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2014年06月30日 イイね!

花王オーブクチュールのCMに、世代間断絶を感じる

 この日、録画しておいたテレビを見ていると、突然プリンセスプリンセスの「ダイアモンド」が流れてきました。「2014年にもなって製品のCMにダイヤモンド?」とテレビ画面に目をうつすと、口紅のCMでした。その色は、ピンクないしはベージュでした。出演は、江角マキコさんに井川遥さんです。



「あれ?年頭のCMでは、口紅や服や車の塗装は「真紅」ではなかったっけ?曲は古いわ流行は無視するは、一体どうしたことだ?」と思いましたが、



直後に事情がわかりました。

そう、これは30歳代後半から40歳代後半の女性に向けたCMだったのでした。「「ダイヤモンド」が流れていた頃に若さを謳歌していた世代のみなさん。今の流行の赤は馴染めないでしょ?当時っぽいピンク色をご用意いたしましたよ。」という、メーカーの無言の声が聞こえてきました。

 男女問わず、世代間の断絶というのは必ずついてまわります。特に女性のそれは、全く分かり合えないもののようです。親子ほど離れればまた良いのでしょうが、10-20歳位の違いですと、姉妹でもなければ親子でもない、あったとしても学校の先生があるかどうか、という年の差です。また、クラブ活動の先輩と後輩くらいの年の差も難しいようです。

そしてこのCMを見て、世代間断絶は、もはや文化にも及んでいることがわかるのでした。

 ちなみに、プリンセスプリンセスの「ダイヤモンド」が流れるとバブル前期、リンドバーグの「今すぐKISS ME」が流れるとバブル中期、ピンクサファイアの「P.S. I love you」が流れるとバブル末期を思わせるのです。
Posted at 2014/07/01 00:31:58 | コメント(0) | トラックバック(0) | ファッション | 日記
2014年06月30日 イイね!

2014年春期ドラマ感想批評

 ドラマの感想はなるべくそのドラマと放送回ごとに書きたいのですが、こんかいも出来ませんでした。なにより、さいたま市の交通事故、スカイラインハイブリッドとターボ、レヴォーグ、フィット、スイフトの試乗記すらままならない状態で、ドラマの感想を書くのは難しいです。

しかしまあ、「おもしろそうな雰囲気」ばかりが先行し、実際に見てみるとイマイチという作品ばかりで、空振りでした。

「SMOKING GUN~決定的証拠~」
 刑事ものの亜種として、探偵ものないしは科学ものとして展開するのかと思っていました。実際にも、3話くらいまではその雰囲気がありました。しかし、「ガリレオ」との近似性を指摘されたからなのか、急に「十数年前の事件」に話がシフトされ、鈴木保奈美は撃たれてほぼ降板になるわで、全話を通じたストーリーボード不在を強く感じさせました。

なにより、現在のシーンと回想シーンとが頻繁に交換され、「なんでこんなに頻繁に場面が入れ替わるんだ?」と見づらさを感じさせました。もっと話の展開を整理してから撮影すべきではないでしょうか?この作品は、プロデューサーがダメなので、脚本もダメだったのだろうなあ。視聴率が悪いのも当然です。

「ビターブラッド~最悪で最強の親子刑事」
 第一話で、「太陽にほえろ!フォーマットだ。これは期待できる。」と書いてしまった作品です。親子の確執などの描写はないわ、事件はチープだわ、脇役刑事は脇役に徹していて捜査はしないわ、で、刑事ものの体をなしていませんでした。それにしても、「チェイサー」と言いながら尾行シーンがない刑事や、「口が臭いからスカンク」という刑事の命名法はどうしたものでしょうか?特に後者は、小学生並みの命名です。

 話の展開でも、刑事の一人が婚活をしているところから始まるだとか、エレベーターに閉じ込められておしっこに困るだとか、「どうしてもドラマでもギャグをやりたいフジテレビ」らしい作品でした。「面白い」が「笑える」だった1980年代前期ならまだしも、今や高校生でも「箸が転んで笑う」ことはないでしょうね。アクションに人情にと、面白くなることを期待していた作品だったのですが、ぶち壊しにしてくれました。

先日も書きましたが、フジテレビは「時代に選ばれて時代に捨てられた」ような状況に追い詰められています。

「ファースト・クラス」
 渡辺千穂さんの脚本らしい、仕事場ドロドロ物語です。ストーリーボードも、「一番初めの敵が最初に味方になり、最後は部内の敵をも飲み込むような巨大な的が現れる。今まで登場した人が現れて協力し、その敵を退治する」という展開もそのままです。

 菜々緒演じる女の罵詈雑言が最初は面白かったのですが、こんなスパイス的要素が面白いのも最初のうちだけです。すぐに飽きてしまいましたが、まあ、見続けることができました。渡辺千穂さん脚本の中でも、特に終わりから1/3の展開がイマイチで、盛り上がりに欠けました。まあ、ゲーム感覚で若い人に取り入れられたい土ドラとしては、こんな程度で構わない、と見切りをつけているのでしょうかね。

 それはそうと、板谷由夏さんのセリフが滑舌が悪い上に声が小さく、聞き取りづらかったです。また、菜々緒さん、そろそろ良い役をしないと、「ただきれいな顔で性格が悪い人」の印象がついてしまいますよ。

ちなみに、今でこそ「優しそうな人」で通っている松下奈緒さんですが、デビュー作(?)では、性悪女を演じていました。

「アリスの棘」
 近頃珍しい(というより、これが本来の姿だ)の、漫画や小説を原作としない作品です。基本フォーマットは、自分の敵である医師たちを次々に罠にはめて失脚させるものでしたが、割と初めの方から「巨大な敵」をあらわにし、巨大な敵との攻防戦になりました。雑誌のドラマ批評欄などでは、「当初のスピーディーな展開が薄れた」と書いてありましたが、それに徹して失敗したのが榮倉奈々主演の「黒の女教師」でした。

本当の敵が変わっていく作品というと、「逃亡者 runnaway」が印象的でしたが、この作品は視聴者を引き込むサスペンスチックな展開はなく、淡々と展開してしまったのが残念です。もう少し主人公の心情や取り囲む状況を変化させ、「敵だと思って倒した相手が、本当の黒幕ではなかった」や、「自分が敵を倒すことでまた新たに自分を恨むものが現れ、復讐はまた復讐を生むだけではないのか?」と、自責の念に苛まれるような展開が欲しかったです。

とはいえ、オリジナル作品を作ろうとする心構えは大歓迎です。

「死神くん」
 「ロス・タイム・ライフ」や「スカイハイ」のような雰囲気の作品でした。事前広告では、「桐谷美玲が乱暴な言葉遣いをする」などのことで売っていましたが、内容はなかなか良かったです。主人公をあまり表に出さなくしたのが、功を奏したのかもしれませんね。

ゲストも老若男女が揃っていて、しみじみとさせる話もありました。第二話の、「死にそうになった人でも入れる生命保険」にはがっくりしてしまいましたが!?

「マルホの女」
 これも亜種刑事ものです。保険調査事務所に勤務する二人が、保険事案を捜査するお話しです。太陽にほえろ!を企画した岡田晋吉プロデューサーは、「刑事ものにしないと場面が限られるし、ストーリーにも限界が出てくる」ということで、特殊刑事ものやガードマンものを避けたのですが、結局はこのドラマも限界がすぐに出てきてしまいました。

 この種のドラマのストーリーボードは、「デイリーな事件解決編を5話ほど行い、その後、巨大な敵を登場させてその敵に主人公を挑ませる」という、ロールプレイングゲームのような展開とするのが流行っていますが、「マルホの女」では、無理やり感が出てしまっていました。

 最終的には、なんだかよくわからない展開になってしまいましたが、脚本家の名前を見て納得、「秦建日子」氏でした。放り出し癖は健在です。

 その他、勧められて見たものの、あまりの忙しさに失礼ながら継続できなかった「刑事110キロ」などもあります。

これからスペシャル番組を挟まずに夏期に移行します。夏期は一年で最もテレビの視聴率が落ちる時期ですので、各局とも手抜き著しくなります。あまり期待せずに見ることにします。

それにしても、「極悪がんぼ」について色々とニュースヘッドラインに記事が出ましたが、あのようなヤクザが出てくる作品を面白いとする神経がわかりません。それと、尾野真千子さんって、そんなに視聴率を得られる俳優さんでしたっけ?最近でこそNHKの朝のドラマで主演をすると「国民的知名度になる」と報じていますが、実際には「固定化された、場合によっては清潔感だけが表に出すぎて、俳優としての幅は狭くなる」ものなのです。意外に、その後作品に恵まれない方も多数います。

このドラマの企画会議とやらの議事録を見てみたいものです。とんでもない勘違いをしているんだろうなあ~。「いつもの仲間といつもの店でいつものものを食べながらいつもの話をする」は、頭を退化させる、最も危険な行為です。こういう関係の仕事の方の交友関係は狭いでしょうから、いつの間にか自己満足作品になっちゃうのでしょうね。
Posted at 2014/06/30 00:25:29 | コメント(0) | トラックバック(0) | テレビドラマ感想批評 | 音楽/映画/テレビ
2014年06月29日 イイね!

ソース焼きそば 283/263 蛇の目ウスターソース 284/263 蛇の目とんかつソース 285/263 蛇の目京の手作りホットペッパーソース

 2週間ぶりにソース焼きそばを食べてまいりました。合わせて、関東のソースを寄贈してまいりました。



蛇の目ウスターソース
 甘さと塩気、酸味のバランスが高いソースです。関東のソースと比較すると総体的な酸味の度合いは低いのですが、京都のソースで酸味を感じるのは意外でした。酸味度は、東海地方のそれに相当します。バランスが高いソースで、食欲がそそられます。



蛇の目とんかつソース
 可能な限り同じ日に同じメーカーのソースは食べないようにしているのですが、もはや残りのソースが少なく、致し方ありません。

このソースは甘いソースで、酸味はごくわずかしか感じられません。塩気もわずかで、辛さは感じられません。お好み焼き用ソースとの味わいの違いは、お好み焼きソースは旨みが加えられているのに対し、とんかつソースは肉の旨味を邪魔する旨みが加えられていないことです。そのため、甘いとは言ってもさっぱりとした甘さです。




蛇の目京の手作りホットペッパーソース

 これまでも危険なソースとして、「タテ激辛」ソースなどを「危険なソースだから手を出してはならない」と書いたものですが、このソースも危険なソースです。
 口に含んだとたん、舌を刺激する辛さというより痛みを感じます。辛さを引き立てる甘さが混ざっております。辛さをマスキングする塩気や酸味はありません。

 辛いとは言ってもスパイシーな辛さはあまり感じられず、ポールスタア炎の赤焼きそばソースのような雰囲気です。また、おそらく辛さそのものでは、タテ激辛よりは辛くないものと思われます。

 とにかく辛くて辛くて、罰ゲームのようなソースです。辛いもの試しをしたい方にはぴったりです。辛さを味わい方には、あまりお勧めできません。

 なお、今回は先週の帰省時に購入した、ブルドッグウスターソースとブルドッグごまトンカツソースを寄贈してまいりました。



ブルドッグウスターソースが、関西で全国のソースに対面した様子がこちらです。



その前の北海道出張時、デパートの地下を散策したのですが、目新しいソースはありませんでした。北海道は醤油文化圏のようで、ふらのソースがあるだけであとは普通のソースでした。
Posted at 2014/06/29 22:31:09 | コメント(0) | トラックバック(0) | ソース焼きそば | グルメ/料理
2014年06月24日 イイね!

20年か30年ぶりに世相が変わりそうな気がする

 雑誌「egg」が休刊するそうですね。「egg」は、私よりも下の世代のための雑誌として1994年に創刊されていますので、私は手に取って見たことがありません。高校生から20歳くらいまでの女の子向け雑誌らしく、「ちょっと軽そうな女の子」が読者対象だったようです。



当時高校生の友達アイテムとして急速に広まっていた「使い捨てカメラ(写ルンです、スナップキッズ)」や「プリクラ」とも流行上のつながりが深かったものです。それまでは写真に写るときは「Vピース」や「バイバイの格好で手を小さく振る」位のポーズしかありませんでしたが、「上から落ちてくる大きなものを胸の前で受け止めるがごとく、腕を前に出す」いわゆる「eggポーズ」なるものを普及(?)させました。その後、「ポージング」が一般の人にも広まり、「横ピース」から「変顔」など、世代ごと(?)のポージングが生まれたものです。

その、ちょっと軽い(親しみやすい?)女の子に受け入れられた「egg」ですが、「deeps」という女の子三人組のボーカルユニットを生み出した頃がピークでした。



やや遅れて流行として登場した「サーフファッション(?)」や「ストリートファッション」を掲げた「Fine」人気を二分しました。

ところがその後「スーパーフリー事件」などから「クラブディスコ」ブームが急落、「egg」は同調する形で、あまり話題に上がらなくなったように感じます。。

その後、「SCANDAL」という、AKB48以前に黒髪を売りにしたボーカルユニットの頃から「なんだか時代が変わりつつあるなあ」という気分になりましたが、一時的な流行の波だとばかり思っていました。しかし、ここへ来て「egg」が休刊、「Fine」は「大人がサーフィンを楽しむための本」へと衣替えをしました。


旧Fine



新Fine


 思えば、1987年に私が通った学校の隣の学校が制服をモデルチェンジしてから女子高校生のおしゃれ化が進みました。その後、女子大学生が就職氷河期で元気を失い、「オヤジギャル」で一瞬だけ元気になったOLは、その後OL自体の数が減るという憂き目にあって消滅と、ギャルの時代がつついてきたわけですが、AKBではっきりと「おとなしい女子」が主流になり始め、ついにこの2誌が一つの時代を終える形になりました。少し前には、水商売で働く女性のおしゃれのための「小悪魔ageha」という雑誌も休刊しています。方法はさて置き、「元気な女子」の象徴であった雑誌の終焉です。

 一方、テレビでは「月9」の大不振、フジテレビの視聴率低下が言われております。フジテレビというと、1982年の「オレたちひょうきん族」から折からの漫才ブームに乗り、「女子大生は箸が転がっても笑う」時代を作ります。深夜番組では女子大学生が司会を務める「オールナイトフジ」、女子高校生がアイドルを務める「おニャン子クラブ」が放送されました。テレビドラマは、というと、おニャン子が学芸会並みの演技で主演を務める「月曜ドラマランド」が始まります。

とはいえ、笑いが中心だった時代は1989年頃になると徐々に後退します。フジテレビは敏感なもので、「恋愛は都会の男女の最高のゲーム」だとかいう、歯が浮くようなコンセプトの「トレンディドラマ」を産み出します。武田鉄矢が主演を務めた「101回目のプロポーズ」も、今でこそトレンディドラマ扱いですが、当時は「ダサいおじさんが主演」ということが売りだったんですよ。

トレンディドラマも、景気の後退とともに1996年の「ロングバケーション」辺りから飽きられ、テレビ番組にはバラエティ作品が増えてきました。そこでも強さを発揮したのがフジテレビでした。その後も、「イケメン@パラダイス」などのスチャラカドラマを作るなどしていましたが、「韓流バッシング」を期に、フジテレビ自体が嫌われる風潮になってきました。そこへ今の「フジテレビのドラマ、バラエティ大不振」です。

 これまでも、3年周期で流行がちょっと変わったり、ズボンの裾が広くなったり狭くなったり、股上が浅くなったり深くなったり、髪の色が茶色くなったり黒くなったり黄色くなったり、というそれぞれ個別の変化がありましたが、今回ばかりは大きな変動がありそうな予感がします。

日本の歴史も、蘇我氏などの古代の氏族が全ていなくなった「大化の改新」、藤原氏の時代から武家の時代の幕開けになった「保元・平治の乱」、中世の氏族が全ていなくなった「応仁の乱」、織田信長、豊臣秀吉、徳川家康などによる平定である「織豊時代」「江戸幕府」、そして武家政権が終わった「明治維新」、近代日本の始まり「太平洋戦争の終わり」といった大きな変化がありました。

まあ、一般の人の暮らしの変化ですのでそこまではいかないにしろ、文化的にはひとつの節目の時期になりそうです。
Posted at 2014/06/25 01:33:06 | コメント(0) | トラックバック(0) | 時事 | 日記
2014年06月21日 イイね!

日産 スカイライン(200GT-t 2000ccターボエンジン搭載車) 試乗

日産 スカイライン(200GT-t 2000ccターボエンジン搭載車) 試乗 本当は、この前の週のスカイライン(ハイブリッド)に試乗した日にもこのターボエンジン搭載車に試乗しているのですが、帰省した折に改めて試乗してまいりました。



このモデルについて書いてある記事では、概ね次の点を視点としているようです。

・エンジンとトランスミッションがダイムラー製であること
 国産の歴史ある車に、他国のエンジンとトランスミッションを搭載して良いのか、という視点。ベンツ用は成層燃焼(希薄燃焼)をしているが、スカイライン用はしていない、ということも書かれていることが多いようです。

・4気筒ターボエンジンは、R30型以来であること
 R30はスポーツグレードでしたが、この車は以前のV6エンジンを置き換えたものであり、歴史の上でも繋がりはありません。


このブログでは、純粋に一つの車として書いております。

エンジン



 上記のとおり、ダイムラー製の4気筒筒内噴射ガソリンターボエンジンです。筒内噴射と過給器との利点として、前回の燃焼によって発生した排気ガスを過給気によってシリンダー内から掃気し、十分掃気してから燃料を噴射出来ることがあります。このため、高出力運転時なのでは、不要な排気ガスが残りにくいこと、吹き抜ける燃料、則ちハイドロカーボンの量が少なくなることなどが特色です。

 エンジンは最近の4気筒エンジンらしく、アイドル時にはやや軽い「カラカラ」というタペットノイズを伴うものです。空吹かし時はもちろんのこと、走行時も吹け上がりの軽さを感じます。また、過給圧が高まらない2000回転までの領域でも、それほど力不足を感じないのもこのエンジンの特徴です。同じ日産の、現在のMR20DDエンジン程ではないものの、SR20DEよりも軽快かつ力強さを感じます。

過給圧は2000回転を上回る頃から本格的に上がってきます。この領域では、床下から伝わってくるような「ドゥルルル」という4気筒らしい振動と音が感じられ、出力が急激に高まります。とは言ってもかつてのターボエンジンに付きものであった「ターボラグ」とは異なり、アクセルペダルの操作量に応じた、自然な印象です。



この出力の高まり方に期待してさらにアクセルペダルを踏み続けていても、その後の出力の高まりは頭打ちになり、加速度の変化率はおとなしく、なんとなく「出力一定」でトルクが減らされている印象です。そのとおり、いわゆるダウンサイジングターボエンジンは、ある一定程度以上の回転域では過給圧を落とし、出力の高まりを規制しています。その一方でピストンやコンロッドなどの回転運動部の強度を落として軽くしていることが特徴となっています。

そのため、スポーツエンジンのような爽快感はなく、どちらかというとディーゼルエンジンのような出力特性となっています。ターボエンジンというとスポーツカーのようなエンジンを思い浮かべる人はまだまだたくさんいると思いますが、スポーティーでもなければ怒涛の出力もなく、いわば産業用エンジンのように黙々と働くエンジンに近い印象です。後述するトランスミッションの変速感と相まって、「あまり回したくないエンジンなんだな。」ということが伺われます。

エンジンは加速するときに失われる損失がかなり有り、なるべく回転を上げずにシフトアップをして、その分アクセルペダルを踏み込んで「ポンピングロス」を減らすことが命題になっています。かつての高回転高出力エンジン車にお乗りの皆さん、安易な買い替えは考えましょう。

トランスミッション
 ハイブリッドとスペック上は同じ、7速有段ATが組み合わされています。とは言ってもこちらもダイムラー製です。

これまでのATは、アクセルペダルを踏み込んでいる際には変速を規制し、高回転域まで同じ段を保持、アクセルペダルを戻したり、定速走行に移行するとシフトアップをするような設計がなされてきました。MTにおける変速を盛り込んだためです。

しかしこのATは、これまでの常識とは異なった変速をします。則ち、アクセルペダルを踏んで加速している時にはある程度変速が規制されて過給領域まで段を固定するものの、過給領域に入りつつどんどんシフトアップ、あっという間にその時のトップギヤへ移行します。一方、アクセルペダルを戻すと段がその時の位置で固定されるようで、エンジンブレーキが効きます。

これまでのATとはかなり異なる印象で、慣れるまでに時間を要しました。(といっても、試乗中に慣れましたが。)

サスペンション
 基本形式は同じですが、4気筒エンジン、しかもハイブリッドシステムがないことから、乗り心地はかなり軽快になっています。



ハイブリッドが重いものが揺れている印象であるところ、この車は軽くいなす印象で、同じ車ながら別の車のようです。これまでの「高級車」の印象はなく、大昔の4気筒の普通の車の印象です。なんだか懐かしいものでした。

いわゆる「揺られ感」という乗り心地の意味では、ハイブリッドの方が高級感を感じることでしょう。

ブレーキ
 ハイブリッドが「モーターによる完全油圧電子制御」であり、ペダルの踏み応えは演出であるのに対し、こちらはコンベンショナルな油圧+真空サーボを採用しています。ハイブリッドは床でも踏んでいるような、演出された「当たり」を感じるのに対し、こちらは普通の車と同様の、踏み増しが自然に出来る印象のブレーキになっています。

ステアリング
 こちらは今のところ、電動?油圧パワーステアリングが採用されています。もはや油圧パワーステアリングはやや時代遅れなのですが、自然な介助感は熟成の域に入っています。ハイブリッドの「ステアバイワイヤー」方式も、転舵状態で加速しなければ違和感を感じないだけに、電動機構のパワーステアリングも、あるいは悪くないな、と感じるのでした。

なお、それほど遠くない時期にターボエンジン車にもステアバイワイヤーが採用されるそうですが、5万円以上価格が異なるのなら、この油圧方式で十分です。

ボデー
 ハイブリッドと同様です。剛性が非常に高く、乗り心地の点でも操舵時の反応性にも、非常に良く効いています。電池置き場の都合でリヤバルクヘッドには十分な補強材を与えられていないでしょうが、それでも十分な剛性です。



なお、内外装の点でハイブリッドとターボはほぼ並列になっており、廉価版の印象は全くありません。

まとめ
 ダウンサイジング過給エンジンは、特性上ではN ONEが、スーパーチャージャーではノートが、販売戦略上ではレヴォーグが、実際上ではこのスカイラインが第一号になりました。無加給領域のかったるさを感じさせないこのエンジンは成功しており、大きな車体を軽快に走らせます。しかし、スカイラインほどのボデーは、実は多くの人にとっては持て余すものです。G10のブルーバードシルフィ程度の車体に戻すのが本当に必要なダウンサイジングであり、なんだかメーカーの欺瞞を感じてしまうのです。

そんなこともあり、車としてはなかなか獰猛なエンジン音、軽快な運動性能と褒められはするのですが、ATの変速特性と車体の大きさと価格に疑問を感じ、両手を挙げて賛成ができないのです。また、この種の車としてはエンジン音も重要な点でしょうから、6気筒のなめらかさを高級と感じる人にはあまり勧められません。くれぐれも、「実用エンジン」であることを肝に銘じてください。

参照して欲しい記事
スカイライン(ハイブリッド)
その他の同クラスの車は、ハイブリッドの記事からリンクされています。
Posted at 2014/09/21 18:53:30 | コメント(0) | トラックバック(0) | 試乗 | クルマ

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