コロナウィルスの影響で、各テレビ局とも撮影が困難となり、何とゴールデンタイムに再放送があります。日本テレビでは、13年前のドラマ「ハケンの品格」が放送されています。私がブログを始めて間もないころ、何を書いてよいのかわからないままに、
感想をつづりました。
ストーリーは、優れた事務・業務処理能力を持つ変人の「大前春子」が、派遣先の企業であれこれある物語です。当時の現実の派遣労働者も、すでに単純労働者化が目立っていました。そのため、何らかの特殊技術があるということは、現実的にはほとんどないのでした。おそらく、脚本家の取り巻き女子が、
「ねえ、先生、聞いてよ。今度の私の派遣先、上司が全くパソコンができないの。今どき一本指打法よ。私がいないと会社が回らないのに、私の方が給料が低いのは、おかしいわよね。」
などと言ったことから始まった企画なのでしょう。
そしてこの一話、主人公の変人ぶりが目についてしまいます。しかもクライマックスは、紙書類のホチキス合戦です。当時はもうコピー複合機が出回りつつありましたので、「書類をホチキスで止める」仕事はなかったように記憶しています。しかも現代なら、書類は紙にせずにクラウド上に書類を公開、アクセス可能な社員のみ閲覧が可能、というシステムになるはずです。
また、その後リーマンショックで「派遣切り」問題が発生し、派遣労働者の取り扱いが問題になると、各企業とも事務職員の正社員化を実施しました。しかもその後「クラウドサーバー」などが登場してくると、パソコンはサーバーにアクセスする端末になり、パソコンと通信環境があるだけで業務が可能になってきました。
そんなことから、2007年当時は少し残っていた「派遣事務社員」の方々は、その仕事が必要なくなるケースが増えています。しかも多くの場合「女性一般職」とされていた体形も消滅、多くの場合は女性も正社員として男女関係なく、仕事が決められるようになってきました。
13年経過して見る「ハケンの品格」ですが、当時の方がよく感じられるのは「服や髪など、着飾る要素が多く、男女とも身なりがきれい」
ということです。
そして13年前と同様、「書類ホチキス止め合戦」は、小学生化中学生の男子女子の喧嘩のようで、見ていてガックリ来るのでした。
おりしも、フジテレビの夕方ではこの前年に放送された、「ナースあおい」が放送中です。スタンダードなドラマの作りで、主人公ナースを演じる石原さとみの、まっすぐで真面目に看護師の仕事をしている姿勢が胸を打ちます。
おそらく、「ハケンの品格」が、ドラマの潮流をおかしくしてしまったのでしょうね。
Posted at 2020/04/15 23:21:38 | |
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