
毎年夏になると、炎天下の車内に放置されて亡くなる子供の事故がありますね。パチンコ屋の駐車場における事故は、業界団体の取り組みやパチンコブーム自体の終焉により、減ったような気がします。
その一方で、今年は出勤時に子供を預けるのを忘れ、終業後に気づくという事故が起こりました。痛ましい例です。その人が普段している行動が、運転中にしていたという「考え事」や、駐車場でされたという「同僚の話かけ」によって復活してしまい、子供を乗せていたことを忘れさせてしまったのでしょう。行動を「脊髄反射」でしてはならない、という表れでもあります。
さて、まず熱の伝わり方を考えます。太陽から放射されたエネルギーは光となり、宇宙空間を進んできます。地球に当たり、熱圏や中間圏で有害な波長を持つ光が反射や吸収されます。また、大気圏上層では酸素分子が分解され、オゾン層となって紫外線を吸収しています。
太陽光は、地球上の生物にも耐えられる成分(紫外線、可視光線、赤外線)となって大気圏へと来ます。可視光の一部は空気によって青く分散されます。そして地球上のものを照らします。そのままでは加熱される一方なので、赤外線として宇宙空間へと放射します。なお、空気中に赤外線を吸収する成分が多いと宇宙空間へ放射される熱が減り、地球の温度が上昇します。
早い話が、赤外線、紫外線、可視光線で熱せられ、赤外線で放射しています。これは自動車の車体も同じです。
また、加熱された空気とルーフパネルが接していますが、両者は熱伝達によって高温側から低温側へと熱が伝わります。これは、ルーフパネルと車内の空気の間でも行われます。車内には空気層をはさんで内装材が設置されており、同じく熱伝達が行われます。また、ルーフパネルや内装材からは赤外線が放射されており、車内や人を加熱します。
実は、ある時まで内装材やルーフパネルからの熱の放射は考慮しておりませんでした。
ある気温が高い日、私はクーラーがよく効いた最上階の部屋でお客さま相手に立って説明をしていました。吹き付ける空気はひんやりしているのですが、なぜか体が焼かれるような暑さを感じていたのでした。説明終わりの10分前には頭がくらくらし始めてしまい、それでもなんとか無事説明を終えたのでした。
座って聞いていたお客様の一人も同じようになってしまい、体の不調を訴えたのでした。当時は原理がわからなかったのですが、冬場に屋外でハロゲンヒーターに当たった時に暖かさを感じた際に気づいたのでした。空気を冷やしても、熱は赤外線でも放射されてくる、ということです。
以上のことを考慮しながら、車内にいる人間のことを時系列で考えます。
エンジンないしはクーラーを停止させて車内に子供を置いてドアを閉める。
→1秒後は大丈夫でしょう。1分後も大丈夫でしょう。10分後は危ない?3時間程度で死亡にいたるそうです。
考察:冷やされなかれば、それは死んでしまいます。
エンジンを止め、エアコンスイッチとファンスイッチを操作した状態で車内にいる。
→3時間程度で死亡する。
考察:エンジンをかけていませんと、クーラーは効きません。
エンジンをかけ、エアコンスイッチとファンスイッチを操作した状態で子供を車内に置き、ドアを閉める。
→未知数。
考察:この状態なら、ずっと車内にられるような気がします。子供の場合には直接風が当たることを避けるために後席に置かれることが多いでしょうから、日射や前述の赤外線放射による輻射熱で、身の危険が起こるかもしれません。
子供が亡くなる事故では、子供の足がエアコンスイッチに当たってクーラーが止まっていたこともある模様です。また、こういう時に限ってエアコン装置が故障する不幸もあるのでしょうか!?
そんなことから、ルーフパネルへの反射材施工を検討しました。実は、日産リーフの1回目のマイナーチェンジでもなされたことです。可視光線を通さないルーフパネルと可視光線を通さない内装材の間に、ピカピカ光る反射材、効果が楽しみです。
会社の人からは、施工前後での温度分布を測定することを勧められております。暑い日に貴重な休みを使って施工するのですから、一気に作業してしまいたいのが本心です。しかし、測定するなら以下の方法がよいでしょうか?空調装置や建築物に詳しい方、お知恵をお貸しください。
測定場所
ルーフパネル上と天井内装材直下
測定環境
車外測定場所は、日射がある状態で車も温度計も日なた(気温の測定は日陰が基本)
車両は、ドアをすべて開けた状態
測定日
同日測定は体力的には無理。気象条件も変わってしまうために、翌日同時刻測定がやっとです。
いずれにせよ、デッドニングだけではなく、遮熱も調べていきます。なお、コロナは内装材取り外しの際に内装材が破損する恐れがあるために、ブルーバードシルフィのみ施工します。
Posted at 2016/08/07 22:20:16 | |
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