車にかけられる金額は決まっています。それほど裕福な暮らしをしているわけでもないので、部品も一つずつ買うしかありません。
ブルーバードシルフィについては、概ね完成させたつもりでした。しかし、コーナーに差し掛かると、フロントが最大ロール角に至った後もリヤのロールが進み、ややコーナー内側の前輪が浮き気味になってコーナーを立ち上がっていくような印象を持つようになってきました。
各部の剛性パーツを用意している際、同じメーカーの製品に「追加リヤスタビライザー」があることを知りました。このメーカー以外にも設定しているメーカーもありました。トレーリングリンクの支点ないしはトレーリングリンクにブラケットをつけ、ブッシュを介してスタビライザーの作用点と連結します。スタビライザーのねじり部はリヤアクスルにUボルトとリテーナーを追加、リテーニングブッシュによって装着しています。
ブルーバードシルフィ(FWD)のリヤサスペンションには、当時の日産が押していた、「マルチリンクビーム式サスペンション」が採用されています。左右の車輪をU字型のビームで連結し、前後方向を2本のトレーリングリンクで、横方向を「スコット・ラッセル式ラテラルリンク」で連結しているサスペンションです。U字ビームは曲げ方向には硬く、ねじり方向には柔らかい特性を持っています。トレーリングリンクも、ねじり方向には柔らかくなっています。ラテラルロッドは二分割され、ラテラルリンクのU字ビーム連結部には横方向にフリーなブッシュが採用され、横方向の踏ん張りには効きません。横方向にはコントロールリンクが位置決めを行っています。
このサスペンション、従来のリジッドアクスル方式やトーションビーム方式サスペンションが抱えていた、「ストロークによるアクスルの横ずれ」と「コーナーリング時の左右特性差」を解消したサスペンションとして、画期的なものでした。日産の発表によると、このサスペンションを採用したことでフロントマルチリンクサスペンションがフルに性能を活かせるようになったそうです(P11プリメーラ、U14ブルーバード)。
しかし、良い点ばかりでもないようで、ロールセンターの低さからくるロールの大きさがあります。当初はU字ビームの中に溶接で付けていましたが、P12プリメーラではこれを外に出し、「大幅に効きを向上」させたそうです。
その後、「トーコレクトコントロールブッシュ」の採用により、各社とも現在まで続くトーションビームサスペンションになってしまい、放棄されてしまったサスペンションです。
さて、本題に戻りますが、この車はもともとスタビライザーが装着されていなかったため、スタビライザー付きリヤアクスルに交換しました。乗り心地が良くなり、コーナーでも姿勢が安定するようになりました。フロントはスタビライザーもより太いものに交換した結果、ロールバランスがやや崩れたように感じていました。
最近、とある車種のパーツの広告によると、JTCCなどの市販FWDのレース車では、リヤスタビライザーを強化して、前輪の接地性を上げていたとのことです。一方、スタビライザーを強化しすぎると、路面の凹凸乗り越え時に接地性が悪化したり、コーナーリング時に内側後輪が浮き気味になって接地性が悪化したりします。
さてさて、コロナのフライホイールの前にこれを実行しましょうかね。
Posted at 2014/12/29 22:21:03 | |
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