
この日を以て、「振り返れば奴がいる」を見終わりました。シリーズ終了後に放送された「振り返れば奴がいる 最後の戦い」も放送されました。本編最終回は、織田裕二演じる医師が路上で刺殺されるシーンで膜が切れております。「最後の戦い」は後日談ではなく、本編放送中における不正以外の二人を描くシーンでした。最終回直前、織田裕二演じる医師は石黒賢演じる医師の手術をしましたが、その経緯を描く作品的位置づけです。
今回の集中放送では、おおよそ3-4話を同じ日に放送するので、次から次へと話が進みます。話は進み、「次回はどうなるのか」という期待感が生じて、その期待がすぐに満たされるという便利さはありました。しかし、何話を見ても何話を見ても、登場人物の人物像が伝わってきません。もちろん、現在における性格付けはよくわかります。
石川医師(石黒賢):正義感が強く、人間味あふれるが、一途に過ぎて柔軟さがない。
司馬医師(織田裕二):医術のためなら不正や殺人につながることも許さない。高校生の頃、父親を「闘病生活の上すい臓がんで亡くしている」、と語られる。
中山部長(鹿賀丈史):かつて手術に失敗したからか、外科手術ができなくなっているらしい外科部長
大月医師(千堂あきほ):司馬医師とかつて交際していたようだ。登場人物たちの友人として描かれる。
平賀医師(西村雅彦):気が弱い医師として描かれるが、最後は司馬医師を刺殺する。
峰研修生(松下由樹):自信がない研修生。緊急事態は一人で対処できず、石川医師を頼る。その信頼が、やがて淡い愛情に変わる。
このような感じなのですが、特に司馬医師は冷徹ではあるが、不正を働くなど、悪徳医師に描かれています。また、石川医師も正義感は強いのですが、猪突猛進というかそればかりというか、もう少し人間的な面も描いて欲しかったです。
この頃のドラマが人気を得て、高い視聴率を誇ったのは「次回はどうなるか」という期待感が高められたからではないか、と思うのです。同時期のドラマはもちろん、次の時代の野島伸司作品群を含めて、この手法ばかりです。これがもう少し前の脚本家たちならば、もう少し人間性を描いていたように思います。これは予想ですが、三谷幸喜氏が舞台を中心として活動されている方で、過去や回想シーンを描くことに慣れていらっしゃらなかったからではないでしょうか。私は、「長坂秀佳」氏が描いていたら良いな、と思うことしきりです。そんなことから、ドラマ全盛期の作品であっても、特に優れているということはないのだな、と思わされました。
それにしても、この作品の松下由樹は良い感じです。これ以前の作品では、ショートヘアで長身と、過剰にボーイッシュに描かれたり、前衛的なファッションや髪型にされすぎるなどしておりましたが、この作品ではセミロングヘアになっています。ファッションも特別なものではなく、黒いミニスカートに白衣などと、長身を生かした普通の服になっていました。また、石川医師に淡い恋心を抱くくだりが人間味溢れ、魅力的なものにしていました。
なお、現在放送中の「アンナチュラル」の石原さとみと、ちょっと雰囲気が近いです。
Posted at 2018/02/04 23:25:45 | |
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