東京メトロの地下鉄銀座線の車両が、来年度にモデルチェンジされることになりました。1000系というそうです。最新技術を惜しみなく投入し、なんと台車には「操舵方式」が採用されるとのことです。
以下参照http://www.tokyometro.jp/corporate/enterprise/passenger_rail/cars/debut/ginza_1000/index.html
それら最新技術のことは良しとして、車体に銀座線のイメージカラーである、「橙色」をまとっての登場です。そもそもアルミニウム製の車体ですので、鉄粉をこまめに洗浄さえすれば、塗装の必要はありません。
それをまた、「全面ラッピング」という手法で、全域色を伴うボデーとなりました。車体を塗料で塗装することは、有機溶剤を大気中に放出することによる環境汚染と施工場所付近への環境汚染、労働者の健康被害など、いろいろな問題があります。
そこで近年の鉄道車両やバス、トラックは、「ステッカーによるラッピング」が用いられています。しかも、先々代の銀座線を模したラッピングとしています。
先代の銀座線車両が登場したのは、確か1984年か1985年でした。当時は「旧いものは何でもダメで、最新感覚こそ正しい。」とする風潮の世の中でした。
それを今になり、先々代の車両の雰囲気をわざわざ醸し出す点について、「A-TRAINなどに見られた、過剰なまでの最新感覚への反省」が感じられます。
もっとも、銀座線は車体長さや集電方式など、他の鉄道と異なる事情はありますが、デザインについて今後考慮すべき動向だと思います。
一方、トヨタ86は、皆さんご存知の通り、製作者側は「AE86」を、現代によみがえらせるとどのようになるか、という視点で作られています。大きすぎるとかスポーツに寄りすぎているとか、いろいろな意見はあります。
しかし、「パパは家族の稼ぎ手兼運転手兼奴隷」の時代が終わり、運転手を大切にした車の時代が戻ってくるのではないか、という雰囲気を感じます。少なくとも、モーターショーには新たな大型ミニバンの展示はありませんでした。「移動は個人」の時代に戻ってきていると言えます。
また、2年前に復活した「宇宙戦艦ヤマト」は、テレビ版放送当時の効果音とBGM(も?)をともなって、新たに復活します。
http://www.yamatocrew.jp/dc/
私も
当時この映画を見ましたが、効果音を含め、あまりの雰囲気の違いにがっくりしました。
アニメにおいて効果音は、俳優にとっての声とも同じです。その効果音を変えて「はい、復活でござい」と言われたところで、見る方は納得しません。
結局、アニメにとっても「進化」という名前の変更をしたところで、見る人は全くついてきません。結局、「昔のものだから」というのは変更の理由にならず、元に戻ることになります。
同じことは、「初代ガンダムの音響変更版DVD」、「太陽にほえろ!における、1979年と1986年のオープニングテーマ曲アレンジ変更」、「Gメン’75における、菊池俊輔曲からピエール・ポルト曲への変更」などにもみられます。
マーケティングの世界では、「常に進化をしないと客様はついてこない」などと言いますが、「進化だと言って何でもかんでも変えてはならない」ということになります。
今回の銀座線、86、ヤマトの件を持って、1980(1977?)年頃から始まった「旧いものはダメだ」的風潮は、完全に終わったのではないか、と思います。
Posted at 2011/12/11 20:35:38 | |
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