2021年07月31日
2021年夏期のドラマがほぼすべて放送開始されて、2週間程度が経ちました。東京オリンピックの折、私のようにオリンピックはそれほど見ない方もいるでしょうが、どう考えても視聴率の上では不利です。そのため、どの時間帯も冒険をしない作品に落ち着いています。だからといって、ほとんどの作品が「恋はつづくよどこまでも」の亜流になってしまい、さらなるドラマ視聴率の低下の事態になってしまいそうです。
月曜日
Night Doctor 21:00 フジテレビ
救急病棟における、患者と医師の心の交錯を描くのかと思っていましたら、3話位から新任医師群像ものドラマになっていきました。心理面をほとんど描きませんので、視聴者が患者側や医師側に感情移入をしたり、苦しい環境に心を痛めたりすることが出来ません。出演している医師たちも、性格設定が曖昧なので存在感が薄くなってしまっています。
第三話に、「父に十分な医療を受けさせたくても、貧困で受けさせられない」少年が登場しましたが、単に登場させて終わり、といったありさまなのでした。これではドラマになりません。まあ、見続けています。
火曜日
彼女はキレイだった 21:00 フジテレビ
小芝風花にそばかすとチリチリパーマを組み合わせ、小学生の頃の初恋の男性と、現在の仕事模様を描いた作品となっています。韓国ドラマが原作のようで、登場人物がやたらに喚く作品になってしまっています。特に主人公男、最近の「恋つづ」亜流作品にありがちな、大げさで高圧的な演技をしており、見ていて疲れてしまいます。
それにしても、「半沢直樹」に「恋はつづくよどこまでも」と、柳の下のどじょうを狙う作品ばかりで、うんざりしてしまいます。
感情移入が出来ませんでしたので、挫折しました。
プロミス・シンデレラ 22:00 TBS
借金を抱えて困った女性(演:二階堂ふみ)が、ヤンキー高校生(?)に怒鳴られながら借金を返すためのゲーム(?)をする作品です。こちらも、「恋つづ」の亜流に分類しても良いでしょう。今どき金髪のヤンキー風高校生もないです。
それこそ「ライアーゲーム」のようにゲームだけだったらまた別の楽しみがあったのかもしれませんが、ストーリーがごちゃごちゃしていて、何を楽しんでよいかが見えてきません。
怒鳴り声とストーリーの混沌から、私は挫折しました。
水曜日
刑事7人-SEASON7- 21:00 テレビ朝日
完成された、それも潔癖症的な作品故、見ません。
ハコヅメ~たたかう!交番女子~ 22:00 日本テレビ
交番を舞台にした、先輩後輩コメディドラマと聞いていましたので、「ナースのお仕事」交番版かと思っていました。しかし、先輩側の戸田恵梨香演じる警察官に、どこか人間味の不足を感じてしまうのです。ストーリーの方も、コメディがむしろ邪魔な印象でした。
特に二話、主人公が犯人と同居していた女性に感情移入する描写がありましたが、ここを伸ばしていけばよいように感じました。しかし、作品側が人情味あるストーリ展開をしたがらないようです。
どうも、原作マンガにあるギャグシーンをちりばめるだけの脚本に終わりそうな、嫌な予感がします。原作マンガを「ワープロ起こし」することが脚本家の仕事ではないのですがねえ。
まあ、見ることにしています。
ただ離婚してないだけ 深0:00 テレビ東京
深夜枠のドラマゆえ、見ていません。
木曜日
IP サイバー捜査班 20:00 テレビ朝日
少し前にも、テレビ東京にインターネットを題材とした刑事ものがありましたね。インターネットを題材にすると、ロケを減らせることもこの種のドラマが増えてきた原因かもしれません。テレビ朝日の作品なので、見ていません。
緊急取調室 第4シリーズ 21:00 テレビ朝日
完成されたテレビ朝日の刑事ものドラマゆえ、見ていません。
推しの王子様 22:00 フジテレビ
こちらも、「恋つづ」の亜流作品です。ゲーム制作会社の社長(演:比嘉愛未)が、自社制作のゲームに登場している男性にそっくりな貧乏男性と知り合い、自社に入社させる物語です。
かつての「萌え」の女性版と言えます。女性にもそのような感情があるのは構いませんが、「男も見た目さえよければ良い」と言われているようで、複雑な気持ちです。男性の「仕事などのできなさぶり」もひどいものです。
「恋つづ」亜流作品は、見ないことにしました。
イタイケに恋して 23:59 日本テレビ
深夜番組隊、かつ、見忘れたため、見ていません。
金曜日
#家族募集します 22:00 TBS
家族の一人を亡くした者同士が集まる、一種のシェアハウスを描いた物語のようです。心温まる、新しい家族像を描く物語にしよう、とする努力は買うのですが、今一つ感情移入が出来ません。設定が浮世離れしているのか、登場人物の行動が突飛なのか、少し描写が古いのか、原因は不明です。度々オリンピック放送で中止になっているようで、以後は見ないかもしれません。
漂着者 23:15 テレビ朝日
海岸に漂着していた男性(演:斎藤工)が救助されてから、色々な事件が起こっていく物語です。現在のところ、導入部分のみ描写されているようです。面白くなるのか、面白くならないのか、若者を過剰に意識していることだけはわかりましたが、まあ、見続けることにしています。それにしても、「バズる」ことしか考えていない作品のような気がしてなりません。
土曜日
ボイスII 110緊急指令室 22:00 日本テレビ
1984年に山下真司出演で放送された、日本テレビ系「人工衛星クイズ」そのものの、指令室からの指令で現場の刑事が動く「鬼ごっこ」ドラマです、主人公たちの心理描写などはほとんど省略され、ひたすら「鬼ごっこ」に徹しています。その点では、ちょっと子供っぽいドラマともいえます。日本テレビ系のドラマの作風は、もうこればかりです。
まあ、見続けるかもしれません。
ザ・ハイスクールヒーローズ 23:00 テレビ朝日
これを書いている、7月31日放送開始です。まあ、見てみますが、あまり期待していません。
女の戦争~バチェラー殺人事件~ 23:25 テレビ東京
こちらの作品も、深夜枠かつテレビ東京の作品ということで、見ていません。
日曜日
TOKYO MER~走る緊急救命室~ 21:00 TBS
最初は、緊迫感とスピーディな描写で面白いと思ったのですが、こちらの作品もまた心理描写がありません。緊急事態が発生した現場に医療チームが到着し、無理をして患者を救う、というだけのストーリーです。
わき役として、MER隊を組織した都知事とこれに反対する一派が描かれていますが、ストーリー全体からみて不自然で、違和感があります。これも「半沢直樹病」ないしは「福澤克雄病」の影響です。
それにしても、脚本家の「黒岩勉」さんという方は、全くセンスがないと感じます。この人はおそらく、人間の心理描写が出来ないのではないでしょうか。昨年も「アンサングシンデレラ」を書いていましたが、面白くなりそうな設定を面白くない脚本に出来る、特別な能力をお持ちのようです。その能力がこの作品にもいかんなく発揮されており、主人公たちの悩みやドラマ世界内での時間の流れなどを、全く感じさせません。
今は何となく見ていますが、そろそろうんざりさせられつつあります。挫折してしまうかもしれません。
ボクの殺意が恋をした 22:30 日本テレビ
この時間帯のドラマは、おしなべて見ておりません。そのため、「予選落ち」としてしまいました。
まとめ
冒頭にも書きましたが、オリンピック枯れと夏枯れが同時に来て、「恋つづ」の悪影響が拡大しすぎていることが明らかになってしまった時期だといえます。
近頃「Z世代」という言葉が出てきて、この世代を持ち上げる論調が喧しいですが、私は「未成熟な年代の、未成熟なりの発言をそのまま「これからの時代のこと」と持ち上げている」ようにしか見えません。同じようなことは1990年代初めと終わりに、大の大人が「美少女女子高校生」や「ギャル女子高校生」の意見を持ち上げる傾向としてありましたが、全く変わらないように感じます。
それにしても、脚本が面白くありません。もう少し男性にも楽しめる作品が出てきませんと、大人の女性も比較的頭が良い方の女子高校生も、飽きてくると思うのです。今のままではまだ少し残っている、「カルい女子高校生、大学生」を狙っているようにしか見えません。いかがでしょうか?
Posted at 2021/07/31 23:21:51 | |
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