
数週間前の朝日新聞に、社会学研修者の方が「常識の歴史」について語っている記事がありました。確か男女平等にかかわることで、「常識などせいぜい数十年のものでしかないので、まったく気にする必要はない。」という内容だったと記憶しています。
今回は男女平等にかかわることではなく、「常識の歴史」に関して学校で語った先生がいたことを思い出したことを書きます。
確か中学校か高校の時の、国語か社会の授業のことだったと思います。何かをきっかけに、「現代のみんなが常識だと思うことは、いつ出来たのだと思う?」と先生は語りかけました。ほとんどの生徒が「太平洋戦争直後」と発言しました。先生は首を振ったため、私は「明治時代の富国強兵の頃?」と言いましたが、先生は「太平洋戦争の、1940年から1945年にかけての頃」だと言いました。
先生によると、
「当時の子供に対して欧米を敵国であると植え付けるために、欧米で行われていることを「人として悪いこと」とする教育が行われ、当時の子供が成長するにつれて受けた教育内容を伝承させた」、ということだそうです。
その時は、そんな考え方もあるものだ、という程度の納得感でした。言われてみれば、当時の年寄世代は過剰に禁欲的で、それを他人に強要するような傾向が見られたためです。
時は流れ、色々な経済番組などが増えた世の中になってくると、上記の先生に近いことを唱える人も出てきました。例えば経済学者の野口悠紀雄氏も、
「戦後経済の基本は、1940年頃に始まった体制だ」
と、1940年に時代の転換点がある説を唱えています。
大化の改新、鎌倉幕府、建武の新政、室町幕府、上杉禅秀の乱、江戸幕府、明治維新などと時代の転換点はいくつもありましたが、1940年もその一つになりそうです。
そんなことなどを考えているうちに、私の頭の中では1969(昭和44)年も、現代に続く(悪)常識が形成された時代ではないか、ということが頭に浮かんできたのです。
つづく
Posted at 2024/04/21 23:49:12 | |
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