
先週、テレビドラマについて調べる機会がありました。すると、2005年に「ドラゴン桜」が浮かんできました。落ちこぼれの不良高校生を、東大に合格させるまで勉強させた教師の記録です。山下智久や新垣結衣などが出ており、見る人の年齢によっては貴重な映像となることでしょう。
そしてこの頃、「〇〇学習法」などの独自研究学習法を紹介する本が乱立したことを思い出しました。そしてこの頃、色々な説までもが乱立し、働く人の状況も引っ掻き回されました。そして、パワハラの原因となったこともこの頃に生まれたことを思い出したのです。
1.構造改革ブーム
時の総理大臣は、構造改革を声高に訴えました。規制緩和をして、民間の活力を促す、というものです。政治、経済は良いとして、「何でもかんでもこれまでのものを壊せばよい」という傾向まで出来てしまいました。「これまでの方法でなければ、何でもよい。」ということは、必ずしも正しくありません。これまでの方法が間違っていれば壊せばよいですし、間違っていなければ壊さなくてよい、なのに、何でも壊してしまう傾向は、
「他人の人となりを壊して、新たに指導者である自分が作り直す」
という傾向すら生んでしまいました。「朝食をとらず、学校や仕事中に倒れる若者が増えた」という報道から、「朝食を食べろ」から始まり、他人の領域に入り込むことが正しいとされてしまいました。
2.韓流ブーム
当時韓国は、経済成長真っ盛りでした。加えて、「日韓ワールドカップ」を機に、「韓国に学べ」「韓国に負けないようにせよ」という風潮が始まりました。
少なくとも当時の韓国は、「儒教文化」の国でした。苦痛に耐え、無条件に年長者を敬うのだそうです。当時日本では、団塊の世代がそろそろ引退するのにも関わらず、後継世代が育っていないことが課題とされていました。そこで、団塊の世代の次の世代を無条件に敬え、という風潮を年長者が作り出しました。
また、徴兵制を敷いている国です。日本は軍がありませんので、「韓国の徴兵制に変わって、上司である自分が変わって若者をしごいてやる」という風潮まで出来てしまいました。
当時の報道ですから、韓国の実情を正しく伝えているとは思えません。かなり加工されて伝えられたのではないか、また、都合よく利用したのではないか、と思います。
3.フリースクールブーム
ドラゴン桜の学校だけでなく、もう少し前から不良少年少女の矯正を目的とした「フリースクール」があると報じられていました。昼ドラマや金八先生でも取り上げられました。
教育専門でもないただの人が、立つ筆を生かして独自の教育論を振りかざしました。結局、個人の思い付きの、時には暴言暴力を含む論ばかりが現れ、しわ寄せは「指導される方」に来たのです。
でも、ここへきてフリースクールの問題が出てきました。高額な申込金をふんだくって結局効果が得られなかったり、暴行問題が起こったりしています。思い付き指導は、だめですよ。
上記に挙げたことなどを、構造改革ブームに乗って雨後の筍のように出てきた「コンサルタント」が、あちこちの起業にばらまいたのです。それまでコンサルタントは、具体的な分野(公害対策や高効率生産など)の分野で活躍し、企業をリタイヤしたのちに経験を生かして他社を指導する、というものでした。
しかし、「就職していきなりコンサルタント」や、企業主を手厚く接待して教育プログラムを買ってもらう「接待コンサルタント」が現れ、でたらめが蔓延したのです。全くひどい話です。
そんなことで、「今、当たり前や常識だと思っていること」が、どのような期限で出てきたのか、を、正しく知る必要があります。そしてこの頃に生まれたことなら、継承するか否かよく検討する必要があるといえるのです。
おまけ
この時代のことを書いていたら、「ゆとり教育」の原因もこの時代にあることがわかりました。そのことは、また次の機会に書きます。
Posted at 2020/11/05 21:56:40 | |
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