
皆さん、学生の頃に書いた作文の類で何を書いたか、覚えていますか?私はほとんど覚えていません。唯一、小学生の時にあった、「教科書に示された絵地図を基に、物語を創作する。」というもので、あとは全部忘れました。しかし、県東部の小学校でまとめた作文集に書かれた、名前も知らない子が書いた作文は、当時から今まで忘れたことがありません。
作文の内容
筆者は女の子で、ある日友達と屋外で遊んでいました。そこで、友達は持っていたものを側溝に落としてしまい、取ろうと側溝のふたを持ち上げたのでした。
しかし側溝のふたは思っていたよりも重く、力が足りずにふたを落としてしまいました。落としたふたで手を挟んでしまい、出血してしまいます。血が止まらず、どうして良いものかと皆で悩んでいると、おじさんが近づいてこう言いました。
「血を出しちゃえば大丈夫だよ」
おじさんはその場を立ち去り、血を出し続けましたが止まりません。そこへ筆者のお母さん(医療関係者?医療業務経験者?)が通りかかり、友達を病院へ連れて行きました。友達は傷口を数針縫うほどのけがでしたが、無事でした。
筆者は、「お母さんはすごいな」、と思うのでした。
私の感想
小学生の作文としては、よくある文章です。私の心に残ったのは、この「おじさん」です。「血を出してしまえばよい」、というのは、一体どのような理屈なのか、いや、私自身もけがをしたときに、血を出していくうちに痛みを感じなくなった経験はあります。
後で知ったことですが、出血が続くと脳内に麻薬が出るとかで、痛みを感じなくさせているとのことです。しかし、痛みを感じなくなるだけでけがが治ることはありませんよね。
後年、救急医療ものドラマを見ていると、まあそんなこともありました。
「事故などで腹部に衝撃を受けた救助者が、当初は元気にしていたものの突然を意識を消失、調べると体内で出血していることが判明。緊急手術をすると腹腔内は血液で一杯、血液を吸引しながら出血個所を探しても見つからない、そうこうしているうちに患者は心停止、一体どうする主人公!仲間の助けを受けて、出血個所を縫合、危機を乗り越えるのだった。」
上記の作文筆者の友達のけがとは、全く違う事象ですね。同列にすることは出来ません。
すなわち、おじさんは年長者ながら、出血のメカニズムや現象、対処方法を間違って覚えているということです。当時子供だった私は、
「たとえ大人や年長者でも、何でもかんでも正確に知っているわけではないんだな。」
と考えるようになったのでした。
しかし、その「おじさん」は、もしかしたら
「営業成績ナンバー1で、同業他社からも一目置かれる営業マン」
かもしれませんし、
「経営難に陥った企業を何社もサルベージする、プロ中のプロ経営者」
かもしれません。
また、おばさんやおじいさん、おばあさんも多数その場を通りすがりながら、「忙しい」を理由にして見て見ぬふりをして立ち去っていたかもしれません。まあ、おじさんは少なくとも医療関係者や消防救急関係者、危険が伴う作業従事者ではないでしょうね。
大人や年長者でも、「事業従事者」はいても、「プロフェッショナル」と言えるような人はなかなかいないのが事実です。
私は以後、近親者、教員、学校の先輩、職場の上司、研修会などの講師、テレビに出演する著名人を含めて、
「言っていることが正しいかどうか自分の中で検討し、正しいと判断した場合のみ、気を付けながら採用する」
ようにし、自分自身は「努めてプロフェッショナル」となるべく行動しています。
Posted at 2022/05/28 23:21:09 | |
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