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2014年06月15日

スバル レヴォーグ(1.6GT-S EyeSight) 試乗

スバル レヴォーグ(1.6GT-S EyeSight) 試乗  この日の昼間はスカイラインのハイブリッドに試乗しました。しかし、借受時間が6時間になった上、一緒に行った人が「街遊び嫌い」ということもあり、午後3時には解散となりました。夏至も間近なこの時期の3時といえばまだお昼、時間を持て余した私は帰宅後に重ねて試乗に向かったのでした。

スバルレヴォーグ登場の背景
 レヴォーグは、レガシィの後継とされています。ボデー上方に向かってもピラーが倒れ込まなかったレガシィに対し、レヴォーグはかなり傾斜しています。肩が怒った印象で車体が大きく見えたレガシィに対し、レヴォーグは小さく見せることに注意を払っています。

実際のサイズはそれほど小さくなっておらず、イメージは旧型レガシィの(BL型)に近づいていますが、相変わらず3ナンバーサイズです。ステーションワゴンとは言っても荷物を満載にして移動するのはカメラマンを職業にしている人くらいでしょうから、荷物の搭載性は問われないのでしょう。

レガシィは、特に派生モデルであるアウトバックを中心に北米で大人気になり、国内をレヴォーグに、海外をレガシィにし、以後の国内レガシィはアウトバックのみになるとも言われています。

 位置づけとしては、レガシィツーリングワゴンと、WRXやインプレッサのワゴン版となっています。WRXとXVとインプレッサとレヴォーグとが並列し、やや混迷状態のスバルの市場展開ですが、スバルファンを重視した展開第一弾とも言える車種です。

エンジン
 FA20DITエンジンとFB16DITエンジンの二本立てです。FA20DITはレガシィやフォレスターに搭載されたエンジンですが、FB16DITは国産車初の「ダウンサイジングターボエンジン」となっています。これまでの2500cc自然吸気SOHCエンジンの代替とされ、小さな排気量ながらこれまでの大きな排気量のエンジンと同程度の出力を実現しています。

とはいえ、それはスペック上でのことです。実際に運転してみると、この1600ccターボエンジンはターボラグが大きく、発進時に結構なかったるさを感じます。過給圧が高まる2000回転付近からはアクセルペダル操作にエンジン回転が素早く反応し、出力も十分なのですが、肝心な市街地走行でかったるさを感じます。

後述するCVTがエンジンの欠点を補う変速制御をするのですが、それも再加速のような場合にしか機能しませんので、0発進加速ではどうしても排気量の小ささを感じてしまいます。

加えて、CVTが忙しく変速比を変えるものですから、アクセル操作はCVTの協調を予測して行う必要があります。

市街地試乗ゆえにそれほど急加速は試せませんでしたが、アクセルペダルを深く踏み込んだ時の加速感はなかなか立派です。

以上のことから、ダウンサイジングコンセプトは急加速などの時には実現されているものの、市街地走行では痛痒さを感じてしまうのでした。

トランスミッションとトランスファー
 リニアトロニックは改善が重ねられ、フリクションが高いかのような印象が払拭されました。前述のエンジンの協調において、変速レスポンスこそ素早いものの、エンジンの欠点を補うにはいたっておりません。

国産車の多くは、AT化が進んだ時期に低回転時の出力増強が進められましたが、CVTが普及してくるとエンジンの欠点をCVTに補わせるような傾向になってしまいました。その欠点がこの1.6GTにははっきりと出てしまい、ダウンサイジングターボエンジンとともに「海外で優れるコンセプトが、必ずしも日本の交通状況には合わない」ことがはっきりとしてしまいました。

 4WDは、アクティブトルクスプリット方式で成立させています。センターデフはなく、基本のトルク配分を電子制御多板クラッチへの油圧供給によって前輪60%:後輪40%とし、最大で前輪50%:後輪50%の直結4WDまで変化させます。変化をさせるための要素は、前後車輪速、アクセルペダル開度、ステアリング操舵角です。

この方式はスバルとしては最後のレオーネの末期に登場し、以後自然吸気エンジン車を中心に搭載されてきました。もはや熟成の領域に達している4WD方式ですが、基本的に前輪寄りのトルク配分であるため、積極的にアクセル操作をして車の向きを変えるようなスポーツ走行には向きません。
特にコーナーでの走行安定性を重視した4WD方式と言えます。

サスペンション
 試乗車は、標準ダンパー装着車です。乗り心地は硬めで、特に後輪からは付突き上げを感じることがありました。サスペンションの硬さに対して後述するボデーの剛性が劣り、サスペンションがストロークする前にボデーの変位が起こるのでしょうか?フォレスターほどではありませんが、下から突き上げられる印象が拭えません。

ステアリング
 電動パワーステアリングですが、電動ゆえの違和感は皆無に近いです。比較的太いタイヤを装着する車ながら、3ナンバー効果のためか最大切れ角は大きく、狭い道でも意外に苦労しません。介助のさせ方もちょうどよく、よく調整されています。

 しかし、前述のアクティブトルクスプリット4WDですが、センターデフを持つVTD-4WDと比較して、タイトコーナーブレーキング現象は感じられるようです。ステアリングにキックバックなどはないのですが、舗装路を大舵角で発車する際には、やや粘つき感ないしは、走行抵抗を感じることでしょう。

ブレーキ
 試乗から時間が経っているのでやや記憶が曖昧になっていますが、後日試乗したWRX-S4などと比較して、若干スポンジーな印象があったように思います。とはいえ、踏力の調整がしづらいような印象はありません。

ボデー
 この車も、レガシィと比較して合成を大幅に向上させたことが売りになっています。ただ、WRXシリーズが月ばいされた今となっては、ボデー前半部分の剛性は非常に高いものの、後半の剛性が見劣りしてしまうようになったのは残念です。荒れた路面では、「ボコボコ」と室内の空気がドラミングを起こす状態になってしまい、平坦な路面との格差が感じられます。

 私は車に荷物を積んで移動し、荷物を降ろして遊ぶようなレジャーはしないのでそもそもワゴン車は要らないのですが、そういう趣味がある人にとっては、搭載性が気になることでしょう。この点では、1997年発売型のアコード(ワゴン)同様、おしゃれのためのワゴンであり、荷物をいっぱいに積んで出かける車ではない、と考えたほうが良いと思います。

もっとも、そういう希望がある人はミニバンやクロスカントリー車を選ぶだけに、ワゴン車はシューティングブレークの方向に向かうのでしょう。となると、私はセダンで十分なのではないか、と思うのです。

内装はスバル伝統、色気を感じさせないやや冷たいデザインです。飾り気がなく実用的、という向きもあるでしょうが、私はちょっと疲れてしまいます。

まとめ
 初代レガシィのツーリングワゴンから二代目まで「猫も杓子もステーションワゴン」という傾向が生まれました。このことが日本人からハッチゲートの抵抗をなくし、現在のハッチバック隆盛を築いたのです。その後、ミニバンやクロスオーバーに移行していきますが、一部の層がミニバンからステーションワゴンへと戻っているようです。

 一時、国産車のワゴン車は数多くラインナップされました。ステージア、セフィーロ、プリメーラ、クラウン、マーク2、カルディナ、スプリンターカリブ、アコード、オルティアetc。いずれも市場の移行によってなくなってしまいました。そんな中で、元祖の存在として意地を見せているスバルですが、良い車に仕上がっていると思います。

ただ、どこか子供っぽい(ロボットっぽい)デザインがWRXと比較しても未消化で、どこかごちゃごちゃした印象を与えてしまっています。もう少し構成部品を整理して、大人っぽいデザインを目指すと良いと思います。
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Posted at 2014/09/21 21:36:18

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この記事へのコメント

2014年9月21日 22:25
こんばんは。三たび失礼します。

1600DIT、その心意気はイイと思いますが、仕上げの部分でもう一息、でしたね。
ただ、ここの部分は年改に期待ですかね。

足回りはグレードにより全く異なる印象でした。ただ共通して言えるのは伸び側の減衰が甘めで、特に1600GT-S(ビル装着グレード)はその傾向が強いです。
あと、不快な横揺れ対策にリジカラが欲しいですね。
コメントへの返答
2014年9月21日 22:38
こんばんは。
いえいえ、下さるコメントに救われる思いです。フェイスブックもみんカラも、「いいね」ボタンのためか、コメントによる交流よりも「いいね」中心になってしまい、残念な思いをしております。

さて、横揺れですが、私はそれほど感じなかったものの、考えられるとすればダブルウイッシュボーンサスペンションのスカッフ変化ではないかと思われます。三代目レガシィで採用されたダブルウイッシュボーンサスペンションは、室内への張り出しを抑えつつ、高い横剛性を得られます。しかし、アーム長が短いとキャンバー変化やスカッフ変化が増えてしまうのが難点です。

どうも、ワゴンボデーの剛性との相関もありそうです。

乗り心地の点は、スバルの人は旧型インプレッサの初期モデルで乗り心地を柔らかくして色々言われ、後期モデルではびっくりするほど固く変化させていたことなどから、あまりつかめていないのかな、と思ってしまいます。

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