2017年01月04日
今朝、懐かしい?顔がニュースに出ていた。その顔とはマークフィールズフォード社長だ。
しかし、その顔は今一つさえない表情だった。
ニュースの内容は次の通りだ。(朝日新聞 デジタルより引用)
米自動車大手フォード・モーターは3日、メキシコに新工場を建設する計画を撤回すると発表した。トランプ次期米大統領は海外に生産拠点を移す米製造業の動きを再三批判しており、フォードの判断には同氏の意向が影響したとみられる。
発表によると、当初はメキシコに小型車を生産する工場を16億ドル(約1900億円)で建設する予定だったが、これを取りやめる。かわりに米ミシガン州内の既存工場に7億ドルを投じ、700人の新たな雇用を創出するという。マーク・フィールズ最高経営責任者(CEO)は記者会見で、「トランプ氏による企業の成長を促す政策に後押しされた」と語った。
昨年4月、フォードが新工場建設の計画を発表した際、大統領選で共和党の候補者指名争いをしていたトランプ氏が「恥知らずだ」と同社を名指しで批判した。
この記事の最後にはGM(ゼネラルモータース)も同様に批判をされており、現在メキシコ工場で生産されている小型車に高い関税をかけるべきだと発言しているようである。
しかし、主要メーカーが国内での生産を進めるとどうなるだろうか?
私は疑問に思う。
米国での国内生産は確かに雇用を促すと思う。
しかし、人件費が高くなる結果、自動車のコストが上がり、価格に影響する。
その結果メーカーはより利潤を生む高級車にシフトをするはずだ。
そうなってくると日本車だけでなく、韓国・ドイツ・フランス・イタリアの高級車やスポーツカーとさらにバッティングをすることになる。
そうなるときっとアメリカは国内での生産車を有利にするために輸入車に関税をかけることだろう。
さらには交渉術に長けるトランプ氏のことだ。今度はアメリカ車優位の輸出ができるよう日本をはじめ他国にプレッシャーをかけると思う。
しかしこれは非常に危うい政策ではないかと思う。
というのも小型車では、今までアメリカ車の優位性は薄れてきたため、日本・韓国車が、台頭してきたのだ。従ってこの小型車市場では簡単にアメリカ車にシフトできるとは思えない。(コストを下げられないからメキシコで生産していたはずだ。)
また高級車市場においても、アメリカ市場では決して利潤はあってもそう長期的に拡大できるとは思えない。ましてや、欧州車や日本車の信頼性は長い間確立をされてきている結果、アメリカのユーザーに魅力的に映るだろうか?
その場主義のような危険性があるように思う。また下手をするとアメリカの自動車企業をさらに追い込む結果につながらないだろうか?
追記
説明不足もあるかと思ったので重複するが捕捉しておきたい。
小型車というのは庶民の車である。アメリカの3大メーカーは他国(日本・韓国など)の車と同等かさらに安価に生産するためにメキシコに工場を作ったはずだ。
これをシャッタアウトするとなるとメーカーは小型車市場では太刀打ちできなくなり、利益を求めて高級車市場に絞って開発するはずだ。
ではキャデラックやリンカーンと言った車がベンツやBMWのように売れるだろうか?
※ アメリカの車が悪いというのではなく、それまで他国の車に移行したユーザーが簡単に買い換えるかというのが疑問なのだ。
果たしてこのトランプ次期大統領の政策はうまくいくだろうか・・・?
Posted at 2017/01/04 22:34:29 | |
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自動車産業 | 日記