
アルバイトの記憶 スペード社シリーズ
1シーズン目は、実質2月3日から本格的な勤務を開始しました。朝会社を出て夜帰社なので、同じアルバイトはもちろんのこと、職長や監督社員さんと会話をすることはありませんでした。座る席もないほど人がいるのに、きわめて孤独な職場でした。
そしてその週の後半、おそらく2月6日か7日は、帰宅途中にSM社のお店に寄りました。もとより乗換駅でしたから、大した手間ではありません。もちろんいつもの通り社員さんはいます。私が別のアルバイトを始めたことは、私を嫌っている大木という社員には秘密でしたので、大木さんがいないときに行ったと思います。
私は当時、スペード社の仕事自体には満足していましたが、どうにも
「この職場は、
人を人として扱っていないような気がする」
ことが不満でしたので、SM社の神さまとカッパさんに聞いてもらおうと思っての訪問でした。
まず、仕事の状況について聞かれます。
カッパ「moto('91)君、どんな状況で働いているの?」
moto('91)「人が多いので、まず、詰め所に行って立って仕事を待ちます。」
神「え?立って待っているの?」
moto('91)「ええ、そうです。同時期に勤務を希望した人が多いようなのです。」
カッパ「そうなんだあ。食事はついているの?」
moto('91)「いいえ、基本的には行った先で自分でお金を払ってどこかのお店で食べますが?」
神「そういう仕事って、飯付きなんじゃないの?」
moto('91)「そういう仕事って、何ですか?」
カッパ「給料は日払いだよね?」
moto('91)「10日締めの25日払いですよ?」
カッパ「そうかあ。moto('91)君、かっこつけてスーツなんか着なくったって良いのに。どうで作業服に着替えるんだから。」
moto('91)「え?言っていることがよくわかりませんが?」
カッパ「どうせさあ、「あるよあるよ、仕事あるよ。飯付きだよ。日払いだよ。」って言っている人について行って、現場で働いているんだろ?」
ここでようやく、二人は私が日雇いで土木建設作業をしているものだと、勝手に思い込んでいることに気づきました。
神「そんな職場、雇われ人を人間扱いしないに決まっているじゃないか。」
moto('91)「いや、その、あの」
まったく、神様もカッパさんも、ウイット?がきいた話し方をするものです。最も、こういう話し方は男性のみの、「オールド・ボーイズ・ネットワーク」ならではのもので、男女均等職場には向かない話し方です。こういう話し方は、楽しいことは楽しいですが、将来にわたって浸かっていてはならない雰囲気です。これか脱却したく、私は別の職場でも働くことにしたのではなかったでしょうか。
しかし、翌日のSM社での勤務の際、私が別のアルバイトをしていることがさっそく店長の耳に入り、
店長「moto('91)君、君、日雇いのアルバイトをしているんだって?そんなところさっさとやめて、うちだけにしなよ。」
と、言ってくるのでした。
不満はありつつも、このようなフランクな点がSM社の良いところでした。この雰囲気をスペード社にも持ち込みたかったと思いつつ、業務内容の違いでそれは難しかったのです。しかし、私がスペード社を退職して1年が経過する頃から徐々に近代化され、体制はそれほどしっかりはしませんが、フレンドリーな雰囲気も消えていくのでした。
Posted at 2025/08/12 00:03:18 | |
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