2020年11月14日
2021年3月期 第2四半期決算資料からマツダの行く末を考えてみた
先日11月9日(水)にマツダは2021年3月期 第2四半期決算を発表した。
その中で私を含め多くの人々が驚いたのは欧州市場でのヤリスTHSをベースとしたモデルをOEM受給し販売予定とあったことだ。
今まで北米市場にてマツダ2をヤリスとしてトヨタとの協業の一環として販売していたことは周知のとおりだ。しかし、今回はその真逆である。
この先2年において、欧州市場でヤリスをベースとしたモデルとなると現行ヤリスであることは言うまでもないが、果たして社内で開発途中の次期マツダ2を諦めるだろうか?私はそうは思わない。
確かに100%あり得ないかというとそうではない。マツダの業績いかんではあり得ることではある。
しかし、国内での軽自動車の販売台数からすれば、劣るが、世界市場においてマツダ2も重要なモデルである。あれだけ利益の大きな高級車を販売しているメルセデスやBMWですらこの数十年の間にCセグメント市場に新車を投入するのはやはりそれだけの意味があるからだ。セグメントの小さいモデルは利益は少ないが、工場の稼働率が上がりことやブランド力の向上に繋がることは言うまでもない。しかし、その重要なモデルを他社のモデルに頼るのはきっと社内では大反対が起きるのではないだろうか?
さて、冷静に見てみると、ヤリスTHSについて、「2021年3月期 第2四半期決算」の資料を見てみると「トヨタ自動車との協業強化による規制強化への対応」という中でのことで欧州市場のみの記載である。ということはマツダ2と併売をしながら、ハイブリッドモデルを販売してマツダのCO²の排出量を減らし、「電動化」することによってマツダのブランドを維持するための方策ではないだろうか?また、資料にはsmall群横置きアーキテクチャー、直列4気筒は導入完了としていることからもマツダ2は必ず次期モデルがスタンバイしていると信じる。
さらに今回の決算資料には記載は全くないが、今週、ニュースになった「クラウンのセダンの廃止」の報道はかなりの衝撃であった。

しかし、この報道の取材源がはっきりしない。トヨタ本社が流したわけではない。しかし、クラウンの販売が芳しくないのはなんとなくわかる。とはいってもこちらのような地方では新型のクラウンはよく見かける方なのだが‥‥。
どのネットニュースでも要はセダン市場の縮小による国内専用車種は今後は難しいということを言っている。以前スクープ雑誌では、クラウンのFF化を何度か掲載していた。カムリなどのモデルと姉妹車になるということである。確かに以前デビュー後のカムリがヒットしているという報道を見かけた。このカムリと車台を共用して販売するという方策はありだろう。
しかし、クラウンはトヨタが提案するオーナードライバーズカーであり、高級車である。しかし、レクサスブランドがある今、その意味や価値を失いつつあるのもまた事実だ。また、GA-Lプラットフォームはクラウンを含めレクサスLSとLCも使用されている。つまりこの車台はわずか3車種しか使用されていないのだ。(スープラはBMWZ4 と共用)

もう一つ気になるのは、レクサスISも既に7年が経過しているのだが、大幅改良をして現行モデルを延長してきた。ISは、従来のNプラットホームとなれば、トヨタFRの新しいアーキテクチャーを多くの車種に採用できない状態になっている。
つまり、開発費用に比べ、販売台数が減少している今、利益を回収できないのではないだろうか。

そこでマツダの存在だ。マツダは今回の発表でlarge群の直列6気筒、縦置きのアーキテクチャーを2022年までに投入するとしている。
ということは…マツダのFR車は少なくともマツダ6、CX-5、8、9 といった大型の車種だろう。CX-5 は私にはサイズを大型にするのは懐疑的なのだが、しかし、北米でのトヨタの協業強化として「米国新工場で生産する新型SUVに、THS(トヨタハイブリッドシステム)を搭載し販売予定」であることを発表している。
つまり、SUVで既にFR化したモデルをトヨタと販売することが決定しているのだ。それもハイブリッドだ。
となれば、この縦置きアーキテクチャーはセダンに転用できるわけでマツダ6、クラウン、レクサスLSと姉妹車に可能性を含んでいる。さらにレクサスISも同様の可能性があると考えられる。
今回のクラウンの生産中止は、現状での利益回収ができなくなったことや、新型を投入するまで販売を継続することが難しいからではないだろうか?
今回の決算報告からは様々なマツダの未来を考えることができる。確かに現状は赤字であるが、他社とはまた違った未来が見えると思うの私だけだろうか?
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Posted at
2020/11/14 19:12:34
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