昨日の仕事帰り、ふらっと立ち寄った広島駅近くの大型書店。黙っていても自動車関連書籍のコーナーに足が向くのは…もはや40年来の習性であります(笑)。
そして、
MX-30 Rotary-EVを「これは十分ありだろう」と評してくれた『Motor Fan illustrated』最新号のEV特集を嬉々として(笑)手に取り、レジに向かおうとした私は、ふと別の冊子に目が止まったのです。
『Racing On Archives』のJTCC特集。
レース専門誌ならではの豊富な情報量と深い視点を武器に、その当時の詳細記事や網羅的な情報をベースにしつつ、今だからできる検証や振り返り、当事者の回想や証言まで加えたこのアーカイブ編。薄っぺらい懐古記事とは一線を画した読み応えのある内容に、ルマンやレーシングロータリーはもちろん、プロトタイプカーやツーリングカーなど、様々な特集に惹かれるたびに私は散財を繰り返してきました^^;。
今回のJTCC号も決して例外ではなく、主役級のマシン&チームのみならず、必ずしもそうでない集団まできっちり網羅。
当然ながら、鳴り物入りで導入した「V6エンジン+ランティス」のパッケージを「直4エンジン+ファミリア」にスイッチせざるを得なかったマツダスピードの苦悩の様子も、関係者の証言と併せ、詳細かつ客観的に記されています。
でもそれだけなら、レジに急ぐ私が二冊目として手に取ったかは正直ビミョーだったでしょう。しかし次の瞬間、私の目を釘付けにし、背中を強く押した見出しがありました。
・特別対談 中子修×本山哲
そうです、1997年のJTCC最終戦で発生した接触事故の当事者のお二人ですね。
厳しいペナルティ裁定も含め、当時かなり物議を醸した有名な事故でしたし、日本のトップカテゴリーで起きたあからさまな報復接触に、学生時代からの私のモータースポーツ熱が2段階くらい冷めた衝撃的な事件でもありました。
ただその当時も、周囲が想像するほど当事者同士の遺恨はないと伝えられ、私は早期収束を図りたい一部関係者が企んだ意図的な情報発信に違いないと苦々しく感じたものです。
あれから四半世紀。その後も折に触れ様々な媒体でこの件は取り扱われ、時間の経過とともにその論調も追及から擁護へと大きく変化を見せましたが、私は事故当時に感じたインパクトがあまりに強烈だったため、話半分にしか捉えられずにいました。
しかし、相応の年輪を重ねた当事者同士が、何れの陣営にも属さない中立的立場のレース専門誌上で、レースファンの記憶に残るあのアクシデントについてあらためて振り返る対談の意義は決して小さくなかったはず。
実際のところは今から4年前の対談の再録コンテンツでしたが、接触に至る伏線も含めた当時の正確な状況を包み隠さず語ってくれたお二人の勇気と誠実さのおかげで、私の中で多年にわたり燻り続けていた疑念や不信感にも、やっと区切りを付けることができた気がします。
マツダ陣営の厳しかった内情の話も含めて、今回のアーカイブ企画にあらためて感謝したい気分です(^-^)v。
Posted at 2024/01/12 20:03:46 | |
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