クルマまったく関係ありません。
いわゆる441系ミシンの情報がググってもヒットしないので調べた、誰かの参考になればと。ボディ同じで上下送り針送り下送りの411、421、471(順不同)については触れません。
ジューキTSC-441という総合送り腕ミシン。フトコロは40㎝くらいあり、1.5㎝厚が縫える極厚用。夏に米軍基地放出品がヤフオクでこんくらい入れときゃ落とせるやろ、があっさり高値更新やられたあとちっとも出ません。ジューキから買うとなると、台からモーターまでJUKI純正のセットでしか買えないし、革にはホントは向いていない。クラッチモーター使えんし、JUKIサーボは三菱サーボほど出来よくないし。
441形のミシンはJUKI以外にもたくさんあるんですが、アメリカで革ミシン化して人気です。具体的には送りや押えのギザで傷がつかないよう、小回りできるよう、押えがもっと上がるよう部品が変えられています。ジューキ純正には革用のそういった部品は存在しません。
アメリカはずっしりした拳銃のホルスターや、乗馬のサドルなど、ガチガチの厚い革、例えると大学ノート3冊重ねたのを縫っているみたいなもんで、革ミシンといってもお財布や靴、ハンドバッグメインな日本の状況とは全く違います。
SM系装具が気に入ったのがなく、性癖モロバレも困るから自分で作る、という方面から入るみたいなレザークラフト界隈。日本も表だってはそう見えないけどそうなのかなあ。
で、なんでJUKIはコピーを放置してんの?今世紀になって対中国ミシンメーカーで商標訴訟勝ったよね?
という疑問が沸くのです。
結論から言うと、
JUKIの441も元をたどるとパクリから始まっていた。だから丸パクリに文句は言わない、ただJUKIの名前をつけて商売すんのはダメ。
でした。
最初の441革ミシン化はFerdco/JUKI pro2000の名の通り、JUKI441を改造したやつでコピーではない。下送りがパテント、すぐベースが台湾製に変わりJUKIの名前が外され、21世紀になりFerdcoは消滅、中国441をベースに、パテント切れたFerdco部品を真似して組まれた441革ミシンがいろいろ買えるということになってます。
Ferdco 2000は針送り改造なんですが、普通の針送りでなく、下送りは縫材に接触せず針と中押えだけで送る仕組み。ガチガチの革でなければ無理&針ストローク長い=針長いからしならないぶっとい針使わないとうまく縫えない。まあFerdco2000は300機もないらしく見ることはないでしょう。
一方、441によく似てる205ってのがあり、Adlerが元。これのFerdco版は1900、数字が小さいのは若干縫える厚さで441に負けてる。この系統を真似たのがYakumo(中島製作所)で、まあこれはAdlerのコピーやわ、を示しているのがYakumo738はバッジ付け替えてアメリカで売られていたCh
an
dler 305-64って、Adler105-64の改良版ですよみたいな名前つけてたの笑う。
その後ロングアームYakumo 441ができ、島根ジューキ→吸収合併で441はJUKIになるという流れ。
本家Adlerのほうも205になってロングアーム化、これにそっくりなのがSeiko CH-8、釜は同じ。AdlerもSeikoもSingerがまだ元気だったころにまあフォードマツダみたいな関係になったときがあった繋がりなのかもしれん。AdlerはDurkoppと合併し高級産業ミシンメーカー、もう20世紀テクノロジーのミシンは作ってなくて、
基本ドイツの自動車メーカー向けに特化してる感じ。アパレルも重視してたわ。ただしカッチリ縫製向けでカットソーとかは頭になさげ。
JUKIも大量生産適応ミシン化が進んでるからもういいかげん441をやめるかな、という感じでしょうね。
205にも数は少ないけど中国コピー、改造革ミシンがあります。
結論としては、JUKI441はクローン元だけど、極厚物ミシンで革用ではない。オリジナルが偉いに決まってる、ってJUKI選ぶのはやや疑問、441改造・調整のノウハウやパーツはアメリカ発祥で日本のミシン屋からは得にくい。
Posted at 2018/12/23 21:21:04 | |
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ミシン | 日記