
今年は、マジンガーZの放送が開始されてから、50周年です。1972年は、後年にも続くマジンガーZや太陽にほえろ!の放送が開始された年で、アニメーションやドラマの質が一段と向上しました。
特にマジンガーZは、アニメーションのスポンサーに玩具会社を入れ、雑誌にたびたび特集を組ませるなど、「メディアミックス」の元祖となった作品です。これまでのアニメーションはそういう手段がなく、赤字ぎりぎりだったそうです。
また、それまでのロボットアニメーション、特に鉄人28号は主人公がリモートコントローラーでロボットを操作していたのに対して、マジンガーZは主人公がロボットに登場しました。そのため、ロボットと主人公、さらに視聴者が一心同体となり、敵に立ち向かうという感情移入しやすくなりました。マジンガーZがなければ、ガンダムをはじめ多くのロボットアニメはなかったかもしれません。
さてこのマジンガーZ、最初から好調だったと伝えられていますが、実際にはそうでもなかったようです。どこかの本で読んだのですが、当初は人気だったものの10話くらいになると、
「ロボットが歩いて武器を運び、敵を攻撃する「武器運搬装置」だ」
などという意見が出てきたそうです。
その通り、マジンガーZは「黒鉄の城」を具現するために、「重々しく歩き、決して空を飛ばさない」という演出だったのでした。
これを打開するために、敵がどんどん強化されます。「武器運搬」の批判には、「敵の攻撃で武器がすべて故障、残された「腕力」で敵を倒す」回や、「海や空から攻撃する敵を登場させ、飛べないマジンガーZを苦戦させる」展開が行われます。
特に後者は、20数話までマジンガーZが空を飛べないままにし、さらに空を飛ぶための策を練るなどの回が描かれました。
また、搭乗者である「兜甲児」は、そんなマジンガーZと一心同体になり、時には今ある武器で対処したり、工夫をして乗り切るキャラクターとして育っていきました。この、「今あるものを利用して苦難を乗り切る」は、今の私の心の糧となっています。
小学校6年生の時にマジンガーZの再放送を見た私は、「今のアニメーションよりもずっと面白い!これならもうアニメーションは卒業してもよいだろうな」と、アニメ卒業に至ったのでした。
このマジンガーZ、今でも各種動画配信サイトで1話110円程度で視聴できますが、おそらくファンではない方にはそれでも高いことでしょう。関東地方周辺の方に限られますが、ぜひご覧になってみてください。
毎週火曜日、19時30分から放送される予定です。
Posted at 2022/10/03 23:37:01 | |
トラックバック(0) |
アニメーション | 音楽/映画/テレビ