2017年04月14日
今週からテレビドラマが始まりました。早速第一話を見ております。ここ数年は全作品が出揃ってから感想と採用可否について書いておりましたが、始まる時期にかなり違いが見られるようになったため、今回は見終わる度に書いてみます。
「犯罪症候群 SEASON1」(フジテレビ土曜日23時40分)
ハードな作風の事件もののようです。少女誘拐(無事解決)事件にまつわる、警察かそれに近いところでの黒い疑惑を追う作品のように感じましたが、話の展開に盛り上がりがなく、面白く感じられませんでした。まるで1960年代のドラマを見ているようで、「あ、この瞬間が東海テレビだね」と思えてしまいます。
「CRISIS 公安機動捜査隊特別班」(フジテレビ火曜日21時)
ハードアクション刑事もの(公安もの)です。よくある二人組刑事ものであり、CGや映像の加工で素早い動きに見えるようにしています。
第一話から「新幹線を使ったアクション」が売りで、新聞やインターネット記事も「まるでハリウッド映画のよう」と大絶賛です。例えばビルの非常階段で犯人を追跡する際、螺旋の外側の手すりを掴んでは、一階分ずつ落ちたり、途中階から10m程度飛び降りたりなどの、ワイヤーアクションないしはCGの連発です。アクション時の音も「パン、パン」というパンチ音に「バタバタ」と服の袖が風を切る音だけで、迫力がありません。
一方でストーリーらしいストーリーはほとんどなく、主人公側と犯人側の応酬のみで展開しています。犯人側に「テロ組織」を持ってくると、動機や心情を描かなくて良いので、脚本が楽なのでしょう。まあ、味わいの薄さや空虚なストーリー、映像「だけ」に凝っているなど、確かにハリウッドといえばハリウッド調かもしれません。8年位前の岡田准一主演「SP」を面白いと思った人はどうぞ。
「人は見た目が100パーセント」(フジテレビ木曜日22時)
製紙メーカーに勤務する3人の女性(水川あさみ、桐谷美玲、ブルゾンちえみ)が、部署が買収されたことにより化粧品メーカーに勤務することになり、ファッションに奮闘するドラマです。
しかしながら、ドラマというよりはコントに近い面白さを持った作品です。ストーリーは味わえません。
この作品を見ていると、まるで日本テレビ火曜日10時枠(重版出来などの働く女性枠)などを思い出すのです。日本テレビのドラマが「うちもフジテレビのような明るく楽しいドラマを作りなさい。」「わかりましたできました」と作られていたのに対し、本家が分家の作風を輸入か、と思ってしまうのでした。
鈴木浩介演じる化粧品メーカー部門長のファッションに対する造詣を見ると、「生産技術から生産されたものをうまく使う世の中になったのだなあ。」と、工学部出身の私は、時代の変化を感じるのでした。
時に昭和59年、「俺たちポテトボーイ」というドラマがあったそうです。田舎の青年3人が、都会についていこうと奮闘するドラマだったそうです。既に集団就職の時代も都市圏集中の時代も終わっていた時期ですが、男性はまだまだ「見た目よりハート」などと平気で言っていた時代でした。
この作品は、概ね同じコンセプトで女性が演じるのですから、男性どころか女性ですら、「田舎くさい」と「都会的でおしゃれ」の差が出てきた現れなのでしょうかね?
ちなみにこの作品には、「足立梨花」が出演しています。小動物のような親しみがわく雰囲気で、最近お気に入りの女優です。
Posted at 2017/04/14 22:18:29 | |
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