2018年07月22日
2018年夏期のドラマが、一部の深夜放送作品を除いて出揃いました。これまでの夏期作品には、「多くの人が遊んで帰るために視聴率が低下するから、予算を低めに抑えよう。」という意図が現れたものでした。しかし、多くの職場で早帰りが定着したためなのか、徐々にこの傾向が緩んできたように感じます。
毎度のことですが、作品一覧と事前選択・視聴選択について、以下に示します。
〜月曜日〜
21時-フジ「絶対零度~未然犯罪潜入捜査~」沢村一樹
これまで上戸彩が主演で描かれてきた、特殊犯罪捜査部署の刑事もの作品です。上戸彩は、CMの女王ではありますが、女優としての成績は決して芳しいものではありません。「金八先生」第6シリーズ以降、実は目立った作品はありません。不機嫌そうな顔で眉間にしわを寄せるくらいしか演技が出来ないためでしょう。
今期は、事実上上戸彩を脇に寄せ、沢村一樹を主演に迎えて、架空の「AIを利用して、未然に犯罪を防ぐ部署」を描いています。
第一話は、あまり中身のないストーリーと、本田翼のダンス的キックシーン、横山裕の不機嫌そうな顔だけの演技に挫折しそうになりました。別のブログで説明しますが、第二話の、1970年代刑事モノを思わせる脚本に、見ることを継続しました。期待できる作品です。
22時-テレ東「ラストチャンス 再生請負人」仲村トオル(7月16日)
春期に新設されたドラマ枠です。日本経済新聞社が大株主であるテレビ東京らしく、企業や経済を題材としたシリーズです。前回は1話完結のヘッドハンティングを題材としていましたが、今回は企業の再生を連続ものとして描いています。経済的なこととドラマのバランスが改善された雰囲気で、見続けたいと感じました。
〜火曜日〜
21時-フジ「健康で文化的な最低限度の生活」吉岡里帆
吉岡里穂主演の、公務員ものです。女性を主人公に置いて色々疾走させる作風は日本テレビ水曜日のはずでしたが、そっくりそのままコピーされた印象です。
冬期の吉岡里穂氏主演のドラマ「きみが心に棲みついた」とキャラクターがほとんど同じで、やや不思議な子として描かれています。その主人公が生活保護に関わる部署に配属され、生活保護者とのやり取りを描いています。
冬期のドラマでは吉岡里穂氏の演技にいらいらさせられました。この作品でも当初はイライラさせられましたが、見続けるうちに「純粋に市民のために働こうとして駆け巡る主人公」と映るようになり、暖かい気持ちにさせられました。
佳作になりそうな予感がしますので、見続けたいと思います。
22時-TBS「義母と娘のブルース」綾瀬はるか
実は第一話は見忘れまして、第二話を見ました。ハートフルな物語とされていましたが、そんな雰囲気は感じられなかったなあ。
義母の綾瀬はるかは、継子の女児に、「今日することの提案書」を示したり、冷たい口調で話したりと、「家政婦のミタ」を思わせる雰囲気でした。いわゆるアスペルガー的な主人公であり、見る気分が削がれました。アスペルガー的主人公を見てイライラさせられる必要はありませんので、挫折しました。
〜水曜日〜
21時-テレ朝「刑事7人 第4シリーズ」東山紀之
この作品は、「潔癖症の役者が演じている作品」と評価したことがあります。テレビ朝日の作品全体に見られる、安定した作風に頼り切った雰囲気が好きになれず、見てもいません。
22時-日テレ「高嶺の花」石原さとみ
第一話を見ました。十数分経過した辺り、笛木優子演じる喫茶店(?)に主人公たちが集まり、緩い会話をするシーンで挫折しました。映画嗜好の監督が、この種の「緩い会話」シーンを好むようですが、見ていて退屈きわまりません。
主人公の家庭である、お花の家元の設定と相まって映画的な非現実感がどうしても好きになれず、挫折することにしました。
〜木曜日〜
20時-テレ朝「遺留捜査 第5シーズン」上川隆也(7月12日)
刑事7人同様、潔癖症が表に現れた作品です。見ていません。
21時-テレ朝「ハゲタカ」綾野剛(7月19日)
テレビ朝日作品は深夜枠を除いて見ないという不文律が出来上がってしまいましたので、見ていません。
22時-フジ「グッド・ドクター」山崎賢人
アスペルガーどころか、自閉症の主人公医師が活躍する話です。何度か自閉症の人と同じ場にいたことがありますが、それらの人はたいてい周囲の人を思いやれません。
結果としてこのドラマも、主人公と患者の対話にクライマックスを持ってこられず、第一話は患者と家族の部分をクライマックスにせざるを得なかった印象です。
誰しも自閉症になろうと思って生まれては来ないものですから、本当はそういう人たちとの共存をしなければならないながら、ドラマとして見る必要はないように感じました。以上の理由で、挫折しました。
24時-日テレ「探偵が早すぎる」滝藤賢一、広瀬アリス
私立探偵物は、荒唐無稽な描写や刑事ものと比較して自由な描写ができるため、マンガ的に面白い作品があることが特徴です。しかしこの作品、ストーリー展開が上手くありません。ゴチャゴチャした印象が拭えず、面白さを感じることができませんでした。挫折候補の作品です。
〜金曜日〜
20時-テレ東「警視庁ゼロ係 第3シリーズ」小泉孝太郎
今期が第三回とのことですが、初めて見ました。やや軽めのマンガ的作品枠ですが、本作もその例に漏れません。当初は「街の困った事件を解決するご近所もの」作品かと思っていました。実際には、「警視庁の掃き溜め部署が殺人事件等を解決する」作品でした。
セリフに無駄に面白さを求めるチープな雰囲気はありますが、深夜ドラマ的な雰囲気があり、まあまあ面白いと思います。テレビ朝日の金曜日深夜枠の方が雰囲気に合いそうです。
以上のような理由で、「まあ、見る作品」としました。
22時-TBS「チアダン」土屋太鳳
同名の映画が昨年春に公開されましたが、同作品の世界と連続する作品です。昔からある学園・部活もので、それこそ「青春とはなんだ」まで遡ります。
現実的には、1999年に吹奏楽部を描いた「L×I×V×E」、時期は忘れましたが「スイングガール」、ボート部の「がんばっていきまっしょい」、本作の元祖に当たる「ダンドリ」、TBSで最近の「表参道高校合唱部」に「仰げば尊し」があります。
それらの例に漏れず、部活はマイナスの状態から出発し、主人公たちが活躍していろいろな難関を乗り越えて活躍するであろう、ドラマです。内容はよくあるものですが、夏らしく爽やか、映画版と比較して自然なストーリー展開が感じられましたので、見ることにしました。
なお、表参道高校合唱部と展開はほとんど同じです。
23時-テレ朝「dele(ディーリー)」菅田将暉、山田孝之
まだ放送が始まっていません。菅田将暉が主演というところが気になりますが、第一話は見るでしょう。
〜土曜日〜
22時-日テレ「サバイバル・ウェディング」波瑠
似たような作品は多数ありましたね。古くは「リアルクローズ」、真木よう子が主婦モデルになる「セシルのもくろみ」、地味な研究職の主人公がいろいろファッションの批判をされる「人は見た目が100%」などです。
展開はその作品と全く同じです。まあ、時間が空いていれば見続けるかもしれません。
おまけですが、吉沢亮とかいう男性側主人公が「阿部寛」そのもので、びっくりしました。
23時-テレ朝「ヒモメン」窪田正孝、川口春奈
まだ放送が始まっておりません。まあ、見てみるかもしれません。
23時-フジテレビ「限界団地」佐野史郎(6月2日)
素手の放送中であり、見続けています。
〜日曜日〜
21時-TBS「この世界の片隅に」松本穂香
岡田惠和脚本、戦時中の広島が舞台ゆえ、ほとんどNHK朝ドラマの世界観です。人物像がしっかり描かれていますし、引き込まれる世界観でした。嫁と小姑の争いなどというこれまた古いドラマの世界感満載ですが、出演の尾野真千子の演技に我慢できれば見続けると思います。
22時-日テレ「ゼロ 一獲千金ゲーム」加藤シゲアキ
この種のギャンブルドラマは、10年前に「ライアーゲーム」で放送済みです。当時は面白く感じたのですが、ワンセット内で限られた展開になりますので、見ていると徐々に飽きたのでした。
本作もその例に漏れず、1話のワンセットぶりに、息が詰まるのでした。出演者のほとんどが男ばかりで、むさ苦しいというところもあります。
作者が同じ「カイジ」シリーズも漫画では面白かったのですが、実写モノになると今一つになりました。実写と絵で媒体が異なるだけのことですが、非常に不思議です。挫折候補としています。
まとめ
夏期にしては面白い作品が揃っています。凋落していたフジテレビが、危機感からか復活の兆候が見られることが特筆できます。一方で、フジテレビの作風を追いかけていた日本テレビの作品が、あまり面白くありません。
しかしまだまだ第二話程度の時期ですから、放送開始前の努力が現れているだけかもしれません。これから先、「貯金」が途絶えてつまらなくなるかもしれませんから、厳しく見続けていこうと思います。
Posted at 2018/07/22 14:06:40 | |
トラックバック(0) |
テレビドラマ感想批評 | 音楽/映画/テレビ