメージを引きずっているためか、そこそこ楽しめました。
しかし、この種の「変人」を主人公に据えるのは、もうやめませんか?
木曜日
Chef~三ツ星の給食~
まあまあ面白かったのですが、主人公を完全無欠の「神」にしてしまったことで、脚本の伸びが見られませんでした。逆境が食中毒事件であることを揶揄する記事が見受けられましたが、その程度は逆境ではありません。
天海祐希の大げさな芝居が鼻につき、見続けるうちに飽きてきたことも事実です。この「大げさな演出」が、舞台とドラマの大きな違いです。
日曜日
キャリア
安直な脚本、単純な勧善懲悪、一本調子の主人公と、老人向けドラマであるという感想は、最後まで変わりありませんでした。
このような感想となり、結局のところ楽しんで見た作品は全くありませんでした。先にも書いたように、「逃げ恥」が大ヒットしたこともあり、今後(特に春期以降)に、コミカルな作風の作品ばかりになってしまいそうな予感がします。
もう少し、脚本に力を入れても良いと思います。
Posted at 2017/01/08 21:19:38 | |
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