2022年08月07日
2022年夏期のテレビドラマが出そろって、時間が経過しすぎてしまいました。まずまず面白い作品があり、選択に迷っていました。コロナウィルス後、「夏に酒を飲んでから帰るためにテレビドラマを見られない」ことがなくなったので、夏に力を抜いて秋に力を入れる、という傾向がなくなったのではないでしょうか。
それでは、プライムタイムの主なドラマについて評価状況をまとめていきます。
月曜日
21時
「競争の番人」フジテレビ
公正取引委員会を舞台とした、「亜種刑事ものドラマ」です。日光市を舞台とした編まで見たのですが、「既視感」が強く感じました。私の中では、数年前に放送された「イチケイのカラス」に作風が近く感じられました。
色々と商取引について捜査を進めるのですが、登場人物の心情描写が弱く、視聴者である私は誰にも感情移入が出来ませんでした。「公正な取引を妨害する行為」には、人間の悲喜こもごもが現れないからかもしれません。
杏が主役で期待していたのですが、大げさでコミカル過剰な演技にもくどさを感じてしまい、2話で挫折することにしました。
22時
「魔法のリノベ」フジテレビ
リフォームを生業とする建設会社を舞台としたドラマです。日本テレビやNHKでも似たような設定のドラマがありましたね。主人公は波留で、これまたちょっと変わった雰囲気が強い設定となっています。
こちらも「競争の番人」と同様で、本来はあるはずの「人間の悲喜こもごも」が薄味で、面白みが欠けているように感じました。登場人物の行動が「変にコミカル」で、寒々しいのも視聴者側が冷める点です。両作品を見ていると、フジテレビのドラマ作風は1980年代まで退化してしまったように感じます。
こんな感想しか持てませんでしたので、1話で挫折しました。
火曜日
22時
「ユニコーンに乗って」TBS
インターネットソフトウェアを製作する、ベンチャー企業を舞台としたドラマです。近頃は、そのようなベンチャー企業を「スタートアップ企業」と呼ぶのだそうですね。設定は、お仕事ドラマとおじさんがフューチャーされるドラマの融合です。
お仕事ものテレビドラマとしては、いささか主人公側の活動がうまくいきすぎているように感じます。しかし3話で、登場人物の回想シーンを利用し、起業をした頃を振り返る描写があり、つい引き込まれてしまいました。また、おじさんの「小鳥さん(西島秀俊)」の演技が良く、誠実そうな雰囲気が良い印象です。
ドラマとしては、以前は恋愛模様を描いていた時間帯であるものの、恋愛要素は薄くなっています。もう少し、主人公をピンチに追い込んでもよいのではないか、と思うのですが、総じて楽しめる作品になっています。
0時58分
「パパとムスメの7日間」TBS
2007年頃に、舘ひろしと新垣結衣で放送された作品のリメイクです。2007年はギャルの時代でしたが、2022年は「ガーリー女子」の時代になっています。どうも主人公の女性のガーリーさに魅力が感じられず、2007年の「劣化コピー」に見えてしまいます。深夜枠ゆえに、チープな仕上がりになってしまっていることも残念です。仕方なく、挫折しました。
水曜日
21時
「刑事7人」テレビ朝日系
完成されたマンネリ作品故、見ていません。
22時
「テッパチ!」フジテレビ
陸上自衛隊の養成施設を舞台とした「男くさい」ドラマです。同じような設定は、2009年頃に消防を舞台とした作品が多数制作されました。消防系作品では訓練生も出動したために、緊迫感ある描写がありました。しかしこちらは、あくまでも養成施設内で話が完結しています。
そのため、話の舞台が広がらず、自ずから登場人物の過去の描写が中心となってしまいます。訓練以外、特別な活動をしていない人物について過去を見せられても、「特に知っている人でもないので、過去までは見たくないのにな」という気分にさせられてしまいます。
そんな気分で見続けても、面白いと感じることはないでしょう。挫折することにしました。
22時
「家庭教師のトラコ」日本テレビ
遊川和彦脚本作品ならではの、「一風変わった主人公」が活躍するドラマです。家庭教師の主人公が、教える相手の子供を通じて、「遊川和彦流教育論」を語るつくりになっています。
「「わかんない」という言葉が嫌い」という主人公の言葉には賛同できないこともありません。しかし、独自色が強い「遊川節」と主役を演じる橋本愛の演劇的演技がなじめず、挫折する予定です。
木曜日
20時
「遺留捜査」テレビ朝日
完成されたマンネリ作品故、見ていません。
21時
「六本木クラス」テレビ朝日
テレビ朝日の作品故、見ていません。
22時
「純愛ディソナンス」フジテレビ
このドラマは、令和版「高校教師」と思われる導入部分でした。事件ものドラマになっていくようですが、その割には妙にコミカルなシーンが入っていたりと、どうにも狙いが分からないドラマになってしまっていました。登場人物がキチガイじみた怒声を上げるのも、視聴を妨げる要因になっています。
どうにも引き込まれる要素がなく、3話の録画を失念してしまいました。今ならまだ間に合うのですが、見るかどうかは決定していません。多分、挫折します。
それにしても、平成初期版「高校教師」をリメイクするのなら、昭和49年版「高校教師」をリメイクしてほしいものです。
23時59分
「オクトー~感情捜査官 心野朱梨~」日本テレビ
見るのを失念してしまいました。
金曜日
20時「警視庁強行犯係 樋口顕Season2」テレビ東京
面白くない作品が連発されている時間帯ゆえに、今や見ない時間帯になってしまいました。「他局が思いつかない企画のテレビ東京」というインターネットニュースの評価に甘えず、基本となるドラマ作りに力を入れてみてはいかがでしょうか。
22時
「石子と羽男-そんなコトで訴えます?-」TBS
時事的な話題を題材とした、弁護士を主役とした亜種刑事ものドラマです。中村倫也と有村架純が主役を演じています。少し前の「MIU404」と同様に、「塚原あゆ子」さんというTBS所属の演出家が作成にかかわっております。そのため、MIU404と同様に時流となる話題、例えば、ネットゲームの過剰課金や電動キックボード、10分映画動画などを取り扱っています。
まあ、面白いことは面白いのですが、どこか古臭さを感じます。主人公2名の「コミカルなやり取り」も同様に古臭く感じられます。MIU404の頃ほど「結論を放り投げる」ストーリーにはなっていませんが、結末の描写がすっきりしません。
もう少し、ストーリー作りの基本に立ち返ると良いでしょう。視聴は継続します。
23時15分
「NICE FLIGHT!」テレビ朝日
パイロットや周辺の人物が織りなす、基本的には恋愛ものドラマです。どこかで見たことがあるような要素が多いのは致し方ないのですが、何もかもが薄味になってしまっています。まあ、飛行機が舞台だとは言え、墜落につながる危機ばかりを描写するのもよくありません。
全体的に目的となる描写がはっきりしないドラマになってしまっているのですが、まあ、見続けるかもしれません。
土曜日
22時
「空白を満たしなさい」NHK
NHKのドラマ故、見ていません。
22時
「初恋の悪魔」日本テレビ
この時間帯は面白いと感じた作品がなく、情報7daysニュースキャスターを見ているために、最初から見ていません。
23時
「トモダチゲームR4」テレビ朝日
どうやら以前フジテレビで放送されていた「ライアーゲーム」に近い作風のドラマの様です。ゲームの様子を描くドラマは、ライアーゲーム当時は面白いと感じましたが、その後飽きてしまいました。最初から見ていません。
23時40分
「僕の大好きな妻!」フジテレビ
パーソナリティ障害をお持ちの方を理解し、共存していかなかればならないのですが、ドラマの登場人物としては、感情移入が出来ません。そのため、最初から見ていませんでした。
23時40分
「個人差あります」フジテレビ
録画をしたものの、まだ見ていません。
日曜日
21時「オールドルーキー」TBS
綾野剛主演の、スポーツ選手をマネジメントする会社のドラマです。各スポーツ選手に寄り添い、悩みを解消することをドラマの主軸としています。
もう少し、各回ゲストのスポーツ選手に寄り添った描写になるはずなのですが、そのあたりが薄味になってしまっています。ましてや、綾野剛演じる主人公の妻、榮倉奈々などはもう少し脇に寄らないと、ストーリーが深まりません。
結果、綾野剛の「不思議ちゃん」な印象が強調されて、ストーリーが薄味になってしまいます。この辺りが、中年男性も対象とした日曜劇場枠の制限なのかもしれません。
まあ、見ております。
まとめ
挫折した作品もありますが、例年の夏と比較すると多くの作品を見ていると思います。「ユニコーンに乗って」「石子と羽男」「NICE FLIGHT」「オールドルーキー」、加えてTVKの「いつか誰かと朝帰りッ」と見ているのですから、結構いっぱいです。
このように作品の選択をしていて感じるのは、「変にコミカルなシーン」を多くの作品が入れてしまっていることです。これも「Z世代マーケティング」とやらの弊害でしょうか。「Z世代は、まじめの連続には耐えられない」、という結果でも出ているのでしょうかね。私は、「Z世代にも、これまで長きにわたって作られてきたドラマの要素を学んでもらう」作品を作っていった方が良いと思います。
Posted at 2022/08/08 00:20:09 | |
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