2020年07月19日
コロナウィルスによる施設利用状況悪化や、撮影の延期にともない、ようやく放送された「アンサングシンデレラ」を、この日視聴しました。
このドラマは、病院内薬局に勤務し、ある程度ベテランになった石原さとみ演じる薬剤師を主役に据えたドラマです。女性が主人公で第大活躍する、という基本ストーリーを聞いただけで、嫌な予感がしました。「ハケンの品格」「花咲舞が黙っていない」など、「主人公を際立たせるために周囲の人間を無能ものに描き、主人公が大活躍する」というごく単調で心に響かないストーリーばかりになってしまっているからです。「私仕事できるでしょ?おりこうさんでしょ?」調作品には、もううんざりです。
あらすじ
医師が妊婦の症状を見落とし、その都度女性が訴える症状を抑える薬を処方、結果として重大な診断ミスをしていたのでした。薬剤師である主人公が「この症状は、〇〇ではないでしょうか?」と医師に詰め寄り、医師はしぶしぶ対処するものの、結果患者は良くなるのでした。
上記の話とは全く別に、院内には糖尿病の女の子二人が入院していました。何故か一方の子の症状が良くなりません。問い詰めると、「学校に戻ると病気のことを説明しなければならず、つらいので入院を延長するために自作自演をしていたのでした。説得し、幸せな一般生活をするよう、教え諭す主人公でした。
意見
コード・ブルーシリーズもそうでしたが、「一話の中に全く溶け合わない二つの話が設定されており、順繰りに話を進行させる手法を取っています。全く溶け合わないのに、なぜ二つの話を持ってくるのか、利点といえば、撮影チームを二っつに分けて、ゲストの都合その他に合わせて効率よく撮影できることくらいです。見ているこちらは、溶け合わない二つの話があり、それでいてどちらの話も掘り下げが浅いと、退屈させられるうえに見ることだけが大変、という状況にさらされます。おまけに主人公は落ち着かずに動き回るのみで、心理描写がほとんどありません。
まず、話を一本に絞り、なおかつ患者の背景を描いて話を膨らませる必要があります。何しろ話が浅いので、主人公の特質が生きていません。初回から視聴率が10%そこそこだったようですが、このままでは5%程度まで低下することは目に見えています。
これまで、「年齢を感じさせないかわいらしさ」のみを特徴としてきた石原さとみですが、ここまでくるともう「バブル」は終わりです。「あたし、石原さとみなのよ!」と、かつての藤原紀香を感じさせる女帝ぶりが報じられていますが、もうちょっと抑えた出演にしないと、視聴者が置いて行かれるばかりです。
関係者の方、もしこのブログを読んだなら、さっそく演出から改良し、脚本も間に合うものはすぐに直しましょう。
おまけ
このドラマのスポンサーには、クオールホールディングス、という、薬局がついています。私にもかかりつけ医院や薬局があり、薬剤師さんにはお世話になっています。しかし、このストーリーはひどい。医師、看護師がかわいそうです。スポンサーの立場からも、もっとストーリーから宣伝色を排して、良いお話しにしませんと、広告宣伝費が無駄になってしまいますよ!
Posted at 2020/07/19 23:16:25 | |
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