2022年07月16日
2022年春期テレビドラマが終了し、ちょっと時間がたってしまいました。なかなかブログを書く時間をとれませんでしたが、この3連休でようやく落ち着いてきました。仕事の上ではまだまだ忙しい期間ですが、今のうちに感想をまとめることにしました。
水曜日
悪女(わる) 日本テレビ系 10時
この作品は、何とか見終えることができました。話の初期は、主人公がまるで「Drスランプ アラレちゃん」のような「不思議ちゃん」でした。見ているこちらは、あきれ、疲れ、いやな気分になりました。途中から物語の時間軸が変わり、先輩社員となると、主人公はややまともになりました。そうすると、概ね普通の「お仕事ドラマ」として機能し、主人公のひたむきさが光るようになって、見終えることができました。ストーリーのお仕事ドラマとしては特別なものはなく、ストーリー展開も2008年以前のドラマを思わせるものでした。
しかし、この種の「不思議ちゃん」が活躍するドラマは、お勧めできません。以前勤務した会社にも、
「私、企画がしたい。でも、実務はしたくない。」
という女性が入社してきたことがあったのです。思い付きの発言や、「宣伝だ」「インターネットだ」などと言うのみで実行しません。結局、その会社の日常業務も大してこなせず、会社を去っていきました。
この種のドラマは、女子高校生や女子大学生に「私の思い付きの発言が大ヒットし、会社をピンチから救う。」という幻想を与え、まじめに仕事に取り組む姿勢を奪うように思えます。
番組のスポンサーには、人材派遣の「グロップ」という企業がついており、そCMにはドラマ主人公の今田美桜がロングヘアのスーツ姿で出演しています。主人公もCMのままの姿で登場し、生真面目な主人公が活躍する物語にした方が、よっぽどよかったと思います。
今の時代に、「不思議ちゃんドラマ」は不要だと思います。夏期にもあるそうですね。うんざりです。
木曜日
未来への10カウント テレビ朝日系 9時
キムタク主演で、視聴率が良くなかったそうですね。当初は挫折予定でしたが、数回だけ見ました。結果は明らかです。気になった点は、以下の通りです。
・汗臭い雰囲気が良くない
スポーツに貴賎はないのですが、ボクシングは柔道や剣道以上に汗臭い雰囲気が強いです。食事中や食事後には、見たくないものです。
・女性が活躍しない
女性もボクシングに積極的に参加するのかと思いきや、やはりマネージャーや学校の先生にとどまりました。今の時代には、古さを感じました。
・アクション撮影のセンスがない
テレビの格闘アクションは、実際のスポーツのまま行うと動きが小さく、ダイナミックに見えない性質があります。パンチや柔道の投げ技なども、大げさな動きにして初めて実際の動きに見えるのです。昭和40年代にはわかっていた事実なのですが、テレビ朝日の制作関係者は素人並みなのでしょうかね。
・何を描きたいのか不明なストーリー
スポーツものドラマには主人公がそうするための「カタルシス」が必要ですが、一切ありませんでした。「主人公である自分(木村拓哉)が格好良く映ればよい。」という目論見しか感じられず、見ているこちらは白けてしまいます。
石原裕次郎氏は、映画出演の末期には「ロートル(時代遅れの年寄)」と呼ばれたものでした。テレビではトップからは一歩引いた管理職になり、第二の成功をしました。木村氏は、それが出来ないことが問題だと思います。
金曜日
インビジブル TBS 10時
何が面白いのか全く分からず、4話くらいで挫折しました。もっと話を整理し、アクションに特化すべきでした。ストーリーは、いすみ吉紘氏ならではの雑然とした脚本です。この人は、素人なのでしょうか?おそらく自身の演技に酔っている、柴咲コウ氏にも問題はあったと思います。まあ、ドラマ以前の問題が多数ありました。
家政婦のミタゾノ5 テレビ朝日系 11時15分
すでにシリーズ5ですが、やや味が鈍っているように感じます。ギャグのセンスはまだまだ高いと思いますが、以前のように見終わった後にミタゾノさんの良い人ぶりに「ホロリ」とさせられることが減っているように思います。まだまだ逆転は可能ですから、自作では改善されることを望みます。
日曜日
マイファミリー TBS系 9時
視聴率の良さは話題になりましたが、私はさっぱり面白さを感じませんでした。問題は、
・犯人のような人が、視聴者の目を意識して犯人と誤認されるような行動をとること
・登場人物の心情描写がほとんどないこと
・単なる鬼ごっこなところ
です。
数年前の「テセウスの船」でも感じましたが、登場人物が視聴者の目を意識するかのような行動をとるのは、ミステリーものとしてもおかしいと思います。
登場人物は単に誘拐事件を自身で解決しようとしているだけで、ほとんど心が描かれません。これではスマートフォンなどを活用した鬼ごっこです。ストーリーは非常に薄く、日曜日の夕方に大人が見る作品ではありません。
まとめ
春期は「過剰に前向きさを訴える薄いドラマ」が多かったものですが、学園ものドラマの減少で、必ずしもそういう傾向はなくなっているように思います。しかし、ストーリーが薄い作品ばかりがそろったものです。
テレビ局がお金がないだとか、視聴者がテレビから離れているだとか、そんなことは理由にはなりません。脚本の問題ですからね。インターネットニュースになる批評も、作品の内容とは無関係な上っ面な内容なので、キャスティングだとかそんなことばかりになってしまうのでしょう。
また、見る方も以前のように職場や学校では話題にしなくなっていることも考えられます。私は、勤務先ではドラマの話はしませんし、勤務先以外の人に話しかけても、「ドラマは見ていない」という人ばかりです。ドラマが大ヒットした時代は、話題についていくために見たものですが、この文化がなくなってきていることも、視聴率低下の原因だと思います。
夏期には、面白い作品が出てくれることを望みますが、私も「好きな作品を配信で見てもよいのかな」、という気持ちになってきています。
Posted at 2022/07/16 23:19:50 | |
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