
アルバイトの記憶 スペード社シリーズ
2シーズン目の3月12日頃に、詰め所内で
お疲れさま会が開催されたことは書きました。私には男性に作用する磁石が入っているのかと思うほど、周囲には行き場のない男性が寄ってきました。
もともと固まりがちだった西郷里大学の人たちは、固まって自分たちが好きな分野の談義にいそしんでいましたし、来月大学の人はもともと固まっていました。4年生の人は4年生集団になっていました。結局、その他の男性が私の周囲に来た形です。ゾウさん大学で球技の部活をしている、ショウナンさんや、コーヒー大学の松本市さんなどだったと思います。
女性は、職長と酢橘音楽大学のリンゴさん、そして山川大学入学予定のさくらんぼさんしかいなかったように思います。職長を除く女性たちを、なんと来月大学の集団が離さない事態になってしまったのです。もともと女性が少ないのに、そんな女性を自分たちで独り占めです。特にTAOさんは今でいうところの「チャラい」しゃべり方で、さくらんぼさんが入学後に友達たちを呼んで自分たちと「合コンしよう」などとしつこく誘います。今思い出しても、頭が悪そうでイライラさせられるしゃべり方です。
リンゴさんは4年生ということもあってか、来月大学の人たちの1歳上であるためあまり相手にされず、いつの間にか出されていしまいました。その後も続いて、来月大学の人はさくらんぼさんにどんどん酒を飲ませ、さくらんぼさんはべろべろくにゃくにゃ状態になりましたが、それでもさくらんぼさんは、ごまかしながら合コンの誘いを断っていました。
来月大学の人は、さくらんぼさんを誘うことが目的だったのか、それとも酔わせた上で私の方にさくらんぼさんを送り込むことが目的だったのか、そこは今となってはわかりません。さくらんぼさんはようやく解放され、今度は私の方にやってきます。私は数か月前に酒の上で嫌なことがあったため、この日もあまり酒を口にしていません。さくらんぼさんは私の脇に座り、しなだれかかってきてほとんどキャバレーの接客のようです。周囲は「私とさくらんぼさんが「お似合いのカップル!」」とはやし立て、私も気分が良くなってしまいました。しかし、5分もするとさくらんぼさんはトイレに席を立ち、私は「トイレに行く途中に寄っただけか!」と、バカにされた気分になってしまいました。
その後、西郷里大学に人たちによる漫才の披露があったりするなどしましたが、さくらんぼさんは帰ってきません。それに気づいた職長とリンゴさんがトイレに行くと、どうやらさくらんぼさんは寝てしまったようです。二人が戻ってきて監督社員さんを交えて対応を相談する中、私はさくらんぼさんがトイレに行く前に脇にいた責任も感じ、「一緒にタクシーで送りましょうか?」と言いましたが、たまたまさくらんぼさんの家の近くに住んでいるホウセンカ大学の大またさんという方、職長、監督社員さんがタクシーで送っていくことになったようです。
さくらんぼさんにどんどん酒を飲ませた来月大学の人たちは「知らんぷり」を決め込み、二次会は自分たちだけでどこかへ行ってしまったようです。
このことが、後に大問題になっていったのでした。
Posted at 2025/07/13 00:12:37 | |
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