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　「グルメ」や「食べ歩き」という言葉が出てきたのは、TBS系「料理天国」やテレビ東京系「地球まるかじり」が放送され始めた、昭和58年頃だったと思います。ちょうどその頃、郊外にもファミリーレストランやコンビニエンスストアの出店が進み、食の開発と変化が起こってきました。それまでの時代の味は保守的で、地理や現代史では「洋食化」「コメ離れ」と言われながらも、実際には味の変化は緩やかなものでした。

そんな「現代の味」を象徴するのは、コンビニエンスストアの「ツナマヨネーズ和えおにぎり」です。白米とマヨネーズと肉が近接するなど、当時は「気持ち悪い」と評価されたものです。同じ理由で、「サラダうどん」も、ゲテモノ扱いでした。

　しかし今日、その味の変化をより一層進化させたと感じるおにぎりに出会いました。「コーンマヨネーズ寿司おにぎり」です。酢飯のおにぎりに、マヨネーズで和えたコーンが載っています。昭和50年代なら、周囲の人はこれを食べる私のそばから逃げて行ったことでしょう。その「コーンマヨネーズ寿司おにぎり」、酢飯をマヨネーズが優しく包み込み、コーンのゆたかな香りが口いっぱいに広がり、ごく自然に食べてしまいました。

味の歴史は進化の歴史、かつて「来週食べよう」と思いながら結局「製造廃止」になってしまった「たこ焼きまん」の後悔を胸に、これからも新しい味を積極的に食べていきたいと、決意を新たにするのでした。