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タケラッタのブログ一覧

2022年11月30日 イイね!

マツダの中期経営計画と、謎のスポーツクーペ

マツダの中期経営計画と、謎のスポーツクーペ昨日のブログで RX-8 に関して書いたばかりですが……


なんか、Carviewの記事で「ロータリー復活論」なる記事が出てましたねぇ。


ロータリー復活か……2015年の東京モーターショーで展示されたRX-VISION の話がポシャってから、全然聞かなくなってたけどねぇ。


CX-60で盛り上がる「ロータリー」復活論


何でも、今回のロータリー復活論は、今年の6月に発売された CX-60 の存在が背景にある様です。





CX-60 は、新開発の直6エンジンを搭載する「ラージ商品群」の第一弾で、FRプラットフォームを採用しています。




マツダのロータリーエンジン搭載車は、1967年に発売されたコスモスポーツから、2012年に絶版になったRX-8まで、一貫してFRレイアウトを採用していました。


RX-8が絶版となってからは、基本的にマツダのプラットフォームは横置きFF車ばかりとなっていましたから、「新たにFRプラットフォームが開発された」事によって「ロータリーエンジン搭載車の復活」と思いたいのでしょうが……ちょっと短絡的過ぎる気がしますねぇ。


そもそも、”FR””直6エンジン” の「ラージ商品群」そのものの将来すら怪しい気がします。





マツダのラージ商品群に関しては、だいぶ前から「マツダが直6エンジンを搭載したFR車を開発している」という噂が出ていました。(噂っていうか、半ばメーカー関係者が公言していたような…)


現行のMAZDA6が 2019年にアテンザから名称変更された時も、本来ならマイナーチェンジではなく、この直6+FRのプラットフォームを用いた新型車で出したかった筈です。


そういえば、当時の藤原副社長が「ラージプラットフォーム投入の後ろ倒し」についてコメントしていたな。(ただ、その時は2021年に投入って言ってたんだけどねぇ)


私は、直6+FRレイアウトに期待していたんですよ。


当時は、世界の高級車に直6回帰の流れもありましたから…。(メルセデスが6気筒エンジンをV6から直6に変更したし、BMWのM3も V8から直6に戻しました)


しかし、今では メルセデスは BEV へと加速、エンジン車はAMGですら 直4 2.0ℓ+ハイブリッド(C63)となり、多気筒化は時代遅れになりつつあります。


マツダは 直6エンジンを出すのが遅過ぎました。


2019年の時点でも、既に機を逸していたんです。


CX-60 は出したものの、MAZDA6は出せないんじゃない?





実際、マツダも従来の「中期経営計画」を見直し、電動化の加速を発表しています。


マツダらしく、BEVに特化とは言わないものの、30年時点でのBEV想定比率を従来の「25%」から「25~40%」として上方に幅を持たせました。



マツダの会社規模では、右側の内燃機関に掛ける開発費は絞らざるを得ないでしょう。


そして、そこに SKYACTIV-R の文字は無いのですよ。


「ロータリーエンジン搭載車の復活」は難しいと思います。





さて、そんな「中期経営計画」の中で、さりげなく出した写真の中にとんてもないモノが含まれていました。



一体、何ですか、このスポーツクーペはっ!


全体的なラインは FD3Sを思わせますし、丸が2つ重なったようなブレーキランプは NAロードスターの様でもあります。




メッチャっカッコいいし、コイツにロータリーエンジンを積んでくれればって思っちゃいますが……まぁ、無いんだろうな。


通常のエンジンを搭載するスペースは無さそうなので、普通に考えれば EVスポーツででしょうね。


もしかしたら、レンジエクステンダの発電機として REが載るかもしれんが……それじゃあ「ロータリーエンジン搭載車の復活」とは言えないからねぇ……。





ところで、ロータリーエンジン車の復活は無くても、他の復活劇が見られるかもしれません。


それは……





リトラクタブル・ヘッドライトの復活!




やっぱ、マツダって変態なメーカーだなぁ……。(笑)
Posted at 2022/11/30 23:33:53 | コメント(1) | トラックバック(0) | MAZDA | 日記
2021年07月04日 イイね!

蘇るロータリーエンジン「フェニックス計画」

蘇るロータリーエンジン「フェニックス計画」オイルショックによって石油が貴重品となると、燃費のよくないロータリーエンジンは“ガスガズラー”と言われて非難される状況になりました。


国内外で在庫車を抱える状況になり、経営状態も悪化していきました。


オーナー社長が退き、メインバンクの住友銀行が主導して経営改革が行われます。


それでも、「アメリカでのスポーツカー需要に応えるためにはロータリーエンジン車が必要」との判断で、ロータリーエンジンの開発は継続されました。


1974年、ロータリー復活の為、燃費を40%改善するための5カ年計画「フェニックス計画」が立てられたのです。






ところで、ロータリーエンジンは何故 燃費が悪いのか?

それは、ロータリーエンジンの構造に起因するものがあったのです。



1. 冷却損失

内燃機関は、燃料を爆発させて、そのエネルギーを動力源としています。

爆発エネルギーをどれだけ動力として利用できるかについては『熱効率』という言葉で言い表します。

逆に言うと、熱損失が大きいエンジンは効率が悪い事になります。

熱損失を減らすには、燃焼室の表面積を小さくした方が良いのですが、ロータリーエンジンは平べったいハウジング形状をしており、熱損失は大きいのです。



2. シール部の摩擦損失

レシプロエンジンにおいて摺動部で接触しているのはピストンリングだけです。

しかし、ロータリーエンジンでは、「チャターマーク」や「カチカチ山のたぬき」のところでも述べたように、アベックスシールとローター側面をシールするサイドシール、そして ローター内部のオイルシール(Oリング)があります。

しかも、サイドシールやオイルシールは接触面が長いため、摩擦損失は大きくなるのです。

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3. 排ガス対策

HC(炭化水素)排出量の削減の為、サーマルリアクター方式を取りましたが、サーマルリアクター内でHCを再燃焼させる為に、空燃比を濃い状態にする必要がありました。

濃い空燃比=ガソリン量を増やすのですから、当然 燃費は悪くなります。





これら ロータリーエンジン特有の問題を抱えている上、ロータリーエンジンはマツダだけで改良しなければならないと言う事も、問題解決を難しくしていました。


レシプロエンジンは、長年に渡って世界中の自動車メーカーによって開発、熟成が進んだエンジンです。


ロータリーエンジンは新しい技術であり、しかも 改良を行うのはマツダ1社のみなのですから、レシプロエンジンに追いつくのは並大抵の事ではありません。







しかし、マツダのエンジニアは諦めませんでした。


シール部の性能向上やサーマルリアクターの性能向上、また 一般の車と同様 低速トルクを向上させるなどの対策により、1978年に発表された初代RX-7(サバンナRX-7:SA22C)では、目標の40%の燃費削減を達成したのです。




マツダはなおも改善の手を緩めず、1979年にはサーマルリアクター方式から希薄燃焼方式+触媒方式に変更、1982年には6PIエンジンに変更され、10モード燃費は10.2km/ℓと、遂に10km/ℓの大台を超えたのでした。






また、RX-7は 当時の排ガス規制で牙を抜かれた車ばかりだった国産車の中で、突如として現れたスポーツカーでした。


リトラクタブルヘッドライトを採用した低いノーズと、それに続く流麗なボディラインもあって、初めて見た時は、衝撃を受けましたね。




SA22C は、アメリカではプアマンズ・ポルシェと呼ばれましたが、FC3S、FD3Sは、ポルシェとも対等に渡り合える車となっていったのです。




ロータリー47士を率いた山本さんもそうですが、RX-7に関しては ミスターRX-7、コビーこと小早川隆治さんや、上の写真にも写っている貴島孝雄さん(貴島さんは ミスター ロードスターかな?)といった、有名なエンジニアの名が思い浮かんできます。


こういう、開発者の顔が見える…っていうか、開発者の思いが感じられる車って好きなんですよね。



後列左から3番目が貴島さん、その右が小早川さん……あっ、その隣にはポール・フレールさんもいるっ!




そして、ロータリーエンジンは 1991年に日本車として初めてルマン24時間レースを制したのです。




4ローターのエキゾーストノート、最高です!








2013年、RX-8の生産終了で 1968年から生産を開始したロータリーエンジンは一旦ピリオドを打ちました。


しかし、数々の苦難を乗り越えてきたロータリーエンジンが再び蘇る事を、プロジェクトX の再放送を見て強く願いました。


マツダさん、頑張って!
Posted at 2021/07/04 19:40:15 | コメント(1) | トラックバック(0) | MAZDA | 日記
2021年07月04日 イイね!

ロータリーエンジンの受難

ロータリーエンジンの受難今日も雨が降り続いています。


このところ降り続いた雨で、かなりの量の水を含んだ地盤は、いつ崩れてもおかしくない状態かもしれません。


実際、昨日も市内で斜面の崩落も起きていますし……


下の写真の様にはなりたくないので、今日も一日 家の中で大人しくしております。




と言っても、あんまりやる事ないので、ちょっと前にブログネタにしたロータリーエンジンネタの続きでも書いてみる事にしました。







マツダが、世界初の実用・量産ロータリーエンジン搭載車としてコスモスポーツを発表、それは 本家のNSUも実現できなかったものでした。


マツダは、コスモスポーツ以外にもロータリーエンジン搭載車を増やしていきます。


ファミリア



カペラ



ルーチェ



サバンナ





中でもサバンナは、当時、圧倒的な強さで49連勝していた GT-Rを止めた車として有名です。



ただ、実際には 1971年12月12日に行われた第6回富士ツーリストトロフィーレースで サバンナがGT-Rを破る以前に、8月15日に行われた富士GC第3戦富士500キロスピードレースで カペラロータリー(ドライバーは寺田陽次郎)が、46連勝中だったGT-Rに勝利していたそうです。


この時の日産側の主張は「日産ワークスが参戦していないため、ハコスカGT‐Rの記録の中に含まれない」だったそうですが、そうすると(=日産ワークスの戦績だけだと)それまでのGT-Rの連勝記録数も49よりもずっと少なくなるのですがねぇ。






上記のマツダ車の活躍から、ロータリーエンジン搭載車の性能の高さがうかがえますが、その一方で ロータリーエンジンは低公害エンジンともみなされていました。


アメリカで排ガス規制が始まるとロータリーエンジンは NOx排出量が少なかったこともあり、トヨタもロータリーエンジンに注目し、2ローターの試作エンジンまで製作していたのです。







かように夢のエンジンぶりをみせるロータリーエンジンは、当然の様に他社も開発に乗り出します。


そして、実際に車に搭載して走行試験まで行っていたのがメルセデスであり、日産でした。


メルセデスは 3ローター/4ローターのロータリーエンジンをミッドシップに搭載した C111を発表。


1969年のフランクフルトモーターショーで3ローターエンジンを搭載した 初代 C111を発表。





翌1970年のジュネーブモーターショーでは、4ローターエンジンを搭載した C111-Ⅱが発表されました。







一方、日産は 1972年10月の東京モーターショーにロータリーエンジン搭載車を出品。




2代目シルビアには、このロータリエンジンが搭載されて市販される予定になっていたのです。








しかし、前述のトヨタを含めて、ロータリエンジンを搭載した車は市販されることはありませんでした。


まずは排ガス規制です。


確かにロータリエンジンは NOx排出量は少ないものの、HC(炭化水素)は多い傾向にありました。


1970年にアメリカで大気浄化法改正法、いわゆる「マスキー法」が可決されると、低公害エンジンから立場が一転し、「(HCの排出量の多い)ロータリーエンジンが米国を走ることはないだろう」とまで言われたのです。


この難題に、マツダは HCに空気を加えて再燃焼させる「サーマルリアクター方式」を採用、1973年にマスキー法をクリアしてみせました。


なお、日本の低公害優遇税制適用の第1号となったのは、この「サーマルリアクター方式」を採用したルーチェAPでした。








しかし、マツダには更なる苦難が待ち受けていました。


1974年、世界を第一次オイルショックが襲ったのです。


日本では石油と関係のないトイレットペーパーすらも不足したオイルショック。




価格が跳ね上がった、貴重なガソリンを浪費する燃費の悪い車など売れるわけがありません。


これは、マツダ以外のロータリーエンジンを開発していたメーカーにも直撃しました。


メルセデスは C111-Ⅱの4ローターエンジンから一転、ディーゼルエンジンに切り替え、3.0L直列5気筒ターボディーゼルエンジンを搭載したC111-ⅡDとなりました。


(実際には、ロータリーエンジンの問題を克服できず、それ以前にロータリーエンジンの開発を中止していたようですが…)


日産も 2代目シルビアに平凡なレシプロエンジン(直4 1.8ℓ)を搭載して発売せざるを得ませんでした。




マツダ以外はロータリーエンジンを諦めたものの、マツダにとってロータリーエンジンは命綱ともいえる技術です。


ここから、マツダ技術者の孤軍奮闘が始まったのでした。
Posted at 2021/07/04 17:09:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | MAZDA | 日記
2021年07月01日 イイね!

ロータリー47士(ロータリーエンジン開発物語) その2

ロータリー47士(ロータリーエンジン開発物語) その2 予想通りというか、この手の書き物になると、色々と内容を詰め込み過ぎて長文になる傾向があるタケラッタ。


今回もしっかり内容を詰め込み過ぎて、1回では収まりませんでした。(汗)






「チャターマーク」、「カチカチ山のたぬき」、「電気あんま」


ロータリーエンジンの量産を阻む、幾多もの問題を解決すべく、ロータリーエンジン研究部が発足します。


松田社長からRE研究部長を任命されたのは山本健一氏、後の三代目山口組若頭にして、山健組初代組長……、じゃなくて!


後にマツダ5代目社長となった方であります。




ロータリーエンジン研究部には、既存車種の開発を担うベテラン社員ではなく、若手社員総勢47人が集まりました。




この47人という人数から、赤穂浪士にあやかって『ロータリー47士』と呼ばれる様になりました。


ロータリー47士は、文字通り“寝ても覚めても”ロータリーエンジンの問題解決について考えていく事になったのです。







チャターマーク

NSUから送られてきた試作エンジンは、ベンチでの試運転中に突然停止しました。


エンジンをばらすと、ローター内の壁面に波状の摩耗が起こっていたのです。



これが“チャターマーク”、別名「悪魔の爪痕」です。


様々なテストを実施した結果、単に高回転で回すだけなら、然程 問題は発生しないものの、実際の走行条件に合わせて回転数を変化させると問題が発生する事が判明します。


マツダがライセンス契約するとき、NSUによるデモンストレーションでは エンジンを一定の高回転で回して「ほら、こんなに振動が少ないでしょ」と自慢していたそうですが……


当時、著名な学者の中には「ロータリーエンジンは絶対に不可能だ」という烙印を押す者さえおりました。


そんな厄介な代物、ロータリーエンジンの息の根を止めるチャターマークは、アペックスシールの固有振動数が原因ではないかと思い付き、アペックスシールの改良によって問題解決を目指す事になります。


アペックスシールに穴を開けてみたり、材質の見直しを行ってみたり……試した材質は 動物の骨 から 貴金属 までに及びました。


そして、アペックスシールに縦と横に穴を開ける「クロスホロー」、そしてカーボンにアルミを混ぜたカーボンシールによって、遂にチャターマークを克服したのでした。






カチカチ山のたぬき

試作車に積まれたロータリーエンジンがテストコースを走りだすと、もうもうと白煙を吐き出しました。


まるで、お尻に火が付いたような状態で走るテスト車。


その様子を見た技術者たちは「カチカチ山のたぬき」と名づけました。


白煙の原因は、燃焼室内に漏れたエンジンオイルが燃焼したからなのですが、それじゃ何故オイル漏れするのか?


要因は色々とありました。


ロータリーエンジンの肝とも言える繭型ローターハウジングとローターとの気密性も勿論 要因の一つではありましたが、主要因はサイドハウジングの方でした。(アペックスシールに関しては、チャターマークの問題の方が大きかった)


まずは、オイルシールでの気密性を確保するにはサイドハウジングの平面度が必要です。


加工精度、そして 耐摩耗性も製品寿命が尽きるまで確保出来ねばなりません。


しかしながら、一番の問題はオイルシールそのものでした。


本家 NSUのシール方法では上手くいきません。


マツダは、Oリングを追加、しかもその材質にゴムを使うという、常識外れの手を使ったのです。



常識的な考えでは、高温になるエンジン内部にゴム製パーツを使っても融けるだけ。


しかし、ゴム製Oリングは融けませんでした


燃焼室はともかく、ローターの中心付近は 意外と高温になっていなかったのです。


これにより、エンジン内部のオイル漏れ「カチカチ山のたぬき」問題も解決されたのでした。







電気あんま

「チャターマーク」、「カチカチ山のたぬき」と問題を解決していったロータリー47士に、最後の難問「電気あんま」が立ちはだかりました。


電気あんまとは、異常燃焼によって発生する振動問題で、さながらドライバーは運転中に電気あんまを掛けられているかのような振動にさらされていたのです。


量産されたロータリーは、レシプロエンジンに比べて振動の少ないエンジンとなっていましたから、「ロータリーエンジンで振動?」と思われた方も多いかもしれません。


また、NSUが開発に成功した“ヴァンケルエンジン”は、レシプロエンジンに比べて「振動が少ない」という触れ込みでした。


しかし、実際には低速時には上記の様な異常な振動があったのです。(NSUがデモンストレーションでは高回転で回していたのは前述の通り)




振動の原因は、吸気ポートと排気ポートが同時に開くオーバーラップによって燃焼が不安定になった事でした。(低回転域では、高温な排ガスと吸入された混合気が混ざる為、燃焼が不安定になり易い)


吸排気のオーバーラップを調整すると言っても、4サイクルレシプロエンジンの様なバルブが存在しないロータリーエンジンは、容易に吸排気のタイミングを変える事など出来ません。


しかし、マツダは発想の転換でこれを解決します。


給排気ポートはローターハウジングの内周面にあるものと言う常識から離れ、サイドハウジング側から吸気する事としたのです。(ペリフェラルポートから サイドポートへの変更です)




ちょっと上の図では判り難いので、RX-8に搭載された 13B-RENESISの説明図も貼っておきます。



上図は排気ポートのサイドポート化の説明ですが、NSUのオリジナルは両方ともペリフェラルポートだったので、オーバーラップが非常に大きかったのです。




吸気側をサイドポートとすることで燃焼は安定、また量産エンジンを2ローターとしたことで、振動はさらに安定しました。


三角形のローターなので、1回転する間に 各辺で爆発(燃焼)する為、3回の爆発が発生、2ローターなので6回爆発する事になります。


これって、完全バランスと言われる直列6気筒エンジンと同じですからね。(まぁ、そもそも ロータリーエンジンは始めから回転運動なので、完全バランスもクソも無いんですが……)







実用化に向けての 様々な難題を解決し、遂に世界初の実用・量産ロータリーエンジン搭載車としてコスモスポーツはデビューしたのでした。



それは、プロトタイプが 1964年の東京モーターショーで発表されてから3年後、1967年5月の事でした。


マツダ以外には、世界中のどのメーカーも成し得なかったロータリーエンジンの量産化。


コスモスポーツの登場によってマツダは技術力を示し、3輪トラックメーカーに過ぎなかったマツダは、トヨタ、日産に次ぐ 国産自動車第三位のメーカーとなっていったのです。







ちなみに、世界初のロータリーエンジン搭載車は、本家 NSUのヴァンケル・スパイダーです。



しかし、NSUはオイル消費量やアペックスシールの問題が解決できておらず、実用・量産という意味ではマツダ(=コスモスポーツ)に遠く及ばない代物でした。


NSUは Ro80という、ロータリーエンジンを搭載した4ドアセダンも出しますが、依然として問題解決には至っていませんでした。




Ro80は、オイルシール不良によるエンジン交換などのトラブル対応に追われ、会社経営を圧迫。


遂には、1969年にVW傘下のアウトユニオン(現在のアウディ)に吸収され、消滅しました。


もしマツダがロータリーのエンジンの開発に成功していなかったら、NSUと同様に、トヨタあたりに吸収されて消滅していたかもしれませんね。
Posted at 2021/07/01 22:31:22 | コメント(0) | トラックバック(0) | MAZDA | 日記
2021年06月30日 イイね!

タケラッタ版、「ロータリー47士(ロータリーエンジン開発物語)」

タケラッタ版、「ロータリー47士(ロータリーエンジン開発物語)」昨夜、NHK BSプレミアムで再放送された プロジェクトX「ロータリー47士の闘い 夢のエンジン開発」を見ました。


まー、個人的にはDVDを購入しているので、いつでも見れるのですがね。


ただ、番組を視聴できなかった方が「ダイジェスト書いてください〜」と言ってきたので、ロータリーエンジン開発ストーリーを私なりに書いてみようと思います。






さて、”ダイジェスト…”とは書きましたが、タケラッタが書くのですから、プロジェクトXの内容そのままでは面白くありません。


また、プロジェクトXでは原爆投下で焼け野原となった広島の復活の象徴として描かれていましたが、この辺の感動秘話は やはり田口トモロヲのナレーションで見て頂きたいです。


中島みゆきの“地上の星”で始まり、“ヘッドライト・テールライト”で〆る、このセットでこそ得られる感動があると思いますので。


という訳で、このブログでは、あくまでロータリーエンジン開発に関してのみ書きたいと思います。






ロータリーエンジン開発物語。


実は、私が現在のような車好きになった重要な1ピースとなっているのか、マツダのロータリーエンジン開発物語なのです。


小学生の頃、近所の自動車修理工場(多分、マツダ車を扱っていたんだと思う)が無料で配っていた、ロータリーエンジン開発について書いてあるリーフレットを読んで感動したのを覚えています。


そのリーフレットに書かれていた事とは……






1960年代初頭、マツダ(当時は東洋工業)といえば3輪トラックの会社でした。




3輪トラックは、マツダ以外にもダイハツ・ミゼットなどがありましたが、これらは最近まで英国にあった免許制度や税制における三輪車への優遇措置もあったからではなく、オートバイ+荷台という簡単な構造によるものでした。


ただ、走行安定性を考えると難がある3輪自動車は一般的な4輪自動車に敵う訳もなく、マツダも4輪自動車へと移行していきます。








そんな東洋工業(車名はマツダでしたが、社名は前述の通り“東洋工業”)に会社存続の危機がやってきます。


昭和36年5月、通産省(現在の経済産業省)が国内自動車メーカーの再編案を打ち出したのです。


自動車の輸入自由化に向けて、競争力のある3メーカーくらいに纏めようというもの……、まあ通産省の本音は「トヨタと日産があればいい」くらいだったのでしょう。


当ブログでも取り上げていますが、この件ではホンダの本田宗一郎が猛然と反対、そして「この法律が出来る前に4輪自動車を作ってしまえ」と、軽トラックのT360や ホンダ初の乗用車S500を作ったのですがね。




一方の東洋工業はというと、こちらも昭和40年にようやくマツダ初の四輪乗用車として、前述のR360クーペを出したばかり……、法律が本当に施行されれば弱小メーカーの東洋工業は大メーカーに吸収されるしかありません。


危機感を抱いた当時の社長であった松田恒次の耳に、西ドイツのNSU(後にアウトユニオン:現在のアウディに吸収される)がロータリーエンジン(NSUはヴァンケルエンジンって言っていたと思います)の開発に成功したという話が舞い込んで来ました。


一般的なレシプロエンジンの往復運動ではなく、回転運動によって出力を得るロータリーエンジンは、その構造からも小型で高出力、そして振動も少ない、夢のエンジンと言われていました。


自動車業界再編を乗り切るには独自技術が必要と考えた松田社長は、NSUと技術提携を結びます。(なお、NSUには世界各国の約100社から技術提携の申し込みが殺到していました)






さて、無事にNSUと技術提携を結んだマツダのもとに、NSUから試作エンジンが送られてきました。



しかし、このエンジン、実は実用には程遠い代物でした。


エンジンを一定時間稼働させると、エンジン内壁面に異常な摩耗痕が発生しエンジンが止まってしまうのです。(いわゆる「チャターマーク」です)



実は、本家のNSUも、このチャターマークに関しては克服できていなかったのです。


その他にも、燃焼室にエンジンオイルが漏れ、そのオイルが燃焼する事でもうもうと白煙を吐く「カチカチ山のたぬき」、振動が少ない筈のロータリーエンジンも低回転時には激しい振動を伴う「電気あんま」など、量産するにあたっては解決せねばならない難題が山積していたのです。



-つづく-
Posted at 2021/07/01 03:08:53 | コメント(2) | トラックバック(0) | MAZDA | 日記

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