
受験シーズン真っ盛りですね。受験に関する逸話は数々あります。私のそばでは、私は完全に傍観者ながら、後の私の考えに影響した出来事がありました。もう古い話ですし、同じような出来事はあちこちにあるでしょう。個人的出来事ながら、後世の受験生に少しでも役に立てば幸いですから、書くことにしました。
小学5,6年生当時、私は学習塾に通っていました。そこは成績別クラス分けをしていて、上位からK、G、Cと命名していたように思います。成績も人間性でも面白みがない私は、中庸なG組に所属させられていました。K組の生徒は本当に出来が良く、学校やこの前に通っていた塾でも、特定科目は得意だと思っていた私でも、全科目負けを喫するほどでした。当然K組の生徒は上流意識が強く、G組はもちろんのこと、C組の生徒とは住む世界が違う、という姿勢で、口すらきかない、きけない雰囲気でした。
K組には数が少ないながら女子もいて、うすうす男女平等の世界が到来することを感じていました。そのK組の中には、G組生徒のH君から「キツネ目の女」とあだ名された女子がいました。あだ名は数あれど、見た目を良く表現した命名に、私は文字通り「膝を打った」ものです。このブログでは、以下「きつねさん」と書きます。もちろん、そのきつねさんもG・C組の生徒など小ばかにして、口もきかず目も合わせない状態でしたし、私も「雲の上の人」と感じていました。
そんな学習塾に、6年生4月時期たくさんの生徒が入塾してきました。そこには、このブログで便宜上「たぬきさん」と呼ぶ女子がいました。顔は確かに若干たぬき系で、すらっとしたスレンダーな体格で、中性的な雰囲気だっと記憶しています。
この学習塾、塾生の成績向上と翌年度の生徒募集の広告的効果を狙って、夏季に勉強合宿を行うのです。シーズン外れのスキー用のホテルに大挙して出かけ、1週間も缶詰されて朝から晩まで勉強をするのです。それぞれ個室とはいかず、部屋は男女別の相部屋でした。それにしても、小学生を1週間そんな環境に置いて勉強させるのは、精神的にも肉体的にも厳しいですよね。中には体調を崩してしまう人もいました。
そして秋、新学期が始まると異変が起こりました。きつねさんがG組に移動になったのです。そして授業中もたぬきさんとのおしゃべりが止まらなくなったのでした。想像ですが、勉強合宿でおしゃべりなどし、個人的に親しくなったのではないか、と、考えられます。そのきつねさん、授業中のおしゃべりが止まらないばかりか、先生からの質問にも答えられないなど、頭まで悪くなってしまったかのように感じられました。
冬が始まる頃には、C組への移動も検討されたと聞いています。そんなきつねさん、K組所属の女子たちが受験するような学校を受験せず、たぬきさんと同じ中堅校を受験すると聞きました。この年代の女子にありがちな、過剰な友達意識だったのかもしれませんね。
受験は1月末から3月はじめ頃まで行われます。塾ゆえ、受験時期終了後に授業はないのですが、「新中学1年生英語準備講座」が催されていました。実質、6年生で進学先が決まった生徒たちで埋め尽くされていましたが、中には高校受験準備のために入塾した人もいました。そんな中に、たぬきさんの姿はありましたが、きつねさんの姿はありませんでした。噂によると、
・きつねさんは、志望校はもちろんのこと滑り止め校も全滅し、泣きながら報告に来ていた
・たぬきさんは、志望校に合格していた
さらに、
・実はたぬきさんはきつねさんのことを嫌っていて、きつねさんと同じ学校に行かないことになり、せいせいしていた
・たぬきさんは、英語準備講座で別の女子とおしゃべりをしていた。
私は完全に傍観者ながら、この背筋が寒くなるような事実に「女子同士の関係」への恐怖を感じたのでした。このこととは別に、学校でも女子同士のつながりに違和感を感じていたものですが、どの環境でも変わらないのですね。おそらく、この時の「親、先生世代」でも似たようなことがあったのでしょうし、私よりも下の世代でもあることでしょう。もう、普遍的な出来事だと思います。
「どうせわかるだろうから」と、親も先生も教えないのかもしれませんが、せめて親はこのような事実を子に伝えても良いのではないでしょうか。中には自死を選んでしまう子もいるかもしれません。
この後、私はきつねさんにもたぬきさんにも合っていません。それぞれ、どんな人生を送っているのかは、わかりません。また、どちらの方も、本名を忘れてしまいました。おそらく、以後私の人生でも会うことはないことでしょう。
しかし、中学校が志望校にならなかったとしても、いくらでもやり直しがききます。きつねさんの逆転は十分可能でしたし、たぬきさんもうかうかしていれば、あっという間に劣等生です。また、仮にきつねさんとたぬきさんが同じ学校に通っていたとしても、3ヶ月後にはそれぞれ別の友達と仲良くなることも考えられます。
それだけ実はあいまいな「友達関係」です。親や学校の先生は「一生の友達」などと嘘くさいことを言わずに、
「友達は、その時その時で変わっていくことがある」
「受験や就職に、友達はない」
「友達とは並列した人生を送ることはない」
と、本当のことを教えてくださいね。
そうしないから、「ママ友」や「同窓会マウンティング」などの面倒なトラブルが起こるのではありませんか。
Posted at 2022/02/13 22:05:24 | |
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