2019年08月07日
2019年夏期のドラマが出そろいました。毎度のことですが、「夏は夏枯れ」であり、各テレビ局とも力を入れない傾向にあるようです。そのため、約7年前に見るドラマがなくなってしまったことがあるほどです。
早速、各作品について評論してまいります。
月曜日
9時『監察医 朝顔』フジテレビ
監察医務院に勤務する主人公の物語です。「医」の文字はつきますが、治療行為はありませんので、刑事ものとして分類した方がよさそうです。2年前の「アンナチュラル」の他にも、石原さとみが出たての頃、瑛太とW主演だった医学生ものドラマ「ヴォイス」があります。しかしこのドラマは、「ヴォイス」のようなSF要素を排し、シリアス寄りにした描写となっています。
定番的要素を積み重ね、平凡なつくりになっています。月9枠であるためか、刑事事件や医療にかかわる描写よりも、人物像を中心に描いています。面白いというほどでもありませんが、つまらなくもないという仕上がりです。
しかし、ドラマチックに盛り上がるところや見どころがなく、1時間の間にちょっと退屈を覚えます。なんとも、没個性なドラマだと思います。感想を聞かれても、特に言うことがないほどです。何より最も良くないところが、「登場人物が亡くなった方に自分の生活を重ねたり、同情したりするところがない」ことです。淡々と仕事をこなし、生活はそれとは別にある、というものです。
実際の普通の人の生活はそうなのかもしれませんが、それではドラマになりません。ここが大きな欠点です。
一部には「月9の老齢化」や「月9のテレビ朝日化」という評価がありますが、まあそんなところにあります。視聴率の上でもそれほど悪くはならないと思います。
まあ、見ることにします。
10時『リーガル・ハート』テレビ東京
弁護士ものドラマでした。見始めて間もない時刻の頃は、「弁護士ものの割には人間性が描かれて良い作品だな」と感じましたが、結局「セリフだけで進む物語展開」になってしまい、挫折しました。極端なことを言うと、ラジオドラマでもよいのではないでしょうか。
テレビドラマとしては失格と考え、挫折しました。
火曜日
9時『TWO WEEKS』カンテレ・フジ
これは韓国ドラマ原作の作品だったでしょうか。描写が暴力的だったからなのか物語が頭に入ってこなかったからなのか、10分間程度で挫折してしまいました。
10時『Heaven? ご苦楽レストラン』TBS
ビックコミックスピリッツで15年以上前に連載されていた、レストランを舞台とした作品です。佐々木倫子さんという方のマンガで、「ナースのお仕事」の事実上の原作である「おたんこナース」を描いた方でもあります。
このマンガとドラマでは、登場人物の心の声があたかも「生霊」のごとくCGで沸き上がり、言いたいけれども言えないことを可視化しています。主人公のレストランオーナー(石原さとみ)のエキセントリックな性格も面白さの一つで、石原さとみ自身に備わっていると推察されるエキセントリックさとマッチ、生き生き演じています。
とはいえ、原作は15年以上も前の作品です。レストランが舞台というところも、「言えないことを画面上で言ってしまう」という面白さも、使い古されてしまったためか、全体的に少し古い作品のように感じます。小手先の手法で笑わせようとするところに、当時らしさを感じるのでしょうね。
まあ、見続けることにします。
深夜1時28分『スカム』TBS
深夜枠故、見ません。
水曜日
9時『刑事7人』テレビ朝日
完成された作品故、見ません。この作品は、前にも評価したように「潔癖」な部分が見えます。その部分狭量さを感じるのだと思います。
10時『偽装不倫』日本テレビ
これも韓国作品が原作だったように思います。エキセントリックな杏の演技に辟易し、飛行機内のシーンで挫折しました。マンガっぽい演技は、もう古くはないでしょうか。
0時59分『HiGH&LOW THE WORST EPISODE.O』日本テレビ
深夜枠故、見ません。
1時『サクセス荘』テレビ東京
深夜枠故、見ません。
1時35分『びしょ濡れ探偵 水野羽衣』テレビ東京
面白そうな題名だと思うのですが、深夜枠は見ないことにしていましたので、見ていませんでした。これから見るかもしれません。
木曜日
8時『科捜研の女』テレビ朝日
完成された作品故、見ていません。
9時『サイン 法医学者 柚木貴志の事件』テレビ朝日
テレビ朝日作品故、見ていません。それにしても、法医学物が2時間も連続ですか。飽きられやしませんかね。
10時『ルパンの娘』フジテレビ
深田恭子主演のドラマです。彼女の「美魔女」的魅力はお見事です。しかし、それだけドラマはエキセントリック化し、見続けられませんでした。挫折です。
11時59分『わたし旦那をシェアしてた』日本テレビ
「男性が亡くなった事件が発生、そこに駆け付けた遺族は全員彼の妻だった」
という導入から始まるドラマです。女性同士のエキセントリックな罵り合いに堪えられず、挫折しました。見続けたらまた魅力が出てきたのかもしれませんが、妙齢の女性が大挙して押し寄せると、なんとも息苦しくなります。
不倫ものを見ていると、どうも「身勝手な!」と怒りがわいてきますので、挫折しました。
金曜日
8時『警視庁ゼロ係 生活安全課なんでも相談室』テレビ東京
第一話の、「このシリーズはコミカルものではなかったか?」と宗旨替えを感じるほどシリアスでした。「あおり運転がもたらした事故から起こった殺人事件」とは、時流に乗ったものです。思わず引き込まれてしまいました。
録画することを忘れてしまいがちな時間で、2話は見忘れてしまいましたが、努めて見ようと思います。
10時『これは経費で落ちません!』NHK
どこかで聞いたような題名です。見た人によると面白いそうですが、見ていません。今後、見るかもしれません。
10時『凪のお暇』TBS
期待せずに第一話を見てみましたが、その結果挫折しました。主人公の不思議ちゃんぶりと、その相手の男性の性格の悪さと相まって、見ていて不愉快になってきます。1年半前にも、主人公の女性が不思議ちゃんでいじめられる展開の作品がありましたが、同じような気分になりました。
週末にわざわざ気分が悪くなる理由はありませんので、挫折しました。
11時15分『セミオトコ』テレビ朝日
贔屓にしている時間帯のドラマです。新聞の紹介記事を見て、切なく悲しい物語になると感じていました。しかし、ドラマ途中から突然不思議なイメージが強くなり、全くついて行けなくなりました。ドラマにSFやメルヘンの要素があってもよいのですが、ドラマとしての練り上げが不足と感じました。
こちらも残念ながら、挫折しました。
0時12分『Iターン』テレビ東京
深夜枠故、見ません。
0時52分『サ道』テレビ東京
深夜枠故、見ません。
0時55分『百合だのかんだの』フジテレビ
深夜枠故、見ません。
土曜日
10時『ボイス 110緊急指令室』日本テレビ
この作品も韓国ドラマ原作と聞いています。過剰に人を殴る残虐なシーンと、シーン別間合いの悪さ、真木よう子の抑揚のないしゃべり方など、非魅力的要素たっぷりな作品です。
題名から、110番がかかってくる部屋を軸に、指令で警官や刑事を誘導、事件を解決するようなシンプルなドラマにした方が、週末によく合うドラマになったのではないでしょうか。
暴力的描写と、やたらと込み入った設定にした、理解しづらいストーリーとで、挫折候補作品です。
11時40分『それぞれの断崖』東海テレビ・フジ
第一話では、主人公を演じる遠藤憲一の息子が殺されるお話でした。ここから始まる、父の執念の捜査が物語になるのでしょうか。かつて放送された「人間・失格」の後半がそうでした。定番的展開とはいえ、復讐劇は引き込まれる要素が多いものです。見る作品としました。
日曜日
9時『ノーサイド・ゲーム』TBS
池井戸潤原作、福澤克夫プロデューサーによる、ラグビーを題材とした企業スポーツドラマです。主人公はチーム運営監督として描かれます。これだけでもう飽き飽きです。またぞろ、「仕事はスポーツと同じ」「監督は司令塔」論が出てくるのでしょうか。こちらも15年前の雰囲気たっぷりです。1話の十数分で挫折しました。
まとめ
これまでにない挫折数かと思いましたら、3本は残りました。このくらいの数ですと、地上波作品を見ながら、DVD等で古い作品も楽しめますので、ちょうどよい数です。
しかし、放送される作品の質の低下が顕著です。「働き方改革」というよりは、脚本の練り不足を感じます。脚本家の分野でも、人材の枯渇が起こっているのでしょうか。現在働いている人も、「基本に忠実」「ドラマ的な展開」をわかっていない人が多いように感じます。
夏枯れの時期とはいえ、ちょっと寂しさを覚えてしまいました。せめて、今回選択した作品が、つまらなくならないことを祈っています。でもまあ、「太陽にほえろ!」のDVDを新たに購入しましたので、時間はつぶせますから、どんな結果になっても良いです。
Posted at 2019/08/07 23:20:05 | |
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